AI教師にAIアシスタント、AIを使った学習が中国でブームに

AI産業は、まだ生まれたばかりと思う方もいるかもしれません。しかし、中国の教育関係企業の一部は、この革新的な技術が、すでに教師役を務められるほど賢いか、少なくとも学習者の手助けができると考えています。

北京に拠点を置く英語教育プラットフォーム、ビップキッドの例を見てみましょう。同社はインターネットを介して中国の生徒を世界中の教師とつなぎ、毎週50万人の生徒が学校外の教育を受けられるよう支援しています。

ビップキッドのCEOであるシンディー・ミー氏によれば、AIを使った同社のティーチングアシスタントは、生徒の意識を引きつけて学習効果を高めるために、授業内容はもちろん、宿題までも各生徒に合わせてパーソナライズできるとのことです。

また、ソフトウェアがAIベースであるおかげで、こうしたパーソナライズも低コストで実現されています。その結果、生徒の費用負担も少なくて済み、教育にまつわる大きなハードルの1つが越えやすくなりました。「目標は、特定の人々以外にも開かれた、公平でアクセス性に富む授業を提供することです」とミー氏は述べています。

上海に本社を置くライックスという教育企業も、中国の地方部でサービスを展開することによって、教育へのアクセス性を高めてきました。しかしリウリシュオという別名でも知られるライックスは、ビップキッドとは異なり、人間の教師に対してAIアシスタントを提供しているわけではありません。その代わりに同社は、AIによる完全に仮想的な教育者を作り上げているのです。

同社のCEOであるワン・イー氏は、次のように説明しています。「当社のAIベースの教師は、スマートフォンで動作するプログラムです。このプログラムは、ユーザーのスマートフォンからあらゆる種類の入力を受け取り、パーソナライズされた形で応答します。その意味で、生徒に合わせたインタラクティブなやり取りが可能なのです。」

ライックスとビップキッドは、教育へのアクセス性を改善し、パーソナライズされた学習環境を提供するという点で同一の価値を共有していますが、教育におけるAIの役割に関しては、互いに異なる意見を持っています。フォーチュン・グローバル・テック・フォーラムにおける議論の中で、ビップキッドのミー氏は「AIが教師に取って代わることはない」と断言し、AIベースの仮想教師を推進するライックスのワン氏に挑戦状を叩きつけました。

ところがワン氏は、企業としては完全に人工的な家庭教師を重視しているにもかかわらず、ミー氏の発言を完全には否定しなかったのです。彼の主張はこうでした。「これからも、常に人間には[現実の]教師が必要だと思います。その上で、さまざまな領域においてAI教師は重要な役割を果たすようになっていくことでしょう。」

また、中国のインスタントメッセージサービス企業であるウィチャットも、教育の未来に貢献することを望んでいます。同社の副社長であるサンダー・レイ氏は、次のように述べました。「当社は教育サービスそのものを提供するわけではありません。そのようなサービスは、すでに多くの企業によって提供されています。当社は、教育サービスのためのツールの提供者であったり、生徒と企業の橋渡し役やサービス同士を結びつける存在でありたいと考えているのです」

ライックスとビップキッドの両社はともに、獲得顧客のうちかなりの割合がウィチャット経由であると認めています。既存の顧客がウィチャットでユーザー体験を友人と共有し、その友人が新たにサービスに登録するきっかけを作っているのです。

教育分野で活躍する企業との関係を築いておくことは、ウィチャットの親会社であるテンセントにとっても利益になります。というのも、中国政府は2017年に、テンセントの人気モバイルゲーム「オナー・オブ・キングス」を、自国の若者の精神を堕落させる有害な存在だと非難したためです。これに対してレイ氏は、こう述べました。「ウィチャットで人々がゲームばかりをして遊んでばかりいるなら、ためにならないかもしれません。しかし、実際には自分にとって有益なことができるツールでもあると当社では考えているのです。」

この記事はFORTUNE向けにイーモン・バレットが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。