いま注目のロボティクス!2018年のトレンドまとめ

今年前半にアップワークが発表した、2017年の米国市場におけるフリーランサー向け人気スキルランキングでは、ロボティクスがトップの座に輝きました。しかもこの分野は、いまだ失速の兆しが見えません。ロボティクス関連プロジェクトへの支出は今後2年で2倍以上になると予想されています。今も、胸を躍らせるような発明、応用例、チャンスが新しく生まれ続けているのが、ロボット技術の領域なのです。それでは、ロボティクスにおける新たなブレークスルーには、どのようなものがあるのでしょうか?

自動化を目的としたロボティクスは、良くも悪くもテクノロジー分野を席巻し続けています。しかし、自動化だけが、最新ロボットの設計目標ではありません。人間が赴くには危険な場所へ行くことのできるロボットや、人間の仕事を手助けしてくれるロボットもいます。こうしたブレークスルーを生み出すロボットの開発チームは、目的達成のためにハイテク関連のスキルを持つ専門家を活用しており、その分野は航空宇宙、機械工学から、コンピュータプログラミングAIに至るまで多岐にわたっています。

また、ロボティクスの実例の中には、技術の話を別にしても楽しめるものが少なくありません。それでは見ていくことにしましょう。

人間のクオリティ・オブ・ライフ向上を目的とするロボット

人の生活の質が少しでも上がるように力を貸してくれるロボットは、それだけで1つのカテゴリをなしています。このカテゴリのロボットには、生活の中の些細なことや楽しみに向けられたものから、人命や地球自体を救ったりするものまでが様々です。たとえば、ロボット掃除機のルンバは、人間にとって気がかりな雑用を1つ減らしたことで、家事ロボットブームの火付け役となりました。CESことコンシューマー・エレクトロニクス・ショーでは、消費者を主なターゲットとしたロボットが毎年発表されています。これらのロボットは、人間が抱えるありがちな不満や慢性的な悩みに対してソリューションを提供するものです。解決の対象となる問題には大きいものも小さいものも含まれ、入り組んでいることで有名なIKEAの家具部品を組み立てるというロボットすら登場しました。

一方で、ホンダの災害対応ロボットは、生存者を見つけたり瓦礫を撤去したりする目的で開発され、人間では通れない狭い場所へも入っていくことができます。また、リトル・リッパーなどの水難救助用ドローンは、周囲のサメを自律的に探し出し、安全と考えられる場所に救命ボートを投下することが可能です。さらに、植林用ドローンは種をまくのに最適な場所の発見して作業でき、細心の注意を要する手術を手がける外科医を手助けする精密ロボットや、狭い場所で燃えさかる炎の消火活動にあたる消防隊員の助手となるサーマイトRS1-T3という協働ロボットもあります。

とはいえ、ロボティクスの目的が常に人命に関わるシリアスなものとは限りません。ケーキを焼くためのロボットや、コーヒー一杯を淹れるためのロボット、さらにはトマトを収穫するためのロボットも存在しているのです。

「最後のフロンティア」としての海洋を探検する航海ロボット

私たち人間には生物的な限界から、地球上に探検したくても立ち入れない場所がありました。たとえば、活動に酸素が必要という基本的な点も、この制限の要因です。結果的に、人間は海底のおよそ5%しか探索していないといわれており、そのため、火星の表面と変わらない未知の領域となっています。

シェル・オーシャン・ディスカバリーは、こうした限界の克服を目指して行われているコンテストです。先端技術を競わせることで有名なエックスプライズ・コンペティションの一環であるこのコンテストは、深海・海底探査ロボットの作成を目指すもので、現在、決勝ラウンドを迎えており、参加ロボットは海底の地形図を生成することになっています。これによって、人間は海の下に何があるのかを、よりよく知ることができるでしょう。たとえば、ノーチラス・ミネラルズというカナダの企業は、海底の豊かな鉱床から鉱物を回収するため、深海の採掘・掘削ロボットを開発しました。

もっと地表に近いところでは、MITが開発した魚型ロボットのソーファイがあります。このロボットは、海洋生物を水中で間近に研究するため、周辺環境に上手く溶け込めるよう作られています。ソーファイの一部は3Dプリンタで作られており、3次元的に泳ぐことができるため、このカテゴリのロボットの中でも異彩を放つ存在です。

同種のカテゴリーには、太陽系の地球以外の惑星を巡回するロボットや、地球の核に向かって火山の亀裂を探検するロボットも含まれています。

厄介ごとはロボットにお任せ

人間が行けない、あるいは行きたくない場所でも活動できるというだけでも、ロボットによる支援を認める根拠としては十分かもしれません。しかし、そういった用途よりも需要が多く、しかもロボットに最適と思える分野があります。それは、人間にとって大変厄介な作業領域であり、たとえば、大きな産業用タンクの内側洗浄の仕事などが挙げられるでしょう。このジャンルでは、アーバン・リバーズというスタートアップ企業が、シカゴ川を掃除する清掃ロボットの開発に取り組んでいます。このロボットは、資格を持つ誰もが、いつでも、どこからでも、ウェブアプリを介し遠隔で操作できる点が大きな特徴です。

水中用ロボットとしては他にも、毒性のある捕食性のミノカサゴを駆除するために発明されたものがあります。このロボットが対象とするミノカサゴは、世界中で生息地を広げており、その取り扱いには危険が伴うため、まさに適任といえるでしょう。

あるカメラ付きロボットを開発した東芝が、その支援の対象として選んだのは、人間にとって水中とはまた違う危険をはらんだ場所でした。このロボットは、2011年の地震と津波で損傷をこうむった福島の原子炉の現場調査のために用いられたのです。福島で使われたロボットはこれだけではありません。2017年には、水の溜まった原子炉を精査するための遊泳ロボットも導入されています。

建設用ロボットで労働者不足を克服

ロボティクスは、世界の経済を支えるためにも進歩を続けています。労働者の不足や困難な課題に悩まされているなら、協働ロボットが仕事の合理化と生産性の向上に一役買ってくれるでしょう。

協働ロボットは、地面に高低差があり障害物も多い現場を抱える建設業にとって、特に重要な存在といえます。この分野のロボットは、機動性、安全性、空間認識能力を備えており、建設業で利用する場合に威力を発揮するからです。コンストラクション・ロボティクスによるレンガ積み用協働ロボットSAM100など、建設現場における反復的な作業に特化したロボットも活躍しています。

この他にも、単純に人の手が2つでは足りないときに役立つロボットがあります。作業者が片手に壁面ボードを持ち、もう片方にハンマーを握り、口には予備の釘をくわえなければならないという状況でも、壁面ボードを所定の位置で支持してくれる清水建設のロボ-バディが居れば、両手を自由に使って作業ことができるのです。

総じていえば、建設用途のロボティクスは、この業界の労働者不足に起因する安全上のリスクとプロジェクトの遅延を、ある程度緩和する役割を果たしています。都市部の高層建築ではとりわけその傾向が強いといえるでしょう。

未来はここにある:自律的ロボット

ロボティクスが真の意味で生産性における革命を起こし始めているのは、自律性を持つロボットのカテゴリーにおいてです。現実の活用シーンにおいて、ロボットが便利さを発揮できるのは、人間による操作なしに自分で仕事を遂行するための十分な知性を備えるようになったためといえます。

たとえば、ルンバは自律的なロボットのカテゴリーに含まれる製品です。「一度設定してしまえば、後は何も考えなくてよい」のですから。しかし、それでもまだ、自律的なロボティクスの表面をかすった程度に過ぎません。ボストン・ダイナミクスが開発した、宙返りをするアトラスというロボットや、ドアを開けるロボット犬のビデオをまだご覧になっていないなら、今すぐご自分の目で確認してください。これらは、現在のロボティクスの到達点を示す素晴らしい実例です。歩行したり、厄介な地形の中で障害物を避けながら移動したり、転倒後に自身の身を立て直すという動作は、このような二足歩行と四足歩行のロボットが得意としています。その上で、安全性やビジネスとしての成功が保証できるか否かという問題は、既に存在している自動運転車も含めて、最新のAIの能力次第ということになるでしょう。その点がクリアできれば、ロボットは、より広範な領域で導入されていくはずです。

この記事の初出は、アップワークに掲載されたものです。

この記事はBusiness2Community向けにCarey Wodehouseが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。