ゲーミフィケーションで人材採用プロセスを効率化

ゲーミフィケーションの人気が急上昇し、実業界でも流行語として広まっています。そして、その応用が、いくつかの業界、さまざまな部門、何千人もの才能ある人々にメリットをもたらすようになりました。とはいえ、企業戦略の実現にあたってゲーミフィケーションのメリットを活かす方法を十分に理解していない人々も存在しています。その疑念を晴らすには、適切な人材を採用する組織の取り組みにおいて、ゲーミフィケーションがいかに成功を収めてきたかを知ることが必要です。

人材採用のプロセスにおいて、旧来の業界規範や時代遅れの求人方法から脱却するにはどうすればいいでしょうか? 本稿では、組織がゲーミフィケーションを利用して、実際に適切な人材を採用するチャンスを増やすための方法を見ていきます。

ゲーミフィケーションを利用した人材採用とは

ここでいうゲーミフィケーションとは、マーケティング、営業、従業員エンゲージメント、プロジェクト管理、そしてもちろん人材採用を含めて、本来はゲームとは無縁と思えるビジネスの取り組みや事業戦略に対して、ゲームが持つ特徴を応用することです。ゲーミフィケーションによって、ありふれていて退屈になりがちな企業戦略の側面を、より魅力的で、意欲を高める楽しいものへと変えることができます。また、チームの結束力や士気を高め、連携を促し、課題克服の成功率を押し上げる効果もあるのです。

といっても、ゲーミフィケーションは社内における目標や目的を達成するためだけに有効なのではありません。いくつかの組織では、顧客に近づき、その行動を理解して、消費者体験を向上させるうえでも、ゲーミフィケーションを応用しています。

ゲーミフィケーションのもっとも魅力的な側面は、「ゲーマー」に行動を起こす動機を与えられることでしょう。ここでいうゲーマーとは従業員や個人を指し、特定のゲームでハイスコアを達成して、並外れた能力を発揮できるのは誰か、ということが明らかになります。こうした特性があるために、ゲーミフィケーションは人材採用における完璧なソリューションになるのです。

ゲーミフィケーションが人材採用に最適である理由

ゲーミフィケーションは、多様な人材採用手順をすべてゲームという括りでサポートすることが可能なため、汎用性の高いプラットフォームだといえます。たとえば、人材採用にゲーミフィケーションを応用すれば、候補者のスキルと能力をテストする、認知行動や神経科学に基づくAIベースの分析を行う、候補者にタスクを終わらせる意欲を与える、候補者を作業に熱中させ、チームワークを培うといった手順のすべてに適用することができるわけです。

また、雇用主にとっては、ゲーミフィケーションを利用した人材採用によって、自身の雇用者としてのブランドイメージを何倍にも高めることができます。ゲーミフィケーションを採り入れているという事実そのものが、御社の革新性や公平性を象徴し、かつテクノロジーに精通していて、最高かつ最適な人材の採用に熱心に取り組んでいるという印象を与えるためです。つまり、候補者にとって、御社が雇用主として非常に魅力的な存在になるといえます。

さらに、採用担当マネージャーの観点からは、ゲーミフィケーションによって、組織の要件に完全に合った人物を採用できるチャンスが高まることがメリットとなるでしょう。設定次第で、特定のスキルセットや性格、能力に重点を置いた多様な状況を作り出して、候補者の資質を試すことができるためです。これまでは、このようなことを思いついたとしても実行に移すのが容易ではありませんでした。しかしゲーミフィケーションを利用すれば、候補者の頭の中に入り込んだかのように、その仕事ぶりを支える原動力が何かを探り、問題解決能力を評価して、プレッシャーがかかる状況での実行能力を正確に見極めることが可能になります。

一方で、求人市場側からも、ゲーミフィケーションの利用は願ってもないことといえます。なぜなら、候補者は純粋に自分の長所に基づいて選ばれることを知ったうえで、スキルや能力を示すことができるからです。さらに、ゲーミフィケーションを利用した体験を通して、候補者はその組織における日常的な業務環境についても知見を得ることができます。そして、選ばれようとして競ううちに、自然と組織の文化や方針、雰囲気にも慣れることができるはずです。

人材採用プロセスにゲーミフィケーションを取り入れるには

ゲーミフィケーションは、汎用的でカスタマイズしやすいソリューションです。そのメリットは、人材採用に限らず人事などの各部門のさまざまな側面に応用できます。また、人材採用への応用に限っても、採用プロセスの特定の場面だけでなく、あらゆる側面に利用可能なのです。ここでは、採用プロセスにゲーミフィケーションを活用する方法を、ほんの一部だけですがご紹介しましょう。

能力テストへの応用

面接官が質問するだけでなく、採用プロセスにゲーム的な要素やスキルのテスト、複数人でのディスカッション、問題解決課題を採り入れることで、候補者の能力に関する重要なデータと洞察が得られます。

リアルタイムの進捗把握

テレビゲームなどで進み具合などを示すプログレスバーを、採用プロセスにおける進捗状況、つまり、最終的に選ばれる人材にどこまで近づいているかを候補者に伝える手段として利用することは、優れた方法であるといえます。候補者はリアルタイムに進捗を確認可能となり、集中力を保って最終的な「賞品」、すなわち採用されるという目標に照準を合わせられるからです。

仮想的な就職説明会のメリット

現実の世界で大量の履歴書と候補者を整理し、もてなし、順番にさばいていくのは大変な、あるいは悪夢のような作業といえるでしょう。しかし、ゲーミフィケーションによって、仮想的な就職説明会をネット上で開催すれば、対象が広がることによって候補者にとっての魅力が増す一方で、採用担当者にとっては会場準備などの作業も過度の負担とはならず、適切な人材の絞り込みを対処しやすいものにできます。

ビデオ面接の有効性

人材採用プロセスのさまざまな段階で、実際の面接中に尋ねるような質問を、ビデオチャットなどを通じてゲーマー、つまり候補者に対して行うことができます。その様子は、録画して後から確認することも可能であり、複数の候補者に対する面接を短時間で同時並行的に行うのと同様の効果が得られます。

候補者をより深く知る機会の創出

ゲーミフィケーションを利用した人材採用プロセスのさまざまな段階におけるテストやクイズは、採用担当マネージャーと人事担当者にとって候補者と関わるよい機会です。ゲーム的な採用プロセスを進めながら候補者との関係が深まれば、候補者をより深く知ることが可能となります。

上記は、人材採用においてゲーミフィケーションを利用できる領域のほんの数例にすぎません。

もちろん、人材採用プロセスに対してゲーミフィケーションの考え方を大幅に採り入れたとしても、従来的な手順がいくつか残る可能性はあります。それでも、ゲーミフィケーションのトレンドを上手に導入することによって、目的の業務に適した最も能力の高い、良質な人材を実際に採用する力を高めることができるのです。

この記事は元々ポール・ケイジャーのサイトに掲載されたものです。メイン画像:ロウピクセル/ピクサベイ

この記事はBusiness2community向けにPaul Keijzerが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。