テレワークの推進こそが、優秀な人材の獲得につながる

未来を予測することは不可能かもしれません。しかし、最新の「フューチャー・ワークフォース・リポート」ならば、未来を垣間見ることはできます。このレポートは、最大のフリーランサー向けグローバルWebサイト「アップワーク」が委託したもので、企業が現在直面している人材採用の課題と、テクノロジーがもたらした仕事の変化についての分析を目的としています。このために独立調査会社のイナベロは、米国の各業界における従業員数5人から5,000人超までの会社を対象として、1,000人を超えるマネージャーに調査を行いました。ここでは、その調査結果をまとめてご紹介します。

・人材採用は引き続き課題のまま

人材の発掘が依然として難しいのは明らかです。2017年のある時点で、91%というほぼすべての採用担当マネージャーチームの抱える役職リストが埋まっていない状態でした。空きがある期間は平均で36日間、最大はエンジニアリング業務の45日間です。なぜこれほど人材確保が難しいのでしょうか? それは主に、求められるスキルが変化しているためです。

テクノロジーが進化するほど、より専門的なスキルが必要になります。調査回答者の大半が、「企業は既存スタッフの再教育に投資すべき」と考えている反面、「それだけでは不十分かもしれない」ことも認めています。

採用担当マネージャーの10人中9人弱(85%)が、「ワーカーは自分が求められる人材であり続けるために新しいスキルを学ぶ必要がある」と語っている。/ アップワーク・フューチャー・ワークフォース・リポート 2018

そして、最も需要の高い新たなスキルは、ビッグデータとアナリティクス、マーケティングオートメーションとセールスオートメーション、そして、IoTの各分野です。

・人材を獲得し、維持するには柔軟性が必要

「フレキシブルな人材」という言葉は、なにも派遣労働者やフリーランサーだけに当てはまるわけではありません。毎日苦労して通勤することから解放され、より自由になりたいと考えている従業員も、その候補です。これに対し、調査対象となった全チームの63%にテレワーカーが存在していることから、各社が従業員の要望に応えようとしていることがわかります。

採用担当マネージャーは、今後数年間のうちに従業員の38%、つまり3分の1以上が、ほとんどの時間をテレワークに使うようになると予測しました。この傾向は、テレワークという選択肢が特別なものではなくなり、トップクラス人材を確保して維持するための必要条件となるときが来ることを示す前兆ともいえます。

・地元採用が無理なら、遠隔地の人材を採用

シリコンバレーに拠点を置くチェスドットコムは、最大のオンライン・チェスコミュニティです。2005年の創設当時、創立メンバーは能力のある人材を見つけることに苦労していました。そういった人材はすでに別の企業に勤めているか、自ら起業していたからです。「元々は、組織を在宅勤務者などのバーチャルワーカーで構成する気はありませんでした」と、チェスドットコムの共同創設者であり、CEOを務めるエリック・アレベスト氏は言います。「しかし、地元の外に目を向けることが、当社の必要とするスキルに行き着く最短ルートとなったのです。現在、当社のチーム構成は完全にバーチャルで、スタッフの拠点は12ヶ国に渡っています。今では、私はテレワーカーモデルに強い信念を持つようになりました。つまるところ、当社としては、働き方が選べ、好きな場所に住める自由をチームメンバーに提供したいのです。」

調査対象の1,000社を超える企業のうち、過半数の59%もがフレキシブルな人材を採用しています。この数字は、2017年から24%もの飛躍的な伸びを示すものです。

フレキシブルな人材は、コスト面での効率も高く、求めるスキルにアクセスしやすいため、企業での採用が向こう10年間で168%増加することが予想される。/ アップワーク・フューチャー・ワークフォース・リポート 2018

ときに企業は、人材に来てもらうのではなく、人材がいる場所へと赴く必要があります。たとえば、クリス・バーバー氏は、カナダの小さな町に住むブロックチェーンコンサルタントです。彼のスキルへの需要は地元では高くありませんが、世界的に見ると彼の知識は企業から引く手あまたとなっています。テレワークによって、バーバー氏は自分の生活スタイルを損なうことなく、この黎明期のテクノロジーに関して企業の理解を深める助けをすることができるのです。

・テレワークポリシーを策定する動機

64%の組織が、テレワークをサポートするためのリソースが揃っていると感じている反面、過半数となる57%は、正式なテレワークポリシーを持っていません。しかし、そうした在宅勤務に関するポリシーがない企業は、ある意味で、言っていることとやっていることが一致していないも同然です。

現に、テレワークポリシーを設定している採用担当マネージャーの61%は、この1年間で採用が容易になったと感じています。

加えて、テレワークポリシーの策定は、一部の企業が考えているほど大変なことではありません。そして、ポリシーを設けると、よりおおらかで開放的な企業へと変化する様子がうかがえます。従業員が1週間に在宅で働く日数が増え、テレワークポリシーにフリーランサーを含める例も増えているのです。

・人材採用の考え方に変化が

GEデジタルでソフトウェアイノベーション担当エグゼクティブディレクターを務めるケビン・ダウソン氏は、資材調達やサプライチェーン関連のリサーチ会社であるスペンド・マターズとのウェビナーにおいて、「これからの仕事環境では、アジャイルで柔軟なチームをオンデマンドで構成することが不可欠」と述べています。同氏は採用担当マネージャーに対する提言は、「どの役職を埋める必要があるか」と考えるのではなく、代わりに「目的とする業務を完遂するには、どのようなスキルが求められるか」、「どのようなスキルが社内にすでに存在しているか」、「それらのスキルを最大限に活かしたり、スキルを持つ外部の人材を見つけるにはどうすれば良いか」を自問するということです。そうすれば、今後の仕事環境においては、人材獲得より、人材へのアクセスがいかに重要かということが見えてくるでしょう。

こうした考え方は、スタートアップからグローバル企業にまで浸透しつつあります。それらの企業は、生産性、イノベーション、スピードを向上させるために、このような考えに至ったのです。レポートでは、採用する人物が目的の業務において最も高いスキルを持っているかを重視する採用担当マネージャーの数が、チームメンバーと同じ場所で働けるかどうかにこだわるマネージャーの2倍に上りました。

この背景には、コラボレーションのためのテクノロジーが潤沢に出回り、これまで以上にリモートチームと働くことが容易になっていることもあるでしょう。人気のモバイルメッセージングアプリ「タンゴ」のサービスを提供する企業は、10ヶ国の顧客サポート担当者を連携させて、24時間体制のサポートを実現するという作業を、ほぼひと晩で成し遂げました。また、小規模なベンチャー企業に対する支援サービスを行うゴー・ダディは、70人を超える遠隔地のWebサイトデザイナーと連携することによって、新しい収益源を得ています。

さらに、フューチャー・ワークフォース・リポートでは、テレワークをサポートする企業は、重要な業務をこなす上で人材不足に直面する場面が少ないことが示されました。10社中9社近くに相当する88%の企業が、よりアジャイルで柔軟な人材戦略を策定しているのも、おそらくこうしたメリットのためでしょう。

さらに詳しい情報は、「Future Workforce Report 2018」の調査結果を示すプレゼンテーションスライドをご覧ください

この記事は元々アップワークに掲載されたものです。

アップワークは、あらゆる規模の企業がさまざまな分野やカテゴリにおいて優れたスキルを持つ独立したプロを発掘できる、フリーランス専門のオンライン人材サイトであり、アップワーク・エンタープライズは、テクノロジーと人材の調達やコンプライアンスサービスを融合させる、同社の最も包括的なサービスとなっています。

この記事はBusiness2CommunityのBrendo Doが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。