AIと人間のコラボレーションで築く明日の顧客サービス

どれだけブランドを愛していても、たった一度のネガティブな体験によって二度とそのブランドを利用しなくなる顧客の割合が、世界で32%にも上っていることをご存じでしょうか。総合コンサルティング企業のPwCの調査によるこの統計は、日常的に顧客とやりとりを行っているどのような組織にとっても、驚くべき結果と言えるでしょう。しかし、いずれにしてもネガティブな体験の要因になるものは、いったい何なのでしょうか? 表面的な理由はさまざまだったとしても、多くの場合、その根本原因は「顧客サービスソリューションを進化させる努力を怠ったこと」にあります。

デジタル化による破壊的な改革と変化し続ける顧客の嗜好や習慣が、日々、ミクロとマクロの両レベルで顧客サービスに影響を及ぼしてきました。従来のやり方は瞬く間に時代遅れとなり、新しく求められる手法や戦略、ベストプラクティスに置き換えられます。こうした変化の続く状況をうまく乗り切るのは困難であり、最終的な結果は、最も優れた新しいシステムやツールへの投資によって左右されてしまうのが現実です。このような環境では、堅実な外部の顧客対応の専門企業と提携することが最善の決断となり得ます。重要なのは、顧客体験に関して先手を打つために、信頼できる確かな戦略的パートナーを見つけることです。そこで本稿では、そのために押さえておくべきポイントを確認していくことにしましょう。

人とロボットのバランス

近年、顧客とのやりとりに人間による応対が一切伴わないケースが増えてきました。それは、主に「第0層」の顧客、つまり企業のウェブサイトなどにメールアドレスなどを登録したばかりの新規の顧客とのやりとりにおいて、常態化しつつあります。それは、ご存知のようにAIとマシンラーニングの進歩のおかげで、この「第0層」に向けたチャットボットなどの自動化ソリューションが、顧客サービスの大きな割合を占める初期の基本的なやりとりを24時間年中無休で行うための優れた手段となったためです。一流の顧客対応の専門企業なら、わかりやすいサポートシナリオに基づく顧客サービスソリューションの自動化プロセスを、すでに採り入れていることでしょう。

とはいえ、それは、今までのやり方から最新のテクノロジーに移行すれば済むというような、簡単な話ではありません。それでも、この分野に明るいパートナー企業であれば、取引先の抱える顧客がそれらのデジタルツールに何を求めているのかを正確に把握しているものです。PwCの調査では、米国の消費者の80%が、顧客サービスに求める要素として、スピード、利便性、豊富な知識に基づくサポート、親しみのこもったサービスを真っ先に挙げています。個人ごとにパーソナライズされた対応によってユニークなサポート体験を生み出すことが、旬な話題としてトレンドになっていることを考慮しても、このパーセンテージの高さは、何を重視すべきかを如実に表すものです。

一方で、当然ともいえますが、以上のすべてに関して注意すべき点もあります。まず、AIを利用したテクノロジーによって自動化を図ったとしても、顧客サービス部門の委託スタッフが不要になるというわけではありません。チャットボットが定型的なサービスに対応できるとはいえ、それではやりとりが不十分と感じられたり、複雑でリスクの高い状況が発生した場合には、権限と能力を持つ人間が、洗練された親身の対応で顧客に手を差し伸べることになるからです。そして、外部委託パートナーも、実際の環境でこうしたサービスに対応する準備ができている必要があります。

しかも、このようにチャットボットと人間のスタッフが混在するサービスを実現するための求人や研修、人材管理は、これまでとまったく異なるものです。したがって、顧客サービスの委託先を探すときにも、候補となる事業者が、ロボットと人が共存する環境における作業分担のバランスなどをどのように捉えているかをしっかり把握するようにしてください。どのような企業にとっても、顧客対応の作業を、ロボットから人へとシームレス、かつ洗練された方法で受け渡せるようにすることが欠かせなくなるからです。

顧客サービス部門の委託スタッフの将来

自動化や、その他のAIを利用したテクノロジーが人間の委託スタッフに及ぼす影響は、無視できるものではありません。定型的なやりとりが自動化されれば、人間の業務はより複雑な顧客対応へと移行することになるため、それに合わせて採用条件を調整する必要が出てきます。委託スタッフにとって、コミュニケーション力、問題解決力、共感力は不可欠なスキルですが、それに加えて、最新テクノロジーへの適応能力も備えていなければなりません。

たとえば、eコマースにおける小売客のサポートといったわかりやすい顧客サービスであっても、使いこなすべきツールやテクノロジーのインターフェースは極めて高度です。それらを利用して顧客サービスの効果を最大化し、スムーズなカスタマージャーニーを実現するには、テクノロジーの扱いに関して優れた能力を備えた委託スタッフが不可欠といえます。この観点から、顧客サービス部門のパートナー候補が、変化する環境に合わせて、どのように自社の求人や研修のプロセスを進化させているかを注意して観察するようにしてください。

もしも、そうしたパートナー企業が将来を見据えているならば、顧客サービス部門の委託スタッフだけではなく、それと連携するデータアナリストやプログラマーについても、自社の人材戦略の中に組み込み済みと考えられます。状況が変化し続ける中でシームレスな技術的移行に備えるには、そのような幅広い人材確保が必須だからです。

最後に、こうしたパートナー企業を探す際は、遠隔地や在宅で働く委託スタッフの求人、研修、管理に習熟していることも重要な条件となります。そのような業者は、テクノロジーを利用して個々の従業員に合わせたワークライフバランスを実現しながら、リモートワーカーの利点である拡張性や柔軟性を余すところなく活かす能力を備えていると考えられるためです。

強固な技術インフラストラクチャ

たとえ顧客サービス部門のパートナー候補が、具体的なAIや自動化テクノロジー、あるいは第0層向けのツールをまだ導入していないとしても、最小限、ニーズの変化に応じてそれらを導入できる体制は整っているべきです。それを確認するためには、パートナー候補に保有するテクノロジープラットフォームについて質問し、こちらが販売チャネルやツール、新しいソリューションを加えるたびに、そのパートナー側でも柔軟に対応できるか否かを判断しなくてはなりません。提携を決める前には、そうした新たな業務拡張に伴うコストも明らかにしておきます。また、システムのアップグレードの予定や、新しいデジタルソリューションのリリースに関する今後の計画についても質問し、パートナー候補のテクノロジーロードマップが、クライアントとなる御社の将来の製品やサービスに関するビジョンに沿っていることも確認しましょう。

顧客サービスの将来に向けて先手を打つ

外部委託型の顧客サービスを実現するために、「今」に目を向けて体制の整ったパートナー企業を選択するのは、決して難しいことではありません。しかし、忘れられがちですが、3年後や5年後にも万全の体制を保てるかどうかを入念に調べることこそが大事なポイントだといえます。

顧客サービスの世界が、かつてないスピードで変化していることは間違いありません。先手を打つには苦労が伴いますが、適切な委託先と提携することで、その重荷を肩から下ろし、代わりに背負ってもらうことができるようになるのです。

この記事は元々ブルーオーシャン・コンタクトセンターズに掲載されたものです。

Main visual : geralt / Pixabay

この記事はBusiness2Community向けにキム・キャンベルが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。