AI時代に誕生する5つの仕事

AIの価値を認めて受け入れる――そういう時代が、すでに来ています。

確かに分野によってはロボットが人間の仕事を奪う可能性がある一方で、深刻なスキル不足が顕在化して、その解決を待ちながら、AIによってギャップを埋めようとするサービス業界のようなところもあります。

未来の仕事を考えるとき、2つの大きな原動力が挙げられるでしょう。まず「何を自動化できるのか?」、そして「自動化されたモノによって私たちがどの程度の快適さを得られるのか?」ということです。

しかし、自動化とAI化によって人間が失業することへのさまざまな不安を誰もが口にするものの、実際のところ人々は、職場におけるそうした動きに慣れてきているようです。アデコグループによって行われた最近の調査で、多くの従業員が「AIには、より柔軟でやりがいに満ちた仕事に専念できる無数のチャンスを作り出してくれるので、未来の職場を作っていく上でプラスの効果がある」と感じていることが明らかになっています。

では、もしも職場での現在の仕事がAIで置き換えられるとしたら、代わりに私たちは何をすることになるのでしょうか? ここでは、AIの導入によって誕生すると思われる新たな仕事を5つご紹介します。

1. ロボットの指導役

AIは、何の支障もなく応用が効くスキルを身につけていることが期待されています。しかし、教室から病院まで、至る所にロボットが導入されるとしたら、誰がその一連の新しいロボットたちに、そのようなスキルを「教える」のでしょうか? そしてより重要なのは、AI自身が成長し続けられるように、互いにスキルを教え合う方法を、誰がロボットに教え込むのかということです。RPAことロボティック・プロセス・オートメーションであれば、反復可能なタスクのプログラミングに集中すれば良いでしょう。しかし、AIの場合には、構造化されていない、いわば生のデータを入力して、意味のある構造化データの出力を得ることが求められます。それを実現できるための「教員教育」も、まったく新しい意味を持ちつつあるのです。

2. AI担当弁護士

英国やヨーロッパでは、ロボットとAIの利用と開発に関する法規制の起草が進められており、そこには「電子人格」の有無も含まれています。電子人格とは、AI搭載ロボットの権利と責任を規定するために設けられた概念で、それらのロボットによって行われるあらゆる行為に適用されるものです。とはいえ、これはいったい何を意味しているのでしょうか? 簡単にいえば、AIが人々に実質的な害をもたらす可能性があるという事実に、各国政府が気付き始めている、ということです。また、ロボットとその所有者や開発者が告訴される場合がある、ということにもなります。

したがって、電子人格に関わる法律がどのような形になるかにかかわらず、この分野を専門とする新世代の法律専門家や、この領域に特化した専門の立法者が生まれてくるでしょう。

3. ロボットと人間を統率するリーダー

今日の経営の課題は、人間とマシンのどちらかを選択することではありません。すでに人間とマシンの「共存」時代に入っているからです。仕事に適したテクノロジーや人材を導入する際には、協調的な組織化ともいうべき「オーケストレーション」が鍵となるでしょう。今後の変化が予想されるのは、人間とマシンからなる作業者チームの管理方法です。

実は、オーケストレーションの考え方は、工場の組み立てラインに採用されています。その結果、人間の作業者とロボットの作業者の混成チームによって見事に組織化された工場が数多く存在しているのです。とはいえ、サービス業界におけるオーケストレーションは、まったく次元が異なります。すでに先進的な共同サービスセンターでは、RSOことロボティック・サービス・オーケストレーションのためのプラットフォームが導入されており、今後、自動化や人間とAIのオーケストレーションに対する要求が高まるにつれ、この分野の専門家を求める声も高まるでしょう。

4. 改革のリーダー

デジタル改革をすばやく円滑に実現することを目指す企業やテクノロジー中心のソリューションは数多く存在しますが、AIとビッグデータの融合によって、データサイエンティストたちはビジネスの流れを変えるような情報を日常的に見出せるようになるでしょう。

気をつけるべきは、ビジネス上重要な意思決定を実際にロボット自身が行うようになるわけではないという点です。「改革」における中心的役割は、おそらく人間の専門家が担うことになります。それ自体は目新しい役割とは言えませんが、これからのデジタル改革のリーダーには、自動化や製品、プロセスの簡素化、優れたサービスに関する経験と、最先端のスキルの両方を備えていることが求められるようになるはずです。

5. 自律走行車のチームマネージャー

今後数年間に渡って、自動車業界を根底から揺るがすような変化が続き、AIIoTのパワーをこの分野にもたらしていくことでしょう。それらの車両は、よりコンテンツを意識したロケーションベースのアプリと同期され、同じ方向に向かう車両同士で道路状況やスピードなどのデータをやりとりしたり共有することが可能になるはずです。また、AIを利用して、車両自体が経路や日常的な処理を学習するほか、走行中に機能をアップグレードすることさえ可能になると思われます。

このような変化は、自律走行車の普及へとつながっていくでしょう。それでも、自動車が完全自律走行できるように進化する可能性がある一方で、何らかの異常が発生した場合の備えとして、依然、人間を自律走行車のチームマネージャーのような位置付けで配置する必要はありそうです。特に、車両が完全自動化されるまでの各段階には、そのような役職が重要となります。そして、もちろん、乗客や顧客のより複雑な要求に応えるためにも、人間の担当者が求められるはずです。

この1年、広く流布されていた「ロボットが人間の雇用を奪う」というメッセージから暗い見通しが生まれる中にあっても、世の中の自動化とAIを取り巻く状況に希望を見いだす人も少なくありません。ロボットによって一部の職業が時代遅れとなることは考えられますが、同時に、人間とロボットがより緊密に協調して作業できるようになり、AIを搭載した新しい同僚を育てようとする産業界で新たな役職が誕生するチャンスも到来するのです。今こそ、この変化に慣れ、変化を受け入れるときにほかなりません。皆さんがロボットの教育係と同僚になる日も、そう遠くはないことでしょう。

キット・コックスは、ビジネス・プロセス・マネジメント企業であるエネイト・リミテッドの創業者兼CEOです

この記事はVentureBeat向けにKit CoxとEnate Limitedが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。