カスタマーサービスへのAIやマシンラーニング導入が、大きなビジネスインパクトをもたらす

多くの企業において、カスタマーサービス部門は、コストを削減すると同時に顧客満足度を維持し、さらに向上させるという課題に取り組んでいます。では、どうすれば目的を達成できるのでしょうか。その答えは、「効率を高め」、「少ない労力でより多くの成果を得る」ことにあります。

そんなことは不可能とお考えですか?

調査会社のフォレスターによる「2018年のカスタマーサービス動向」(要ユーザー登録)は、良いニュースをいくつか伝えています。電話での会話によるサポートは、継続して増加してきたにもかかわらず全体の1.6%にとどまった一方で、セルフサービス形式のサポート利用率は、3年連続で増え続け、13.6%にまで上昇しました。こうした最新のカスタマーサービス管理ソリューションが提供するセルフサービス機能には、以下が挙げられます。

  • 自動化されたソリューションによるよくある問題の解決
  • オンラインコミュニティの育成
  • ステップ・バイ・ステップの指示に従って問題を解決するための記事を利用した、検索可能なナレッジベース
  • 問題解決に先立つケース分類、優先順位付け、担当者割り当てなどの処理にAIやマシンラーニングを活用する、RPAことロボティックプロセスオートメーション

… これらの実例を見る限り、より低いコストで顧客満足度を向上させるという課題を解決するための手段は、すでに存在しているようです。

その上で、あなたの会社のカスタマーサービス組織には、さらなる課題解決を図る能力があるといったらどう思われますか。つまり、セルフサービス形式のサポートによって実現されるコストダウンや、顧客満足の向上にとどまらず、収益を増加させることさえできるのです。

顧客体験向上の必要条件

こうした課題解決が理論的に可能というだけでなく、現実に成功させるには、2つの条件が揃う必要があります。第1に、明確な指示です。これは、リーダーがはっきりと指示を行なって、企業の行動すべてを顧客中心とし、顧客体験を常により良いものにするよう意識させることを意味します。幸い、エコノミスト誌と顧客サービスソリューション企業のジェネシスの調査によると、ほとんどの企業の上級幹部が、可能な限り最善の顧客体験を実現することで得られる利点を認めるようになりました。この、すでに浸透している考えに従えば、第2の条件も容易にクリアできるでしょう。

第2の条件は、カスタマーサービスが、企業内の他のチームと力を合わせて連携する必要があるということです。カスタマーサービスは、顧客に何が起こっているかを正確に把握しています。問題に直面している顧客が、製品やサービスを利用した結果として、望みどおりの成果を得られているかどうか。あるいは、ビジネスプロセスが原因で、顧客体験に障害が生じていないかどうか。このような問題について、カスタマーサービスは、苦情を吸い上げ、効率的かつ効果的に組織の他の部門と意思疎通を図り、共に対処していくことが必要です。

ひとまず、このような条件があるということを頭に入れて、話を続けることにします。

問題の共有による新しいコスト削減

さて、すべてのセルフサービスオプションが導入され、適切に機能しているとすれば、次に何をすべきでしょうか。さらなるコスト削減は、どこから生まれるのかということです。実のところ、それは、最も発生頻度が高く、すべて問題の共通要因となっている課題を見つけ出して、根本的に解決するところから生まれます。

カスタマーサービスが顧客の問題を他のチームに伝え、それらのチームが根本的な解決方法を見つければ、それは一時的ではなく恒久的な解決策になります。結果として、その特定の問題に関する電話連絡や電子メール、チャットとそれに伴う一連の作業などは不要となり、関連するカスタマーサービスのコストも必要なくなるというわけです。

顧客満足度の向上

カスタマーサービスが組織全体にわたって活動し、永続的に問題を解決している場合、より多くの問題が1回限りの対応で解決するようになります。そして、一般的に、顧客が問題に接する機会が少なくなればなるほど、より高い満足度が得られるのです。

このようなアプローチは、現時点で問題を経験している顧客の満足度を高めることには直接つながらないものの、全体に肯定的な影響を及ぼします。もちろん、顧客が問題に直面することを予期したり望んだりすることはありませんが、迅速で完璧な問題解決は、顧客の企業に対する見方を変えるのに大きな効果があります。

顧客満足度に対する、より大きな成果は、未来の顧客に対して現れます。現在の顧客に影響のある製品やサービス、ビジネスの問題に対処すれば、必然的に全体の品質が向上し、次の顧客はその問題に遭遇することがなくなるからです。当然ながら、顧客の満足度は向上し、製品やサービスをより高く評価することでしょう。その結果、私たちにもたらされるのが、次のメリットです。

収益向上の鍵を握る既存顧客

コストのさらなる削減は、確かに評価されるでしょう。顧客満足度の向上も、素晴らしいことです。しかし、最終的には、何が企業とその幹部を突き動かし、顧客体験の向上に注意を払わせるのかが重要であり、ここではそれについて触れます。実際のところ、顧客体験を向上させた結果として、さまざまな要因から売り上げもアップする可能性があるのです。

最も大きな利益は、既存の顧客からもたらされます。顧客体験の調査会社であるテムキングループのレポートでは、より優れた体験をした顧客は、同じ企業から追加購入をする可能性が3.5倍になるとされているからです。同様に、ハーバード・ビジネス・レビューの記事は、既存顧客の継続性を意味するリテンションが5%高まれば、利益は25%から90%も上昇することがありうると述べています。同時にこの記事は、新しい顧客を1人獲得するには、既存顧客を維持するより5倍から25倍のコストがかかるとも分析しており、顧客体験を向上させてリピーターが増えることにより、企業がコストをさらに削減できる可能性が生まれるわけです。

ソーシャルメディアの隆盛により、公開されるレビューやフィードバックのコメントは、著しく重要な意味を持つようになりました。前述のテムキングループの調査は、消費者が優れた体験をすると、製品やサービスを推奨する可能性が5倍になることも明らかにしています。肯定的な口コミほど、優れたマーケティング手法はありません。

より大きなビジネスインパクトの実現

テクノロジーの発展に伴い、カスタマーサービスは、より高い顧客満足の実現を念頭に、コスト削減をある程度容易にできるようになってきました。AIやマシンラーニングによって補完されるセルフサービスのオプションは、自分で解決策を見つけたいという顧客の高まる要求を満たしています。しかし、ビジネスがそこで終わってしまえば、可能性のすべてを実現することにはなりません。

より大きなビジネスインパクトを実現するには、素晴らしいカスタマーサービスと、企業全体の各チームとの連携が必要となります。顧客が遭遇する可能性のある問題を恒久的に解決することによって、さらなるコスト削減、より高い顧客満足度、収益の増加など、多岐にわたる進歩が実現可能になります。企業がこのアプローチを受け入れて、幹部のサポートと企業横断的なチームワークを実現するならば、ここに書かれたことをすべて達成できるようになり、業界のトップに登りつめるでしょう。

この記事は元々ア・カスタマーサービス・パースペクティブに掲載されたものです。

Main visual : Pexels 

この記事は、Business2CommunityのPaul Selbyが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。