AIと機械学習で実現するプロアクティブ・アナリティクス

BIことビジネスインテリジェンスに基づくソリューションは、ビジネスの世界で着実に影響力を強めてきました。20年近く前に誕生したBIという概念は、一段と深い分析、さらなる処理の高速化、より理解しやすい結果表示を求める声に応え、何段階にも渡って変容と進化を遂げてきたといえます。そして、次の段階に移行するたびに新しいユースケースが生まれ、そこから生まれるビジネス価値も増大してきたのです。

今日までの発展の結果として、BIソリューションは、主に3つのカテゴリに分類できるようになったと考えられています。

  1. 記述的アナリティクス:統計情報、すなわち過去に起こったことの記録を分析し報告するもの。
  2. 予測的アナリティクス:記述的アナリティクスによって見出された過去の傾向を元に、将来起こりうることの分析を、豊富な情報と共に提供するもの。
  3. 処方的アナリティクス:想定可能な出来事の詳細を提供するだけでなく、それに対処するための助言も含まれるもの。

機械学習とAIは、主に2と3のアナリティクスに貢献しています。

プロアクティブ・アナリティクスの例

記述的アナリティクスは、リアクティブ、つまり、すでに起こったことに対して事後的に対処する分析手法です。これに対して、予測的と処方的アナリティクスは、プロアクティブ、すなわち、これから起こるであろうことに対して事前に分析を行います。そして、BIソリューションから最大の価値を引き出そうとするならば、企業はリアクティブ・アナリティクスからプロアクティブ・アナリティクスへ舵を切るべきです。プロアクティブ・アナリティクスの利点は、関係者にリアルタイムの洞察や警告を提供することによって、より確かな情報に基づいた意志決定の手助けをできるという点にあります。下記のユースケースは、既に使われているプロアクティブ・アナリティクスの実例です。

  • 潜在的な顧客に対して提供済みの情報や、それらの顧客が自社の販売システム上で能動的にオンライン検索を行った結果を元に、どの製品が実際にアピールするかを判定する
  • 機械類の修理やメンテナンスのタイミングを予測する
  • 特定の顧客によって行なわれた通常とは異なる量の製品発注が、過剰であるかどうかを判定する
  • 顧客の嗜好を予測的に理解し、マーチャンダイジングを自動化する
  • 航空業界で過去に生じた機器の故障に基づくメンテナンス計画を策定し、飛行機の遅延を減らす
  • IoTセンサーからのリアルタイムデータに基づいて、近い将来に起こりうる機器異常に事前対処する
  • 季節ごとの需給動向を理解し、それに基づいて経営を合理化する
  • 医師が下す診断のスピードと信頼性を高めるため、医療向けシステムによる支援を提供する
  • 新薬の開発と発見を加速する

企業は、機械学習によって強化されたBIを利用して、経営効率を高めたり、顧客体験の個別対応を進めることができます。しかも、こうした応用には無限と思えるほどのやり方が存在しており、上記のシナリオはあくまで少数の例に過ぎません。しかし、いずれにしてもAIは、現在供給されている膨大な量のデータを企業が理解するうえで役立つ存在です。

一方で、ソリューションの複雑化に伴い、企業が、経験を積んだスタッフの雇用を増やす必要に迫られる可能性も高まっています。たとえば、そうしたソリューションを既存の業務に適切に組み込んだり、BIによる分析結果を意思決定者が利用しやすい形式に整えて、効果的な情報を提供することのできるスタッフです。その意味で、BI提供業者にとってのこれからの課題は、常にAI機能の最前線に留まり、高いスキルを持ったデータアナリストやデータサイエンティストの助けを借りなくても理解できるような、付加価値の高い新機能をビジネスユーザーに提供していくことにあります。

こうしたソリューションが最大限に効果を上げられるようなBIツールの開発には、すでに多額の投資が行われており、BIソリューションの導入と運用にあたって、生産性と競争力を可能な限り高めるための助言を行う企業も存在しています。ビジネスの利益を最大化するうえで、どのように最新のBIシステムを利用すべきか、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の初出はクリックデータのブログに掲載されたものです。

 

この記事はBusiness2Community向けにRob Woodが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。