ドローンで津波避難を誘導、被災状況をリアルタイムで把握

仙台市で行われた津波避難の実証実験に参加

2011年3月に東日本大震災が発生して以来、防災・減災への関心が高まっています。宮城県仙台市では、震災の経験をふまえて、様々な取り組みを行っています。その一環として2016年、「仙台市及びNTTドコモによるICTを活用したまちづくりに関する連携協定」を結んでいます。これは、将来にわたって活力のあるまちづくりを推進することを目的としたもので、「防災・減災」「地域活性化」「近未来技術の実証」の3分野で推進するものです。

2018年3月19日、仙台市様とNTTドコモ様により、災害発生時の被災状況の確認などの被災状況をリアルタイムに把握し、無人航空機ドローンが避難を呼びかける実証実験が行われました。これは、仙台市様が国家戦略特区(注1)であるメリットを活かし、ドローンを活用した津波避難広報を実際に試すものです。

実験当日は、仙台市様とNTTドコモ様のほか、富士通など各社が参加しました。

  • (注1)経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、国が定めた区域。
実証実験に使用したドローン

津波映像をドローンでとらえ地図にマッピング、ブロックチェーンで情報共有

今回の実証実験は、「Jアラート(全国瞬時警報システム)が発した大津波警報をドローンが受信した」という仮定のもと、震災遺構仙台市立荒浜小学校で行われました。

富士通は、ドローンから得た情報をマッピングする作業を担当しました。富士通が開発した地図アプリケーションをスマートフォンにインストールし、ドローンに装着。スマートフォンで空撮した写真とその位置情報などをリアルタイムで地図上に表示し、安全かつ迅速な被災状況の把握と情報共有を行います。また、市役所の複数拠点での情報共有には、富士通VPX®(Virtual Private digital eXchange)テクノロジー(注2)を活用。それぞれの拠点が保有する情報を1カ所に集約させることなくセキュアに共有でき、参加者間の安心・安全なデータ共有が可能になります。

実証実験のイメージ図
震災状況のキャプチャ画面
  • (注2)ブロックチェーン技術の機能拡張によって、データを外部環境へ預けることなく、自身の持つ環境に置いたまま必要な相手のみとデータの相互利活用が可能な技術。

ICTの力で震災復興を目指す

実証実験の結果、二次災害などの危険が伴う被災地に赴くことなく、遠隔地から安全かつ迅速に被災地の状況を把握することが可能になることが分かりました。今後、警察や消防などとも連携して情報共有することで、通行不可ルートや火災、停電状況などをタイムリーに共有し、迅速な復旧・救助活動の実現につなぐことができます。特にドローンは危険な場所にも飛んで行けるため、二次災害の防止に役立てることが考えられます。

今回の実証実験は、各社の技術が実用環境でも使えることを証明したものです。富士通は今後も、自治体や警察などの行政機関だけではなく、一般企業や市民などの利用を通じて、開発した地図アプリケーションの機能拡充を行うなど、災害時の的確・迅速な救助活動のサポートに取り組んでいきます。