PwCの調査:5Gの早期顧客はスピードよりも安定性を重視か


5G高速セルラーサービスは、家庭用ブロードバンドとモバイルという2つの領域において、もうすぐ利用可能となります。しかし、コンサルティング会社のPwCが新たに1,000人を対象として行った調査では、顧客を5Gテクノロジに取り込むうえで、通信キャリアは通信速度の高速化以上のものを用意する必要があると示唆されています。PwC20189月時点で、5Gについて十分な知識のある顧客が、調査対象のうちわずか46%であることを明らかにし、さらに既存のインターネットサービスへの満足度が高いため、5Gを買ってもらうのは少々難しくなるだろうと結論づけました。

しかし、この調査から得られた重要な事実は、現在多くの消費者が家庭用およびモバイルのネットサービスの安定性に不満を抱えているということです。回答したユーザーの約40%が不安定なサービスへの不満を漏らし、およそ3分の1がインターネットにアクセスするうえで安定性は「必須である」と答えています。そして、通信におけるパフォーマンスの低下が、他のどの要因よりも強い関心事項であることもわかりました。加えて、セキュリティや速度、コストパフォーマンスも、それぞれ重要事項として挙げられています。

通信速度が向上するのであれば料金の割り増しに納得できるというユーザーが最も多く、家庭用では49%、モバイルでは63%に達していたことも事実ですが、この調査からは、5Gサービスに対して今よりさらに多い金額を払いたいとは必ずしも思っていないことも示唆されています。その理由の1つとして、顧客は現時点でも、自分が払っている料金に見合ったパフォーマンスを得られていないと感じていることが挙げられ、5Gでも同様のことが起こるのではないかと危惧しているのです。

家庭用の顧客のおよそ3分の1は、5Gが通信スピードを向上させるという約束を果たすのであれば、支払額を1か月あたり平均5.06ドル増やしてもよいといっています。それに対し、モバイルの顧客が増やしてもよいと言っているのは、1か月あたり4.40ドルです。しかも、モバイルの顧客の大多数は「安定した正真正銘の無制限データ通信」が5Gサービスの中に含まれることを期待しています。また、家庭用ユーザの約3分の1は、サービスの乗り換えやすさや安定性の向上、家庭内での電波状況の良好性確保など、現状よりも優れた何かを得られない限り、5Gに乗り換えるつもりはないとのことです。

さらに、新しい5G機器が入手できるようになり次第購入するという回答者は、26%にとどまっています。若い男性、アフリカ系アメリカ人、ゲーマーは、5Gを早期に受け入れる割合が最も高くなっているものの、残りの74%は、自分にとってアップグレードにふさわしい時期が来るまで待つと答えているのです。

当然ともいえますが、40歳未満と40歳以上のユーザーの間には、明らかな違いがあります。比較的若いユーザーは5Gへの興味が強く、そのための支出増もいとわない一方で、より高い年齢層のユーザーは、既存サービスの費用と安定性に不満を抱く傾向が強く、さらに家庭用サービスにもモバイルサービスにも支払料金を増やすつもりがありません。ただし、両者間の溝はそれほど大きくはなく、家庭用5Gのために支払料金を増やす気がある回答者は、40歳未満では37%40歳以上では29%でした。しかし、万人向けの5Gサービスを1つだけ提供するというやり方では、それが安価で高品質でない限り、多くの消費者を満足させることが難しいのは明らかです。

しかし、現実に安価かつ高品質なサービスは提供しがたいため、PwCは、通信業者やデバイスメーカーがマーケティングしやすいように、他の人たちよりも5Gに興味を持つ傾向が強い、人口統計学的に明確なターゲットをいくつか提示しています。たとえば、5Gに興味があると答えた顧客の3分の2以上は、次のうち1つまたは複数のカテゴリに属していました:すなわち、アフリカ系もしくはスペイン系アメリカ人で、年齢は1824歳、年収75,000ドル以上、都市部在住というものです。顧客がこれらの人口統計学的グループから離れれば離れるほど、5Gへの興味は薄れていく傾向にあります。

5Gサービスの提供に関心を持っている企業に向けた、PwCのアドバイスは以下の通りです。まず、戦略的に行動し、サービス開始後の展開を長めに計画すること。そして、「最も影響力の強い地域」に注力すると同時に、5Gへの乗り換えを促進する誘因を作り上げること。

PwCの予想によれば、サービス提供者は収益性を高めるうえで「より一層の努力」を求められることになります。また、携帯電話以外の機器をネット接続するために、消費者は今より多くの料金を支払うつもりがないことが示されており、サービス提供者はこの事実をしっかりと受け止めなければなりません。過去の例を見ても、タブレットのために追加で料金を支払ったのは、消費者のわずか28%だったのです。

冒頭で触れたように、顧客を取り込むためには、速度や安定性以上のものが求められますが、それも基本的な性能向上が実現してこそといえます。その意味では、5G普及のスタート地点として、高速で安定したサービスの構築が重要であることに変わりはないのです。

この記事はVentureBeat向けにジェレミー・ホーウィッツが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。