世界へはばたく4つのモバイル旅行トレンド

いくらデジタル化の進んだ世の中でも、少なくとも今のところ、空の旅そのものの距離や時間を短縮することはできません。たとえば、ボストンからニュージーランドに行くには、飛行機に乗り込んでから16時間以上も座って過ごすほかなく、瞬間移動などは夢のまた夢です。しかし、全体的な旅の「体験」をモバイルデバイスとテクノロジーによって充実させることは可能であり、すでにいくつかのブランドがそのための取り組みを本格的に進めています。本稿では、世界にはばたく4つのモバイルトレンドをご紹介します。

1. チャットボット - 「必要な答えをいち早くゲット」

air new zealand

[名前] ブラボー・オスカー・タンゴ (タンゴと呼んで)    [職業]  トレーニング中のボット      [週末の楽しみ]  チャットルームで過ごすこと

[好物]  オープンソースをつけたギガバイト   [休日の過ごし方]  晴れた場所ならどこでも。たまにはクラウドから出て過ごすのもグッド。

旅行には多くの楽しみがある一方で、ときには最悪の状況に陥ったりもします。その1つが、家から遠く離れた場所で何か問題が発生した場合に、たちまちストレスだらけの状況へと一変することです。航空会社や旅行代理店には、スーツケースの紛失やチケットの変更といった問題を解決しようとする顧客サービスへの依頼が殺到しています。そして、これはあくまで一般論ですが、バルセロナの空港でイライラが最高潮に達しているときに限って、問題を解決できる担当者が見つからなかったりするものです。とはいえ、こうした状況も最新テクノロジーによって変わりつつあります。たとえば、ニュージーランド航空はチャットボットの「オスカー」を導入したおかげで、オーストラリアとその周辺地域からの問い合わせの75%に自動応答できるようになったとのことです。これにより、顧客サービスの担当者はその分の作業から解放され、複雑な問い合わせへの対応に一層集中できるようになりました。つまり、顧客にとって、目の前の問題がより早く解決されることになったというわけです。

2. IoT - 「飛行機を降りてからホテルまでのプロセスをシームレスに」

すでにルフトハンザ航空は、IoTを利用して、乗客が同社アプリ内に用意されたモバイル搭乗券用リンクから各自の手荷物を追跡できるようにしようとしています。これによって乗客は、飛行機から降りた瞬間に預けた手荷物の状態を把握できるのです。

また、シンガポールに拠点を置くDPSことドロップ・ポジショニング・システムという企業は、乗客の手荷物の保管や場所の特定といったプロセスを簡素化し、保管状況の管理だけでなく、紛失したアイテムや発見されたアイテムの追跡にさえ対応可能な、「スマートホテルエコシステム」と呼ばれる包括的な仕組みを構築しました。このシステムを導入したホテルは、省人化と同時にワークフローの効率化を実現することができます。

DPSの製品が航空会社と一連のホテルチェーンに導入されるということは、つまり、旅行中に発生する問題の原因となりがちな乗客の手荷物の、飛行機から、駐機場、手荷物受取所、ホテルに至るシームレスなトラッキングの実現を意味します。そして、そのプロセスのすべては、乗客がモバイルデバイスからアクセス可能なテクノロジーによって支えられているのです。

3. プッシュ通知 - 「シークレット料金をゲットする人は誰?」

春の終わりに、オンライン航空券予約サイトのホッパーが自社アプリ内で提供したプッシュ通知による「シークレット料金」がかなりの注目を集めました。旅の専門誌であるトラベル・アンド・レジャーでも「利用者はフライトごとに500ドルを節約できる」と謳った記事が掲載されたほどです。あいにく「シークレット料金」は6月に打ち切られましたが、その理由としてホッパーのCEOは「このプログラムが招いた混乱を、これ以上は避ける」必要があったと述べています。非常に残念でなりません。

しかし、実のところ、航空会社であろうと、あるいはホテルや観光地であろうと、旅行のさまざまな段階で送られてくるプッシュ通知が旅行者にとって極めて重要であり、自社アプリに対するロイヤルティを確保する手段となることに変わりありません。そうしたプッシュ通知には、たとえば、交通量のお知らせやチェックイン場所の指定、または、旅行者がこれから体験する内容に関する情報などが含まれます。過去のシークレット料金は、航空会社の入り組んだ価格設定が原因となって利用する機会が少なかったかもしれませんが、プッシュ通知はそうした状況を一変させる、強力なモバイル旅行ツールとなりうるのです。

4. ボイスインターフェース - Hey, Siri! エッフェル塔はどこ?」

今や音声検索は、ホテル業界で最も大きな可能性を秘めたテクノロジーです。旅行代理店や航空会社に対してモバイルソリューションを提供しているトラベルポート・デジタルの2017年モバイル旅行トレンド調査によると、旅行ブランドの31%2018年中に音声技術に投資する計画を持っています。ボイスインターフェースや音声検索がますます一般に浸透してきていることから、旅行アプリに音声を組み込むことは心理学的にも妥当な判断であるといえるでしょう。大多数の人があなたの第一言語を「話さない」土地を訪れたときにも、その言語を「話す」AIアシスタントを搭載した信頼できるスマートフォンがポケットの中にあれば、安心できるはずです。

トラベルポート・デジタルの2018年モバイル旅行トレンド調査

上記では2017年版を参考にしましたが、2018年版も公開されています。以下は、2018年版で最も情報密度が高いと思われるスライドです。

Screen Shot 2018-06-21 at 9.28.23 PM

[左上棒グラフ] 旅行に関する通知で最も有益と感じるものは何ですか?

79% 旅行に関する状況報告 / 76% 考慮中のフライトの料金変更 / 68% ディスカウントやオファーの情報 / 68% 予約状況のリマインダ

[左下棒グラフ] 旅行代理店や航空会社とのコミュニケーション手段としてどれを選びますか?

60% アプリWebサイト / 52% メッセージ / 33% SNS / 15% 音声

 [右円グラフ]

80%の旅行者が、旅の情報収集にスマートフォンを利用  / 77%の旅行者が、チケットの予約や支払いにスマートフォンを利用 /

65%の旅行者が、旅の情報収集や予約をチャットボット経由で行うことに前向き / 

88%の旅行者が、旅に関するすべてのコンテンツに1つのアプリからアクセスできれば便利だと考えている

この調査結果からも、旅行代理店や航空会社とのモバイルコミュニケーションは幅広く普及し、今後も拡大することは明らかです。これは約1,000人の旅行客が対象なので、確かに比較的小規模な調査ではありますが、自分の周りの人たちに聞いてみても、さほど違いはないでしょう。知人たちも、アプリを利用して旅行の計画立案やリサーチ、予約を行ったり、そのプロセスのさまざまな段階で通知を受け取ったりしていませんか? 特に国内旅行の場合は、その傾向が強いはずです。このように、モバイルデバイスやアプリは、旅行分野における強力なツールとなっています。そしてこれからも、旅の最中の手荷物やスケジュール、体験してみたいことに関する情報を、すばやく、理想的な方法で旅行客とシームレスにつなぎ続けていくことでしょう。

この記事は元々ローカリティクスによるアプリの分析とマーケティングに関するブログに掲載されたものです。

 

この記事はBusiness2Community向けにTed Bauerが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。