未来のドライブはAIアシスタントとともに

今年のCESでは、半導体メーカーのNVIDIAが、自動車メーカーによる仮想的なAIアシスタントの開発を可能にする最新テクノロジーを出展しました。これは、現在、操作に慣れ親しんでいるAmazonのAlexaや、AppleのSiriの車載バージョンよりも、格段にスマートです。

NVIDIAは、CESの記者会見で自動運転車用の新しいソフトウェアプラットフォーム「DriveIX」と「DriveAR」を発表しました。DriveIXを使用すると、自動車メーカーは、車両の内外に搭載されたセンサーを利用して運転を支援するAIベースの助手を開発できます。フォルクスワーゲンは、自社の電気自動車であるI.D.バズのプロトタイプで、DriveIXを使った実験をいち早く開始したパートナーの1つです。

また、DriveIXに基づくAIベースの助手は、クルマを発進させるようなタスクを行う上で、顔認証を使ってドライバを識別したり、ハンドルを握っている人の居眠り運転を検知したりすることも可能となっています。さらに自動車メーカーは、このプラットフォームを車載用のジェスチャ操作や音声操作の開発にも利用できるのです。

この新しいソフトウェアは、ほかにも安全性を高める機能を備えています。たとえば、車両の内外に搭載されたセンサーを利用して、運転手がよそ見をしていても車道に足を踏み入れた歩行者の存在を知らせることも可能なのです。また、NVIDIAのもう1つの最新ソフトウェアプラットフォームであるDriveARを使用すると、自動車メーカーは、お知らせや運転手が知りたい情報を表示することのできる、ARテクノロジーに基づいた車載用インターフェースの開発を行えます。

そして、これらの新機能を実現するのが、NVIDIAの最新プロセッサ、「Xavier(エグゼビア)」です。カリフォルニア州サンタクララに拠点を置く同社は、2016年に初めてXavierを発表しましたが、CESでは、同社のパートナー向けとして、実際にこの最新プロセッサの提供を今四半期から開始することが明らかとなりました。Xavierは、自動運転車に対応するエヌビディアの高性能コンピュータシステムであるPegasus(ペガサス)」に組み込まれています。同社の説明では、Pegasusはナンバープレート程度のサイズで、レベル5の自動運転に対応できるということです。つまり、ハンドル、アクセル、ミラーがなくても車両の走行が可能になることを意味します。

またこの発表は、テクノロジー企業の主導権争いのターゲットとなる次の主要プラットフォームが、自動車であることも示唆しました。NVIDIAは、自動運転車の分野ですでに320の企業や組織との協業を進めているといいます。

しかし、この競争が急速に激化していることも確かです。現在、多くのスマートフォンで採用されているプロセッサの開発を手掛けるQualcommも、2017年9月に自動運転車向けの独自のチップセットを発表しており、最近ではカリフォルニアの公道で自動運転車の試験走行を行う許可を取得しました。また、同年8月には、Intelも100台の保有車両で自動運転テクノロジーのテストを実施する予定を発表済みです。この分野は、自動車メーカーのみならず、半導体メーカーにとっても厳しい戦いの場になっているといえるでしょう。

この記事はTIME のLisa Eadiciccoが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。