今年、音声検索に飛びつく前に見直すべき4つのポイント

スマートスピーカーの普及によって、昨年は未来の対話型UIの可能性をかいま見ることができましたが、2018年は関連サービスの開発が本格的に進む年になるでしょう。アップルやフェイスブックも音声操作が可能なスマートスピーカーをリリース、または準備を行っていることから、対話型UIが今年の一、二を争うマーケティングトレンドになることが予想されます。

つまり、対話型の操作を前提とするマーケティング戦略の最適化を考え始めるタイミングは今、ということです。しかし、これは単純に飛びつけば、すべてがうまくいくと期待するようなものではありません。音声テクノロジーは、人々が商品を購入する手段に影響を及ぼし始めたばかりであり、その普及に伴う新たなチャンスを見きわめることが今年のビジネスの鍵となりそうです。

ここでは、今年、音声検索に飛びつく前に見直すべき4つのポイントを挙げてみることにします。

#1:消費者はどこに価値を見出しているか?

対話型UIに関するマーケティングにおいて、まず認識すべきなのは、その一般的なユーザーが、イコール消費者ではないということです。多くの場合、音声テクノロジーの用途には商業的価値がなく、マーケティング上のメリットもありません。

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Source: Google Store

人々が音声コマンドで音楽の再生やアラームのセット、スケジュールの設定などを行えたとしても、マーケティング担当者には興味のないことでしょう。対話型UIがビジネス的なメリットをもたらすのは、それが潜在顧客を生み出すときにほかなりません。要するに、実際に商品を購入する人々にとって、どのようなアクションに価値があるのかを知る必要があるわけです。

現時点では、消費者にとって対話型UIの価値は音声検索にあります。しかしこの状況は、プラットフォームが進化してユーザーの音声操作体験が向上するにつれて変化していくことでしょう。その変化は、今年一年を通して注視していく必要があります。今はまだグーグルアシスタントでスケジュール設定することに商業的価値はありませんが、たとえば今後、グーグルが地元のレストランやカフェのうちどれを集合場所にしたいかをユーザーに確認するようになるならば、そこに商業的価値が生まれてくるはずです。

#2:その結果、人々の利用目的はどのように変化するか?

音声テクノロジーによって人々の検索手段が変化するにつれ、その利用目的も変化します。マーケティング担当者は、それに合わせて最適化を行う必要があるでしょう。音声検索は、消費者に対するマーケティングの初期段階において、潜在顧客を獲得するための新たなプラットフォームとして考えられがちです。しかし、音声テクノロジー全体の真価はそれに留まりません。

たとえば、音声コマンドでは、休日の旅行先やホテルの部屋を比較することはできません。もちろん、そういう意図を持って検索を始めることはできますが、視覚的なコンテンツを確認したり、説明を読んだり、データを比較したりするには、音声応答だけでは不十分で、何らかのディスプレイなどが必要となります。

それでも、グーグル・ホームに対して「明朝出発のニューヨーク行きの最安チケットを予約して」と頼むことはできます。同様に、スマートスピーカーを使って3種類のスマートフォンの仕様書を比較することはないと思いますが、テレビCMに負けて、今まで我慢していたお目当のモデルを注文するようアマゾン・エコーに頼むような使い方は考えられるでしょう。

#3:チャンスはどこにあるか?

テレビCMを見た人々が購買意欲を高めるというのは、かなり期待できる考えです。ファストフードのCMがそうした欲求を猛烈に刺激することや、旅行のCMが休暇の空想をかき立てること、あるいは、化粧品のCMが容姿などの不安を和らげるための行動を人々に起こさせることが知られています。音声テクノロジーなら、消費者がそれらの購買欲求を満たすための行動を起こす際の壁がほとんどなくなるため、誘惑にあらがうことは非常に難しくなるでしょう。「ドミノピザにいつものやつを頼んで」と言うだけで、ピザが運ばれてくるのですから。

もちろん、アマゾン・エコーやグーグル・ホームのようなスマートスピーカーばかりが、検討すべき対話型UIデバイスではありません。CES 2018には、近い将来のタッチ型UIや対話型UIの可能性をうかがわせる様々な製品が登場しました。続いて紹介する自動車分野の例では、これらのユーザーインターフェースの最も重要な役割は、音声起動式のハンズフリーコントロールを取り入れて安全性を高めることですが、そこには消費者を獲得するチャンスも存在します。

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Source: Mashable

たとえば、皆さんがお気に入りのコーヒーショップの近くを通りかかったときに、その店の情報が通知されるとします。その際に、欲しいものを伝えるだけで注文ができ、ドライブスルーに立ち寄るとすぐにそれを受け取れるとしたらどうでしょうか。さらに重要なアイデアとしては、注文した牛乳パックや記念日の花束、あるいは3か月間切れっぱなしだった火災報知器の電池を受け取ることを促す声のリマインダーが、それぞれの店舗の近くで再生されるようなことも考えられそうです。

#4:どのプラットフォームに最適化すべきか?

音声テクノロジーはすでにグーグルやアマゾンの検索機能に採り入れられていますが、他のライバルもそれに続こうとしています。フェイスブックはこの5月にホームデバイス市場に参入する予定であり、その際、アマゾン・エコーに対抗するものとして、15インチのタッチスクリーンと多数のフェイスブック統合機能を搭載した「Portal(ポータル)」という製品を投入するようです。

また、アップルの「HomePod」もすでに店頭に並びました。いよいよ本格的なホームデバイス戦争の幕が開けようとしています。NPRとエジソンの調査では、スマートスピーカーのない生活に戻りたくないと答えた人は、購入者の66%に上ると報告されているのです。

これはマーケティング担当者にとって、戦略を最適化しなければならないプラットフォームがますます増えることを意味します。しかも、それはホームデバイスに限ったことではありません。IoTの普及によって、クルマから、オーブン、ポケットの中の電話まで、生活のあらゆるものがつながることになるからです。

音声テクノロジーは長年過大評価されてきましたが、ついに今年、その応用が本格化する機運が熟したといえます。大手IT企業が一斉に参入することにより、この1年で多くのイノベーションが生まれることが期待されるからです。マーケティング担当者にとっての成功の秘訣は、時流に乗り遅れないよう新たなチャンスを見きわめ、最新の音声テクノロジーを使って複数のプラットフォームに最適化できるようになることにあります。

この記事は元々Vertical Leapに掲載されたものです。

この記事はBusiness2Community のChris Pittが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。