AR、VR、そしてMRへ、テクノロジートレンドが世界を再編する

イノベーションに関するコンサルティング企業であるフレッシュマインドは、最近実施したテクノロジートレンド調査の一環として、先進的なテクノロジースタートアップの創業者にインタビューを行い、新たなトレンドがいかに世界を再編しつつあるかを探りました。

本稿では、トライブVRCEO兼共同創業者であるトム・インパロメーニのインタビューをご紹介します。トライブVRは、ARとVRを利用して、現実のスキルを教えることを目的とした没入型学習プラットフォームを提供する企業です。この分野における新しいトレンドや、業界各社によるこれらのテクノロジーの利用法、そして今後の展望について、同氏は何を語ったのでしょうか?

Q: まず、VRの利点とその主な応用分野について、考えをお聞かせください。

A: VRの魅力は、ユーザーを居ながらにして別の場所に連れて行ってくれるところです。たとえば、スタジアムに足を運ばなくてもスポーツを観戦することができ、教室にいなくてもスキルを習得できます。また、とてつもなく素晴らしいソーシャルプラットフォームとなることも可能です。フェイスブックが先端的なVRテクノロジーメーカーであるオキュラスを買収したのも、そのために他なりません。両社はVRこそが、次世代のソーシャルメディアだと捉えているのです。VRによって、事実上、誰かと同じ部屋にいる体験が得られるとしたら、わざわざスカイプなどのビデオチャットを利用する理由などなくなります。また、VRは長距離旅行の必要性も減らすことでしょう。しかし、これらすべての用途のなかでも、最も有望なのが教育だといえます。何かのしくみについて、単に本を読んだり動画を観たりして学ぶことと、VRのように没入できる環境でその説明が行われることとでは、まったく次元が異なる体験だからです。

Q: ARについてはいかがですか? 注目すべき領域なのでしょうか?

A: ARは、今や誰もが持っているスマートフォンを利用して提供できるため、VRよりもはるかに広い応用が可能です。スマートフォンならいつでもポケットに入っているので、どこにいても対応アプリを起動するだけでそれなりの体験ができるARが、多額の投資と関心を集めるのも当然といえます。ただし、今のところVRよりもARのコンテンツのほうがより多く提供されているものの、それがこの先ずっと続くとは限らないでしょう。

Q: 企業はARやVRをどのように利用していますか?

A: 企業向けのVRは大きな成長分野です。大手各社が従業員用の教育体験やトレーニング体験のコンテンツ開発に投資していますが、そのどれもがVRで提供されています。

また企業による、VRを使った没入型広告の制作も進行中です。VRは、テレビでコマーシャルを流したり、街中に広告看板を設置したりするより、ずっと効果的なブランドメッセージの伝達手段だといえるでしょう。VR用のヘッドセットを装着した人は、完全にその体験に集中することになり、テレビを横目に見ながら携帯電話を操作するというようなことがありません。そのため、利用者が完全に没頭している状態でストーリーを伝えたり、広告ブランドとの関係を深められる状況を作り出せるのです。

VRの広告への応用は間違いなくイノベーションの一領域である一方、企業は、消費者へのリーチを拡大するうえで短期的にはARも有望だと認識しています。

しかし、いずれにせよARもVRも万能ではないと心得るべきでしょう。重要なのは、「VRやARが、従来のソリューションよりも、目の前の課題をうまく解決できるか否か」という点です。もしそうでないなら、ARやVRによる解決策を採るべきではありません。とはいえ、これらのテクノロジーが有効に機能するのであれば、真の問題解決につながる大きなチャンスが得られることもまた事実です。

Q: オキュラスが最近発表した200ドルのヘッドセット「オキュラスゴー」については、さまざまな期待が寄せられました。この製品は、VRが主流となるうえでのゲームチェンジャーとなりうるでしょうか?

A: 200ドルのVRヘッドセットが、ゲームチェンジャーとなるのは間違いありません。しかし、オキュラスゴー自体が、VRを変える製品なのかどうかはわかりません。実のところ、オキュラスのテクノロジーをフルに実装した上位製品は、ヘッドセットとコントローラーを合わせたコストが400ドルになります。加えて、コンテンツの再生には、さらに1,000ドルクラスのノートPCが必要です。それと同等の高品質なVR環境が、単体で機能する200ドルほどの低価格の製品で実現できるようになれば、そのときこそ仮想現実がビジネスの場で活躍することになるでしょう。市場が動き出すには、大容量のバッテリーを備え、スマートフォン並みの価格で、3次元空間における制約のない自由度を意味する「6自由度」を達成した製品の登場を待つ必要があります。

Q: 今後の展望を教えてください

A: 注目すべき今後の大きなトレンドは、MRと呼ばれる複合現実です。これは、ARやVRを融合した概念で、1つのヘッドセットですべてに対応できるようになります。今後、ユーザーが、コンピュータやスマートフォンのようなフラットな画面ではなく、自身を取り巻く世界そのものとやり取りするようになっていくことは避けられません。それが、この分野の最終的な到達点です。実際には、それが実現可能かどうかという段階はすでに超えて、いつ実現するかということに興味が移りつつあります。正確な予想は私にもできませんが、現在の次の世代のデバイスによって大規模に実現されるはずです。しかし、コンテンツや価格がすべて程よい範囲に収まり、MR対応のヘッドセットが普及へと向かう、自然な転換点が必ず訪れるはずです。

この記事は元々フレッシュマインズ ブログに掲載されたものです。ARとVRの詳細については、最新レポートをご覧ください。

この記事はBusiness2Community向けにEmma Muckersieが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。