B.LEAGUEがスポーツ観戦の常識を変える!"世界初の次世代型ライブビューイング"体験レポート

今、人気沸騰中の国内男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」のオールスターゲームが、2018年1月14日に熊本で開催されました。当日、世界初の試みとして熊本と東京・恵比寿を結び、最先端テクノロジーを駆使した次世代型ライブビューイングを実施。販売開始から座席シートはたった15分、その他チケットもわずか3時間で全てソールドアウト!500名の観客しか体感することを許されなかったイベントの全貌を、読者の皆さまにお届けします。日本のスポーツビジネス界に革命を起こす、新しい観戦スタイルをぜひご覧ください。

【B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2018 次世代型ライブビューイング"B.LIVE in TOKYO"体験レポート】

オールスターゲームで熊本から日本全国を盛り上げる

2016年に開幕し、人気がますます高まっている「Bリーグ」。年に一度のオールスターゲームでは、ファンによるSNS投票やリーグ推薦で選出された日本屈指のスタープレイヤーたちが「B.BLACK」と「B.WHITE」の2チームに分けられ、華麗なプレーを繰り広げます。今回はBリーグ発足後二回目の祭典ということで、2016年4月に大きな地震に見舞われた熊本の復興支援を願い、「がんばるばい熊本 がんばるばい日本」をテーマに熊本県立総合体育館で開催されました。そして「熊本から日本を元気に!」という強い想いから、日本全国のひとりでも多くの人にオールスターゲームの熱気を感じていただくために、東京でも試合を楽しめるライブビューイングが実施されました。

最先端テクノロジーで、映像・音・光・振動を駆使

「スポーツをライブやフェスのような感覚で、友達や家族と全く新しいスポーツエンターテイメントを体験してもらいたい」そんなコンセプトで行われたのが、次世代型の観戦スタイルを謳う、名付けて"B.LIVE"。最先端のテクノロジーを用いて、熊本で行われる試合を東京・恵比寿で同時生中継。観客に試合の映像とともに音・光・振動を駆使して様々な体験を提供します。

Bリーグの常務理事・事務局長の葦原氏によると、今回の企画では「みんなと一緒に見たい、みんなと一緒に盛り上がりたい」という潜在的な欲求が強い日本人独特の文化に着目したそうです。試合会場の熊本はもちろん、遠地の会場でも、テクノロジーの力でそんな体験を提供することができるのではないか?Bリーグはこれをスポーツ界に提言するため、富士通と共創し、今までにない新感覚のライブビューイングの実現に至りました。それではBリーグが提案する革新的な新しい観戦スタイルとは、一体どのようなものなのでしょう?

~熊本とツナガル~リアルタイム映像で遠く離れたファンと共有する「一体感」

会場に足を踏み入れると、まず目を奪われたのが前方にある550インチのド迫力な巨大スクリーン。4K映像で流れる熊本会場の様子を見ながら、沢山の観客が今か今かと試合の始まりを心待ちにしています。

東京から1300キロメートルも離れている熊本会場の映像を、ほぼリアルタイムに送ることを可能にしているのが、富士通独自のアルゴリズムが組み込まれた「高臨場感映像伝送技術」。わずか0.3秒~2秒で現地の様子を届けることができ、さらに試合の状況に合わせてスピード重視か画質重視かを切り替えて映像を伝送することができるので、熊本会場にいる観客と同じ景色を共有することができます。実際に東京会場と熊本会場の観客同士が同じ空間にいるかのような声の掛け合いもおこなわれ、両会場が熱気に包まれていきました!

そしてオープニングアクトの時間となりコートがカラフルな照明で彩られ、ダンサーらによるオープニングパフォーマンスが始まり、選手が入場すると、熊本・東京の両会場のボルテージはMAXに。

~選手とツナガル~身体中に響き渡る音が織りなす、コートにいるかのような「臨場感」

いよいよ試合がスタート!開始とともに圧倒されたのが、その「音」。「ダムダムッ」という選手がドリブルを付く音や、「キュッキュッ」という靴が擦れる音、そしてリバウンド時に選手がコートに着地する音が、身体中に響き渡り、あたかも熊本会場のコートに立っているかのような臨場感や選手たちの疾走感を体感することができました。

熊本会場のコートの床下やコートサイド、天井のあらゆる場所に52本以上の集音マイクが仕掛けられていて、コート内で起こっている音や観客の歓声を集音。東京会場に設置された30台のスピーカーを通してリアルタイムに、まるでフェスのような迫力をもって東京会場に伝わってきました。

熊本会場のコートの床下に仕込まれた集音マイク

このスポーツと音を融合したまったく新しい演出を可能にしているのが、ヤマハ様と富士通の共創から生まれた音を拡張する技術「Sound Intelligence」です。必要な音だけにフォーカスして集音したり、立体音響で熊本会場の大空間の音をそのまま東京で再現したり、試合の状況に合わせた音の演出が東京会場の観客に熊本を超える臨場感を届けます。さらにViRealというリアルタイムに立体的に音像を動かす技術をMCがライブパフォーマンスでは初めて活用するなど、東京会場でしか味わえない新感覚の体験ができました。

また、会場の両サイドには試合中のコートの振動を再現した「振動体感エリア」も設置されていました。

振動アクチュレータが搭載された「振動体感エリア」

このエリアには、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科と富士通が共同開発している触感伝送システムを搭載。攻守の切り替わりが速いバスケットボールの特徴を活かして、選手が近づいてきたり遠ざかっていったりする感覚を振動によって表現することができます。エリアに足を踏み入れると、激しい攻防を繰り広げる選手たちとともに、コート中を駆け巡っているかのようでした。

~観客とツナガル~エフェクト効果とDJで興奮を高める「高揚感」

そしてさらに観客を盛り上げるのが、魅力的な映像を創りだすエフェクト効果です。バスケットボールの華のプレーである3Pシュートやダンク、アリウープなどのスーパープレイがさく裂すると、エフェクトで大迫力なリプレイ映像が拡張されます。加えて画面には、得点した選手の情報やタイトルエフェクトが演出され、観客の興奮はますます高まっていきました。

スーパープレイのエフェクト映像を大画面に上映し迫力満点
得点した選手の情報も即座にエフェクトで上映

加えてここでも音が観客を沸かせます。東京会場にいるDJがプレー内容や試合展開に合わせて音響をコントロール。例えばファウル(反則)が生じた時にはサイレン音を流したり、ダンクシュートが決まったら爆発音を鳴らしたりなど、効果音を変幻自在に操り観客を盛り上げました。エフェクト効果により、会場にいる観客全員と試合の盛り上がりをシェアでき、感動と興奮を分かち合うことができました!

試合は123-111で「B.WHITE」が勝利!試合後、ファン投票によりMVPに輝いた小林慎太郎選手は「たくさんの日本を代表する選手たちがここ(熊本)に来てくれて笑顔を作れる活動ができたことは、1年後も2年後も皆さんの心に残ると信じて、今日この試合を成功だったと思います」とコメント。熊本・東京の両会場いっぱいの大喝采で試合の幕が閉じられました。

テクノロジーで創り上げる、新たなスポーツ観戦

試合後、今回のライブビューイングを企画した富士通の小山統括部長に、イベントの舞台裏の話を伺いました。

富士通株式会社 スポーツ・文化イベントビジネス推進本部
ビジネス企画・推進統括部 統括部長 小山英樹

構想2年、Bリーグの魅力をもっと伝えるために

―――今回のBリーグでのライブビューイング、大変盛り上がりましたね。私も取材しながら興奮して、すっかり楽しんでしまいました。この企画の背景をお聞かせいただけますか?

小山:次世代のスポーツ観戦スタイルの構想が浮かび上がったのは2年前。「今までのパブリックビューイングとは一線を画すものを創り上げたい」「ちょっと先のことをリードしたい」という気持ちから、光・音・振動を使うライブビューイングの企画が生まれました。そして実際に熊本でのオールスターゲームで実現することが決定したのは、試合開催日から約3ヶ月前。昨年のオールスターゲームの開催地であった国立代々木競技場 第一体育館では1万人もの人が集まることができましたが、今年の開催地である熊本で同規模のキャパシティの会場を確保するのは難しい。もっと多くのみなさんにBリーグの魅力を体験してもらうために、ライブビューイングの実現を試みました。

"世界初"のスポーツエンターテイメント体験の創出

―――世界初のライブビューイングを実現するため、特にこだわったポイントについて教えてください。

小山:やはり最もこだわったのは「映像」と「音」ですね。せっかく会場に来ていただくからには、テレビでも、現地でも絶対に味わえない体験を提供したいと考えていました。今回は初めてのチャレンジだったので、映像については主回線として100Mbpsの専用線、副回線として1Gbpsのベストエフォート回線(注)、衛星の3回線で熊本-東京間を繋いでいました。次々に変化する試合や会場の盛り上がりに合わせて演出をコントロールするなど、やってみないとわからないことばかりでしたが、試験的な1Gbpsのベストエフォート回線でも4Kの高画質映像をほぼリアルタイムに安定して東京に届けることができました。数パケットをロストしたものの、富士通独自のアルゴリズムを投入した映像伝送装置により誤り訂正が瞬時に行われ、実用上問題ないことが確認できました。また音についてはヤマハ様と富士通の共創から生まれた「Sound Intelligence」という、音を起点として様々な感動を提供する技術により、熊本会場の大空間をそのまま東京会場にも再現できたと考えています。Bリーグ様はもちろん、富士通のデザイン部門が中心となり、ヤマハ様や慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の皆さん、放送業界やイベント業界の専門家の皆さんと何度も議論を重ね日々挑戦し続けたことで、新たな観戦スタイルを実現することができました。

  • (注)ネットワークの混雑状況や電波状態に合わせて、通信速度を自動的に切り替える通信方式のこと。

球技から格闘技まで、スポーツエンターテイメントの可能性を拡げたい

―――今回のイベントを終えて掴んだ手ごたえと、今後BリーグをはじめICTでスポーツ界をどのように盛り上げていきたいか、お聞かせください。

小山:まずはテクノロジー的に破綻せずに無事に成功できたことは大きいと考えています。実際に会場に来ていたファンの笑顔や盛り上がりを目の当たりにし、「新しい観戦スタイル」や「新感覚」というものを体現できたと感じています。

今後チャレンジしていきたいことは大きく2つあります。1つ目はバスケットボール界の発展を目指し、ライブビューイングを第三の収益にしたいと考えています。各クラブでは年間60試合あるのですが、そのうち半分の30試合はアウェーで、アウェーの時は収益がゼロになってしまっている状態です。そこでアウェーの時も収益に繋げられ、ファンたちに喜んでもらえる場所をつくっていきたいです。また、ホームの試合でも課題があります。Bリーグの中には、すでに試合が満席となってしまい、チケットを取れないファンがたくさんいるチームもあります。体育館を大きくするには現実的に難しいので、ライブビューイングを通じて、もっと多くの人にサービスを提供していきたいと考えています。

2つ目は他競技への展開です。今回のイベントを通して、プレー音の収音の精度を高めることであらゆるスポーツに応用可能な観戦スタイルを確立できると考えています。他競技で屋内のスポーツというとバレーボールや卓球がイメージに上がりますが、音にこだわるという話になると、リングの音を収音できるボクシングやプロレスのような格闘技の方が、エンターテイメント性もあり親和性があるのではないかと考えています。今後も富士通の高度なテクノロジーを通じて、日本のスポーツ界を盛り上げていきたいと思います。

取材を終えて

実際に今回Bリーグオールスターゲームのライブビューイングを通じて、スポーツとテクノロジーを掛け合わせることで新しいスポーツ観戦の楽しみ方を体感することができました。また、企画の裏側では様々な分野のプロが日々挑戦を繰り返しており、彼らのBリーグや日本のスポーツ界に懸けた情熱を垣間見ることができました。今後も<スポーツ×ICT>の取り組みがさらに進んでいき、スポーツ界が発展していくことを期待します。