シティグループやバークレイズなど大手銀行、ブロックチェーンのトライアルプロジェクトに参加へ

近年多くのブロックチェーンサービスが登場してきましたが、これもその傾向に沿った兆候の1つでしょう。シティグループとバークレイズを含む大手銀行9社が、ブロックチェーンベースのプログラムを提供するアプリストアのトライアルに参加することになりました。

外国為替の決済を行う大手銀行のCLSIT大手のIBMは、「レジャーコネクト」と呼ばれるアプリストアが現在トライアル段階にあることを発表済みです。本格稼動も数か月以内に開始される見込みで、バトン・システムズ、カリプソ、コップ・クラーク、IBM、エムファシス、オープンリスク、シンスワップ、パーシステント・システムなど、このプロジェクトに参加しているブロックチェーンベンダーを、銀行が選択できるようになります。

ここ数年、ウォール街の銀行は、ビットコインなどの暗号通貨の基盤技術として各種ブロックチェーンを試し、無数の課題を解決する手段となる可能性を探ってきました。分散型台帳技術であるブロックチェーンは、基本的に、機密情報が含まれうるデータをセキュアかつ迅速に送信する手段になると考えられており、そのような利点から、社会保障番号などの個人情報を扱うことの多い銀行に最適とされています。

シティグループやバークレイズなどの銀行は、これまでもさまざまなスタートアップ企業と組んで、即時取引から多様な金融規制への準拠に至るまで、幅広い問題に対処するためのプロジェクト構築に取り組んできました。

理論上、レジャーコネクトは、そのプラットフォームを通じて銀行がブロックチェーンプロジェクトを選択しやすくすることにより、銀行間で共通のブロックチェーンプロトコルが利用されるよう促し、互換性のないプロトコルがいくつも並存する状況を避けることを目指すものです。

CLSでテクノロジー担当マネージングディレクターを務めるラム・コマラジュ氏は、「このサービスの参加企業が、共通のインフラストラクチャを構築する意味は何でしょうか?」と問いかけて、その意義を強調しました。「それは、同じ問題解決のために、新たなブロックチェーンアプリケーションがいくつも開発されるような状況を避け、各銀行のエンジニアが本来取り組むべき独自の業務に集中できるようにすることです。」

レジャーコネクトが提供準備中のブロックチェーンベースのプログラムには、マネーロンダリングの防止を目的としたノウ・ユア・カスタマー、略してKYCと呼ばれる顧客管理規制に対応するものや、融資担保管理への対応を目的としたものも含まれる予定となっています。また、それらは、IBMのブロックチェーン・プラットフォーム、および、企業向けのブロックチェーン・プラットフォームであるハイパーレッジャー・ファブリック技術に基づくものです。

レジャーコネクトは、銀行がこれまでより容易に、低コストで規制や取引に対応できるようにすることを目指しています。とはいえ、そのプラットフォーム自体を提供するうえでも、中央銀行やニューヨーク連邦準備銀行などで構成された監督委員会からの承認が必要なのが現状です。そのことがプラットフォームを公開するタイミングの見定めを難しくしているものの、IBMの金融市場担当バイスプレジデントであるキース・ベア氏は、2019年初めまでに稼働を開始し、さらに銀行とアプリケーションの数を増やしていくとの考えを表明しています。

一方で、新旧のシステム統合には問題がつきものです。そのため、このサービスの利用を考える銀行では、現在、正式な公開に先駆けて内部システムの改革を進め、レジャーコネクトとの統合に備えています。

IBMのベア氏は、自社の立ち位置を次のように説明しました。「スピードの異なる企業間の連携を可能にすることは、大きな課題です。一方には、厳しい規制の中で徐々に変化しつつある金融業界があり、もう一方には、リソースが限られていてもはるかに活発で目まぐるしく変化するフィンテックの流れがあります。私たちの役割は、ある意味で、こうしたスピードとリソースの違いを仲介することなのです。」

CLSIBMの両社は、シティグループとバークレイズ以外の残り7つの銀行名について、それらの銀行がまだ内部承認を受ける必要があることを理由に公表を差し控えました。しかし、業界の動きを考えれば承認は時間の問題といえ、2019年にはブロックチェーンに基づくさまざまなサービスが稼働し始めることになりそうです。

この記事はFORTUNE向けにルシンダ・シェンが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。