業界初、ノルデア銀行がお客様対応にロボット銀行員の導入を開始

北欧最大の銀行であるノルデア銀行が、デジタル化に向けて行った大きな賭け。その成否が、数週間後には明らかになります。そのタイミングで、第一弾の顧客グループに対して、人間に代わるロボット銀行員の導入が開始されるからです。

COOのトルステン・ヨルゲンセン氏によると、この北欧最大の銀行は2月中に「実環境で全面的な概念実証を始める」とのこと。この実験的運用はフィンランドで行われ、「実際の商品を使って実在の顧客に対して現実の業務を行う初の試みであり、お客様からご好評をいただければと考えています」と、ヨルゲンセン氏は述べています。その時点からすべてが「完全に自動化」され、「人間による介入が不要」になる予定です。

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ノルデア銀行は、投資家に対して忍耐を求め、「銀行の事業を現時点でデジタル化することに伴うコストが、結果的には将来のコスト削減につながる」ことへの自行の見通しを受け入れることを望んでいます。CEOのキャスパー・フォン・コスカル氏は、ノルデア銀行が他行に先駆けていることを指摘し、ライバルがデジタル化に向けた議論を今から始めても手遅れになるか、ペースが遅すぎると警鐘を鳴らしました。

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フォン・コスカル氏は、インタビューに答えて次のように説明しています。「私は、あらゆる銀行がテクノロジーに対してもっと積極的になるだろうと考えています。と同時に、将来の運営コストの内訳に関しては、それに伴う減価償却や償還が占める割合が大きくなるでしょう。つまり、残りのコストを抑える必要が出てくるため、当行ではそれを今進めているというわけです。」

現在のところ、株主たちは、2四半期連続で投資の価値を下げたこの銀行を支えるメリットを見いだすことに苦労しています。

ロボット銀行員導入の発表と前後して、同行の株価は4%以上下落しました。これは2017年10月26日以降最大の落ち込みです。そのときには、ノルデア銀行の第3四半期の業績に関連して株価が約7%下落しました。

フォン・コスカル氏は、市場の一部が同行の業績を「きわめて短絡的」に解釈していると指摘し、次のように説明しています。

「当行のキャッシュコストは大幅に下がっており、当然ながら、資本形成の側面からは、それがすべてを決める要因です。おそらく一部の投資家やアナリストは損益計算書に注目しすぎており、貸借対照表の動態に対する分析が不十分なのでしょう。後者に注目すれば、ノルデア銀行の長期的な将来性はより明らかだと思います。」

それでも、北欧地域で唯一、組織としてのグローバルな重要性を持つ銀行である同行の第4四半期の業績は、アナリストの予測に反して、収入と利益の両面で減少となりました。フォン・コスカル氏は投資家に対し、「第4四半期の成果には満足していない」ものの、「戦略はなおも妥当であり、まもなく業績が上向くとの安心感を市場に与えられるよう注力する」と説明しています。

「2018年については、純利益が増加するものと確信しており、収益の微増、コストの低下、信用度の安定も見込まれます」と同氏は述べました。

一方、COOのヨルゲンセン氏は次のように語っています。「2月にフィンランドでデジタル化プロジェクトが始動し、我が行はその可能性をより深く知ることができるはずです。そうすれば、正確な効果について一層わかりやすく説明できるようになるでしょう。」

ノルデア銀行は、人間のスタッフに頼る割合を減らし、テクノロジーへの依存度を上げることで、2021年にかけて「10億ユーロ(約12.4億ドル)近くまで」キャッシュの支出を減らす計画です。結果として、その期間に0.75~0.80%の追加資本を生み出すことができると見込んでいます。

ノルデア銀行では、「この投資によってパーソナルバンキングにおける対収入のコスト比を3分の1低減し、40%台前半にすることを期待している」と、コアバンキングプログラム責任者のヨゼフ・エドウィン氏は電子メールで答えました。これは、2017年末の比率である60%と比較した数字です。顧客は自分自身でバンキング業務の大半を行えるようになるほか、「ノルデア銀行をメインバンクにすれば、さらに良い条件が期待できる」と同氏はいいます。

モバイルやオンラインでのバンキングサービスが向上すれば、顧客が「銀行に問い合わせなくても、日常の口座管理に必要な処理の多くをセルフサービスで行える」と、エドウィン氏は説明します。それに伴い、口座の開設も極めて簡単になるのです。

さしあたって投資家に求められるのはただ1つ、待つことだけといえるでしょう。ヨルゲンセン氏も、来月には「コストと効率の両面で、正確なメリットが明らかになる」と述べているのですから。

--協力:ニクラス・マグナソン

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フランシス・シュワルツコフ(コペンハーゲン)、fschwartzko1@bloomberg.net

ハンナ・ホイッカラ(ストックホルム)、hhoikkala@bloomberg.net

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この記事はBloombergのHanna HoikkalaとFrances Schwartzkopffが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。