ブロックチェーン研究開発の拠点をベルギーで開設。富士通が目指すものとは?

欧州の政治・経済の中心都市・ベルギー

ベルギーは、欧州の西に位置する国として知られています。首都ブリュッセルは、2017年には「世界の都市総合力ランキング」(注1)において総合21位(2017年)となった欧州の主要都市で、その景観の美しさから「小パリ」とも呼ばれています。

ブリュッセルには、欧州全域にまたがる国際機関の本部が多く置かれ、欧州議会の活動の4分の3が開かれています。このため、欧州連合(EU)本部の事実上の所在地とされており、北大西洋条約機構(NATO)の本部が置かれるなど、欧州の政治・経済の中心都市と言えます。

そのブリュッセルにおける研究拠点として2018年3月21日、富士通は「ブロックチェーン・イノベーション・センター」を開設しました。ベルギー現地にR&D機能を立ち上げ、世界中の様々な企業や研究機関との連携を目指します。(写真は開所式の様子・注2)

  • (注1)森記念財団都市戦略研究所(森ビル)が毎年発表するランキング。世界を代表する主要44都市を選定し、都市の力を表す6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」)における70の指標に基づいて評価を行ったもの。2017年は総合で1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位東京、4位パリ、5位シンガポールとなっている。
    http://mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci/index.shtml
  • (注2)左から林 肇(はやし はじめ)大使(在ベルギー日本国大使館)、Kris Peeters(Belgian Federal GovernmentのDeputy prime minister and minister of Employment, Economy and Consumer Affairs, in charge of Foreign Trade)、Duncan Tait(富士通 取締役執行役員専務)

ブロックチェーン技術でスマートシティを実現

本センターでの注力分野は、ベルギーにおけるスマートシティの実現に向け、ブロックチェーンの利用を検討することです。ブロックチェーンとは、参加者全員で改ざんや不正を防ぐ分散型台帳技術のこと。「Fintechの核」とも呼ばれ、近年では金融に限らず物流、サプライチェーンなど様々な分野で使われるようになっています。これをスマートシティに取り入れることで、街全体の電力の有効利用を図り、省資源化を徹底した「環境配慮型都市」が実現できます。

スマートシティの実現には、再生可能エネルギーを効率的に利用するスマートグリッド(注3)、交通システム、蓄電池、省エネ家電などが重要な役割を果たします。富士通は本センターでの共同研究を通じて、公的台帳や選挙登録用の身分証明、スマートコントラクト(注4)における取引プロセスや監査の自動化などにおいて、安全性の高いシステム開発を目指します。

  • (注3)電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる送電網。
  • (注4)事前に設定された条件に基づいて自動的に契約を実行する機能。

EUでの実証実験をふまえ、社会・経済・環境の課題解決へ

ベルギーは欧州の中心に位置し、技術開発も進んでいるほか、国民の言語能力も高いため、「ブロックチェーン・イノベーションセンター」の開設に理想的な都市です。今回のベルギーでのセンターの開設は、欧州におけるスマートシティ構想への足掛かりと言えそうです。

また、2017年10月に金融部門を中心に富士通欧州地域内にブロックチェーン・コミュニティを設立し、業種を超えたブロックチェーンへの取り組みを推進してきました。今回のブロックチェーン・イノベーションセンターの開設も、欧州地域におけるさらなる活動拡大への契機になると考えています。今後も、コミュニティとイノベーションセンターの連携を密に、ブロックチェーンの発展を目指していきます。