最新テクノロジーでリテールビジネスを変えていく近未来の店舗とは

流通業界の経営やビジネスを支える最先端のICTや技術、システム、サービスが一同に集まった国内最大の展示会「リテールテックJAPAN2018」。2018年3月6日~9日、東京・有明のビッグサイトで開催され、119,928人が来場されました。今年の富士通グループのテーマは、「Human Centric Retail」。富士通の先進テクノロジーを活用した魅力あるお店づくりや、お客様、そこで働くスタッフや地域の人々、みんなのGood(いいこと)が叶う、未来のリテールビジネスのありかたなどをご紹介します。

最新テクノロジーを活用した7つのサービスシナリオ

お客様の嗜好の多様化、購買スタイルの急激な変化を背景に、流通・小売業界では今、パーソナルな顧客体験がますます必要とされています。一方で、労働力不足が慢性化し、生産性向上に対するニーズも高まっています。このような課題を背景に、富士通グループでは「接客の最大化」「消費者ニーズの先読み」「業務効率化」「地域密着、業際化」の4つの切り口で、カスタマーエクスペリエンスの向上、生産性向上に向けた魅力ある7つのサービスシナリオをご紹介。AI(人工知能)やIoT、ロボットなど最新技術を活用した近未来の店舗で、みんなに良いこと(Good)をご体感いただきながら、これからのリテールビジネスを変えていくデジタルソリューションをご提案しました。

最大のホスピタリティでお客様に感動を

AIでお客様の好みや気持ちに添った個客対応「Premium Life Producer」

「結婚20周年のお祝いをしたい。何かいいアイデアはないか?」という相談で、40歳代のご夫婦が訪れた場所は、最新技術を活用し、洋服選びからお祝いプランの提案までしてくれる、一歩先行く未来の百貨店。AIやIoTを活用した細やかな顧客対応を通じ、より価値の高い顧客体験のご提供や、お客様とのエンゲージメントを強める新しい接客の形をご紹介しました。

たとえば、マネキンコーナーに設置している視線センサー。富士通研究所独自の心理分析AI技術により、お客様が今、どの商品に興味を持っているのか、視線の動きからお客様の商品への関心や迷いを推定。お客様の関心に応じた付加情報をスクリーンに表示して、お客様に新たな顧客体験を提供します。同じ情報は店員のモバイル端末にもリアルタイムで通知されるので、お客様一人ひとりの気持ちを捉えた接客も可能になります。(注1)

上 <参考出展>遠距離視線センサー
左 お客様がマネキンの前で視線を移すと、AIがお客様の関心を捉え、ディスプレイにおすすめなどを表示

さらに、お客様の購買履歴や会員情報のほか、嗜好性、体型などを集めたカルテをもとに、行き先やイベント候補までリコメンド。AIによる印象分析を用いたファッション検索「AIコーディネータ」が、チャットでお客様の好みや、その場にあった洋服まで提案してくれます。「IoTメジャー」で採寸すると、その場ですぐデータ化されます。

左 お客様情報をもとに、おすすめのイベントや、場所にマッチした装いなどもご提案
右 <参考出展>AIコーディネータ
<参考出展>IoTメジャー。採寸するとそのままデータ化

「今の自分にぴったりのものをすすめてほしい」というお客様のニーズと、「そのお客様に最適な接客をして喜ばれたい」というスタッフの気持ちによりそった展示に、多くのお客様が共感を示していました。

  • (注1)2018年4月6日から27日の期間、富士通は、青山商事株式会社様と「洋服の青山 福山本店」および「洋服の青山 池袋東口総本店」にて、来店客の視線からAIで心理を推定し、接客業務を支援する実証実験を行います。

ホスピタリティと利便性を追求したセルフサービスショップ「Fun to Automation」

店舗内の空席情報の確認や、チェックインが簡単に完了

IoTを活用し機械ができることと、人だからこそできることを分けることで、ホスピタリティの高いおもてなしを提供し、お客様ご自身のペースでくつろいでご飲食いただく-。「Fun to Automation」は、そんな近未来型のセルフショップです。入店の際、事前に予約を済ませたお客様は、入り口のデジタルサイネージで、スマートフォン上のQRコードをかざすだけでチェックインが完了し、席の位置をディスプレイで確認できます。各席には、着座センサーを設置していて、着席状況がディスプレイにリアルタイムで表示されるため、スタッフも店内の空席状況を把握でき、予約無しで来店されたお客様の誘導をスムーズに行うことが可能です。

お客様はスマホ1つでオーダから支払いまで完了。
イスの座布団の下には着座センサーが設置

テーブル上のタブレットでオーダーしたお料理は、自動搬送ロボットTHOUZER(サウザー)によりお客様の所まで運ばれます。支払いもタブレット上のQRコードをスマートフォンで読み取るだけで完了。お客様は、着席してから支払いまで落ち着いた時間を過ごすことができます。一方、スタッフにとっても、スマートデバイスやセンサー、ロボットが予約から決済までサポートすることで、お客様に個別のお勧めなどより細やかな接客に注力でき、お客様の満足度アップにつながります。

<参考出展>IoTタンブラー
「もう1杯コーヒーをいかがですか?」などプロモーションメッセージを表示することができる。メッセージの切替も可能

他にも、電子ペーパーを組みこみ、プロモーションメッセージを表示する「IoTタンブラー」(参考出展)や、クラウドを活用して現金管理業務を効率化し、働き方改革を推進する『TeamCloud/CM』をご紹介しました。おもてなしと利便性を兼ね備えたこれからのセルフサービスショップに期待が高まります。

AIやIoTでさらに進化する未来の店舗

ロボットAIで自宅とリアル店舗を繋ぐ「Personal Concierge」

人の会話を理解し、適切な商品やイベントを提案してくれるAIロボット

家(IoTホーム)と店舗を、「ロボットAIプラットフォーム」でつなぎ、さらにネットとリアルが融合した新しい買い物スタイル。自宅と店舗をつなぐ買い物サポーターとして、対話エンジンなどのAI技術を搭載したコミュニケーションロボット「ユニボ」が、日常の会話を理解し、ネットの行動履歴などから、その人にぴったりの商品やイベントを自然な会話でお勧めしていました。

デモでは、最近太り気味でお悩みのお父さんに、ユニボが自転車通勤を提案。自転車ショップを想定した隣の部屋に移ると、「ロボットAIプラットフォーム」で収集していた情報をもとに、お父さんのためだけにセレクトした、自転車の附属品を集めた商品がスクリーンに表示されます。

映像には、その商品に関するサイトURL情報が埋め込まれていて、スマートフォンのFlowsign Videoの専用アプリを画像にかざすだけで商品情報の取得やECサイトへ送客することができます。今ほしいモノやサービスを、コンシェルジェのように的確にチョイスし、ネットとリアルが融合したお買い物スタイルを通じ、探すことなく選ぶことのできる便利さをご体感いただきました。

自分のためだけにセレクトされた商品が、画面に映し出される
Flowsign Video のアプリがはいったスマホをかざすと商品情報が画面に表示される

ヒト、モノの動きで、SCM全体最適化を支援「SCM Revolution」

自動追従台車THOUZER(サウザー)

IoTをビジネスで活用してみたいが、どのように業務に活かせばよいのかわからない、というお客様向けに提供する、流通業界のIoT活用サービス基盤「FUJITSU IoTSolution SMAVIA(スマーヴィア)」。
お客様のサプライチェーンの各システムに蓄積された販売管理や、在庫管理などのデータや作業員の位置情報、バイタルなどのセンシングデータを柔軟に連携できるプラットフォームをご提供します。物流KPIや在庫可視化ダッシュボード、物流倉庫における作業員のパフォーマンスの効率化や、販売店舗における予測自動発注、物流拠点の最適立地シミュレーション、輸送業における荷待ち時間短縮化支援など、SCM全体の最適化をご支援します。

また、倉庫内でのピッキング作業を支援する自動追従台車「THOUZER(サウザー)」が、重いものをケース単位でピッキングしなくてはならないような現場で、作業者の負荷を軽減し搬送作業を効率化する様子をご紹介しました。

スピーディーでスマートな商品登録とチェックアウト「Next Checkout」

買い物をよりスピーディに快適にする2種類のチェックアウトスタイルをご体感いただきました。1つは、「ゲート型チェックアウトシステム(RFID活用)」(参考出展)。ゲートでRFIDタグ付き商品を一括読取りし、手のひら静脈認証により,手ぶら決済でお買い物ができます。もう1つは、カートにタブレットとスキャナが設置されたカートで、お客様ご自身が商品をスキャンしながらショッピングする「タブレット型セルフスキャンPOSシステム」(参考出展)。どちらも入店時に、手のひら認証による本人確認・現金チャージを行います。

顔認証と手のひら静脈で認証を行う「統合認証サービス」(参考出展)がありました。5,000人以上で手のひら静脈認証を行う場合、これまでは、認証精度・性能確保の観点から、静脈の他に、生年月日などの絞込みキーを利用者に入力させる必要がありました。今回、絞込みキー入力操作の代わりに、顔認証を用いた自動絞込み技術で、より安全で利便性の高い決済サービスの実現を目指しました。

左 <参考出展>スマートカート(プレスキャン)
商品をカートに付いているタブレット型のセルフスキャンPOSにかざすだけで、会計から決済まで完了
右 <参考出展>ゲート型チェックアウトシステム(RFID活用)
商品にRFIDが付いていてレジで一括スキャンが可能
<参考出展>顔認証×手のひら静脈認証

人に溶け込む頼れる相棒「Co-worker Robo MATEY」

<参考出展>Co-worker Robo MATEY
価格表示のミスや、欠品を見つけるとリアルタイムで周囲にお知らせ

労働不足に悩む中、検品や棚割など、負荷の高い作業を担う店舗用業務支援ロボットに大きな期待が寄せられています。後手にまわりがちなPOP管理や、棚在庫管理などをロボット「MATEY」(参考出展)が実施。筐体のカメラで店舗の棚をスキャンし、価格マスタと比較し、価格表示間違いが無いかチェックしたり、商品の欠品状況をリアルタイムに店員にお知らせ。棚の現状を見える化することで品揃えと棚割を最適化します。

未来のリテールビジネスの可能性をお客様とともに

街も店も人も輝く「Social Shift」

自分のスキルを生かしたい、日々健康にすごしたい、地域に根ざして共に成長したい。お互いのニーズを満たし、地域に根ざしたコミュニティの拠点となる新たな店舗のあり方をご紹介しました。富士通の「K5シェアリングビジネス基盤サービス」を活用したマッチングサービスは、地域のお困りごとと、資格や経験をもった人をマッチング。また「健康アドバイスエージェント」(参考出展)はスーパーなどで買い物をしたあと、店内の健康・美容コーナーなどでご活用いただける健康チェックシステムです。その他、「アセスメントガイド運用支援システム」など、店舗を中心に地域住民がいきいきと笑顔になれる、みんなが住みたくなる店舗づくり、街づくりをICTでサポートします。

みんなが住みたくなる店舗づくり、街づくりをICTでサポート
<参考出展>健康アドバイスエージェント
指で簡単に血圧チェック

お客様、スタッフ、それぞれの想いに寄り添い、一人ひとりに良いことを叶える富士通のデジタルソリューションをご紹介した今回の展示会。近未来のリテールビジネスの可能性をご体感いただいたお客様から、大きな期待が寄せられていました。