高齢者の心強い味方!AI、IoT、環境知能が老後の生活をサポートする

昨今のイノベーションの流れについてご存知の方なら、IoT私たちの暮らしや働き方を変える可能性があることにお気づきでしょう。Wi-Fi対応の日常的な製品に埋め込まれたセンサーから送信されるデータが、ユーザーは意思決定をサポートし、問題を見つけ、日課を効率化することに貢献してくれます。さらに、このIoTとAIを融合させ、センサーが感知した環境の変化やユーザーの行動を高度に分析・判断することで生まれるのが「環境知能」であり、これからの有益なテクノロジーとして注目されるようになりました。「環境知能」は、家の中の見守りや暮らしの質を高めるスマートホームソリューションとしても期待されており、すべての人の暮らしを楽にする多くの可能性を秘めていますが、特にその恩恵を受けるのが高齢者層です。

加齢にはさまざまな難しさが伴います。なかでも、かつては何でもなかった作業に困難を感じるようになることは大きな問題です。しかし、安心してください。社会の一員である高齢者が、より安全で健康的、かつ充実した生活を送る上で、こうした環境知能デバイスを活用する魅力的な方法が数多く存在しています。

服薬順守を容易にするウェアラブルデバイス

多くの高齢者が1日に複数の薬を服用しており、そのうち1つでも定刻に飲み忘れると深刻な結果を招く恐れがあります。この問題は、IoTデバイスに組み込むAIアプリの開発を手掛けるニューラが、服薬順守に注力する理由の1つとなりました。

ニューラのテクノロジーはユーザーの習慣を学習し、ウェアラブルデバイスなどのIoT製品に対して、薬の服用や血糖値のチェックなど、ユーザーが実行すべきことの通知を送るように指示するというものです。ある統計では、薬の適切な服用を怠ったことに起因する死亡者数は年間12万5,000人に上ります。そこでニューラは、薬の服用を各ユーザーの日課として無理なく行えることを考えて対応デバイスと統合することで、医療機関からの指示を患者がより適切に守れるようにしました。

同様に、インテルも本格的なIoT製薬ソリューション「オニクス・デジタル・ファーマシー」を提供しています。このソリューションは、ウェアラブルデバイスや患者教育用のキオスク、遠隔医療などを組み合わせることで、高齢者はもちろん、他の年齢層の人々についても再入院率を低減できます。

自立した生活を実現するライフボット

アマゾンが提供するAIアシスタント、アレクサ搭載の製品群のおかげで、スマートスピーカーが持つ可能性が一般消費者にも認識されるようになりました。同じく、介護用のスマートスピーカーともいえるライフポッドにも、高齢者とその介護者が抱くテクノロジーに対する考え方や、自立した生活を送る上でのテクノロジーの役割を変える可能性があります。

ライフポッドは、世界初の音声制御型の仮想介護者であると謳われている製品です。このデバイスは、アレクサをモデルにして、会話形式での指示に応答できるように開発されました。そして、AIとマシンラーニングを利用して、ユーザーの体調や日常の活動、行動の傾向に関する洞察をもたらします。さらに、ライフポッドの将来的なバージョンでは、ユーザーが倒れた場合に外部関係者に通知を行えるようにするための、センサーと音声トリガーも追加される予定です。

孤独を和らげるインテリジェントロボット

孤独感にさいなまれることは、年齢を問わず起こり得るものですが、高齢者は特に強く孤独を感じがちです。高齢者が加齢とともに好きな活動ができなくなったことや、そうでないまでも非常に難しくなったことに気付いて暮らしを楽しめなくなると、人と交流する機会が減り、他者との長期的な関係を保つことができなくなるのが一般的です。

たとえば、エリキューは孤独を和らげることを目的としたインテリジェントロボットとして開発されました。このボットは、人とのやりとりに応じて首を振り、胴体部分には、ユーザーとインターネットとの橋渡し役のタッチスクリーン式タブレットが搭載されています。エリキューは、ユーザーが所定の目標を達成していないことに気付くと、散歩など、その人に合った活動を提案を行い、また、高齢者が一日中音楽を聴けるように曲をかける機能も備えているのです。

さらに、このボットはスピーカーフォンにもなり、家族や友人に簡単に電話をかけることができます。あるいは、家族や友人、介護者が通話による状況確認を行うことも可能です。ほかにも、万一緊急事態が発生した場合には、エリキューが介護者に通報までしてくれます。

安全を損なわず、より自由を提供する環境知能

環境を常に見守り、検知した変化に基づいてフィードバックを提供する処理は、環境知能の本領が発揮されるところです。そのため、高齢者の孤独との戦いにとどまらず、環境知能にさまざまな用途があることは簡単に理解できると思います。

高齢者、とりわけテクノロジーに対する警戒心の強い人は、装置に常時「監視」されることを恐れて、革新的な選択肢を選ぶことに抵抗を感じるものです。しかし、環境知能の場合には、何か問題が発生したときにだけ介入するので、たいていはユーザーの心理的な負担にならない範囲で機能します。また、物忘れをした際に、助け船を出すような音声フィードバックを提供する製品もあります。

つまり、IoTAIを搭載したデバイスには、確かに監視を主目的とするものもありますが、環境機能に基づく製品は、支援的役割を果たす側面が強いということです。後者は、自由に生きたいという高齢者の願いに沿ったものであり、自分の行動を自ら選択できる能力を高齢者に提供します。その上で、必要に応じて、ユーザーが危険な事態や命に関わる状況を回避できるように、環境知能を利用したデバイスから介護者や救急サービスに連絡がいくようにすることも可能である、という点が重要なのです。

カイラ・マシューズは、最新テクノロジーのガイドメディアである「メイクユースオブ」のシニアライターです。ほかにも、「バイス」、「ザ・ネクスト・ウェブ」、「ザ・ウィーク」、「テクノバッファロー」などにも寄稿しています。

この記事はVentureBeat向けにKayla Matthewsが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。