ブロックチェーンが生みだす新たなビジネスチャンスと人材雇用

IT業界といえば、流行語になるテクノロジーで有名です。クラウドコンピューティングしかり、Web 4.0しかり、そして皆さんが覚えているかどうかわかりませんが、グーグルグラスしかり。これらはどれも、創造的破壊の期待値に見合う効果があったかどうかは別として、この業界で一時話題になったものばかりです。そして、最近注目の流行語といえば「ブロックチェーン」でしょう。ブロックチェーンは、暗号通貨「ビットコイン」を支える中核テクノロジーの1つです。筆者が属しているIT関連の人材派遣会社にも、ブロックチェーンテクノロジーがキャリアや事業を変革する可能性を探ろうと、相当数の問い合わせが寄せられています。本稿では、こうした経験を踏まえながら、ブロックチェーンテクノロジーが読者の皆さんの未来に与えうる影響について、押さえておくべきポイントを明らかにすることにしました。

ブロックチェーンの基本

ブロックチェーンを正確に定義するのは困難です。米国人の60%以上がビットコインについて耳にしたことはあっても、それを支えるブロックチェーンテクノロジーについてはうまく説明できません。IT業界の人々でさえ、統一された定義になかなかたどり着けずにいます。とはいえ、以下のブロックチェーンの基本事項については、「たいていの場合」賛同が得られるはずです。

  • ブロックチェーンは分散型のデジタル台帳である
  • ビットコインなどに象徴される、非集権的なマシンのピアツーピアネットワークに接続する
  • ネットワークの全メンバーがすべてのトランザクションに参加し、タイムスタンプ付きの不変的な記録を作成する

これらの特徴から、ブロックチェーンは、犯罪者がビットコインやイーサリアムを含む、あらゆる暗号通貨の偽造を難しく非現実的なものにしてしまいます。この点でフィンテック業界との親和性が高く、その影響力の大きさを予測できなかったほどの創造的破壊を金融業界にもたらしました。そのため、多くの人が「ブロックチェーンには、金融業界以外にどのようなビジネスチャンスがあるだろうか?」と考えるようになったのです。

ブロックチェーン関連のビジネスチャンス

流行語になり得る新しいテクノロジーが総じてそうであるように、ブロックチェーンに関しても、IT業界は今もその可能性の限界を見極めようとしています。そして、分散型台帳が金融以外の業界でどのように役立つのか、まだ決定的な答えは見つかっていないものの、ブロックチェーンがもたらす可能性についてある程度の見通しがついてきました。

  • 選挙での不正を防ぎ、民主主義を守るために、投票システムのセキュリティを確保する
  • 医療記録の一貫性と整合性を高め、患者自身も情報を管理しやすくする
  • 仲介者不要で締結できるスマートな契約を実現でき、様々な交渉を促進する

これらの項目からもわかるように、基本的にブロックチェーンテクノロジーが適しているのは、セキュリティや記録管理の向上が重要な意味を持つデジタル処理が行われている分野です。しかし、そうした分野のすべてにおいて、ブロックチェーンのビジネススキームが完全に出来上がっているというわけでもありません。

実際にも、数多くの企業がブロックチェーンの波に乗ろうとしてきましたが、分散型台帳テクノロジーを自社のサービスに取り入れる方法について明確な方針もなく、流行語となったブロックチェーンを事業目的に加えただけというケースも多かったのです。こうした短絡的な対応は、企業としての信頼性を損なう結果につながりかねません。たとえば、ロングアイランドアイスティー社が、社名を「ロングブロックチェーン」に改称したところ、同社の株価は短期的に上昇しました。しかし、現実にはブロックチェーンの専門知識など持っておらず、詐欺罪で告訴されたのでした。この事例からは、「経験豊富なIT専門家を見つけ、様々な可能性を検討した上で、適切なユースケースにたどり着くまでは、流行に飛び乗ってはいけない」という教訓が得られるでしょう。

ブロックチェーン関連の雇用機会

ブロックチェーンが遠い存在から身近な現実へと変わるにつれて、企業はその分野経験を持つ人材を、これまで以上に求めるようになっています。色々なレポートを見ても、2018年第1四半期に最も急成長したスキルの1つがブロックチェーンであったことがはっきりしました。また、ハッカー向けのオンラインメディアである「ハッカー・ヌーン」は、IT企業の集まる都市部におけるブロックチェーン開発者の年収が158,000ドルに上ると報告しています。

では、ブロックチェーンがもたらす最高の雇用機会を生かして就職するには、どのような知識が必要でしょうか? 最高の人材に共通するのは、以下のようなスキルです。

  • バックエンド開発の知識 - ブロックチェーンでは大量のデータと記録を扱うため、データベースの操作やユーザー認証の経験が不可欠です。
  • JavaScriptの専門知識 - 多くのブロックチェーンのAPISDKが、JavaScriptを使って開発されているため、そのコードの編集や書き換えのスキルを持つIT専門家の需要が高まるはずです。
  • サイバーセキュリティ - ブロックチェーンは、サイバーセキュリティツールとしても有望です。このテクノロジーを、自らのサイバーセキュリティ戦略のレパートリーに加えることのできたIT専門家は、典型的な情報セキュリティの脅威による被害を最小限に抑えることができるでしょう。

ブロックチェーンでつかむ未来

ブロックチェーンテクノロジーの勢いは今もとどまるところを知らず、今後の成長速度を予測することさえ難しいといえます。それでも、ただひとつ明らかなことは、このトレンドを先取りしたIT専門家や企業にとって、大きな利益を得るチャンスがすでに数多く存在するという事実です。この分野で求められるスキルを磨いたり、新たな雇用機会を創出して、成功をつかみとってください。

この記事は元々「トランステックITスタッフィング」サイトに掲載されました。

この記事はBusiness2Community向けにGreg Hallが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。