アグリテックがかつてない成長を遂げる―気候変動への挑戦

アグリビジネス企業は、今、テクノロジー分野における爆買いの筆頭株になりつつあります。そのビジネス最大の破壊要因として、気候変動が浮上しているためです。

世界規模の調査会社、BMIリサーチによると、気象パターンの変化に企業が対応するなかで、今後数十年にわたり、収穫高の向上からデータ追跡システムまで、さまざまな技術的改善が必要になるものと思われます。こうした状況が、アグリビジネス企業、特に穀物取扱業者や供給企業によるアグリテック分野のスタートアップ買収を、さらに後押しすることが考えられそうです。

同社は2018年4月のレポートで、「その過程におけるアグリテックと『精密農業』の台頭は、いくつかの既存の業務やビジネスにとっての恩恵ともなる一方、破壊的な影響をもたらす可能性もある」と述べています。一般には馴染みが薄い精密農業とは、テクノロジーを利用して農地や農作物の管理を行い、年次ごとに計画的に増収を図る農業管理手法です。

世界中の農家や企業は、供給の中断や、農地と収穫高へのダメージが起こるにつれ、気候変動の影響をひしひしと感じるようになることでしょう。同時に、温室効果ガスの最大の排出源の1つである農業は、家畜や土壌の管理を対象とする規制当局の措置に直面することになりそうです。

アグリビジネスのトップ企業は、これまで、研究や開発、テクノロジーよりも効率の向上に重きを置いてきました。しかし、こうした行いを見直して、テクノロジー関連の投資に重点を置くように戦略転換できるかどうかが問題になると、BMIは指摘します。そして、こうしたジレンマを軽減する方法の1つとして、それを可能にする企業との合併や買収を挙げました。

BMIが業界経営層の意思決定者を対象に行った調査によると、今後数十年に渡って、気候変動は現行のアグリビジネスモデルにとって大きな破壊要因となり、各社のエグゼクティブはその影響への対抗策として、エネルギーと効率に投資する予定であることが明らかとなっています。また、自動化、ロボティクス、IoT、そして比較的規模は小さいながらもAIについても、この業界に破壊的創造をもたらす存在と見なされていることがわかりました。

さらに、BMI報告書には、自動化されたトラクターをはじめとして、ビッグデータやドローンに至るまで、「アグリビジネス部門は、テクノロジートレンドの合流点となる、文字通りの『肥沃な土壌』をもたらす」とも述べられています。その結果、「収穫高を押し上げるテクノロジー分野が、かつてない成長を遂げる」ことになるのです。

本稿の記者:アグニーズカ・デ・ソーサ(ロンドン在住、atroszkiewic@bloomberg.net)

本稿の担当編集者:リン・トマソン(lthomasson@bloomberg.net)、トニー・バレット、ニコラス・ラーキン

©2018 ブルームバーグ L.P.

 

この記事はBloomberg向けにagnieszka De Sousaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。