2018年注目のテクノロジー5選。ブロックチェーン賞金稼ぎが出現?

筆者は過去10年にわたり、毎年ベンチャービートで年間予想を発表してきましたが、恥ずかしながら昨年の筆者の予想のうち、2つが大きくハズレてしまいました。IoTのヒートアップと自律走行車の出現に伴い、2017年には「インテリジェントハイウェイが登場する」と考えましたが、ハズレ。また、フィンテック分野できわめて大きな動きがあったことから、昨年に「世界的なオンライン専門銀行の参入が見られる」と確信したものの、こちらもハズレでした。これらの予想は的中しませんでしたが、代わりに今年は、預金口座のあり方を見直し2020年までに銀行改革を目指すビームのようなスタートアップが参入してくる可能性があります。

また筆者は、昨年のテクノロジー分野において、「サイバーセキュリティが一番の注目を集める」と見込んでいました。このテーマは、確かにIT系メディアで上位5つの話題には入っていたのですが、2017年のビットコイン・マニアと暗号化への熱狂によって、かなり影が薄くなったのでした。

筆者のその他2つの予想――「中国が米国のテクノロジー分野に進出する」と「引き続きAIの急速な進化が見られる」――は的中しました。現実に、米国のテクノロジー分野への中国の投資は目覚ましい勢いで行われ、引き続き様々な中国法人が米国内でさらなる投資機会を狙っています。そして、2017年にとどまることを知らなかったAI人気は、2018年もこのまま加熱し続けることでしょう。それに伴い、機械が支配する世界や『ターミネーター』への恐怖も、収まる兆しはないと思われます。

では、昨年の話はここまでにして、今年の予想に移りましょう。

2018年についての筆者の予測は次のとおりです。

1. 「ブロックチェーン賞金稼ぎ」が職業になる

まず、2018年末までに、「ブロックチェーン賞金稼ぎ」とでもいうべき新しい職種が誕生するでしょう。また、ブロックチェーンテクノロジーの普及が政府機関や企業内で進むとともに、それ以外でも新しい職業が次々と生まれることが予想されます。このことを理解するには、連邦政府関連機関が情報を公的な分散型台帳に記録し、その台帳には数百万件から数十億件の記録が保存されている状況を思い浮かべてみてください。政府担当者の人手不足から、公記録である台帳内の不備の発見は、外部への委託なしには不可能です。そのため、現在のソフトのバグを見つけて賞金稼ぎする職業と未来的なブレードランナーの雰囲気を合わせ持つような人々が、数十人、場合によっては数百人単位で必要になると思われます。このようなブロックチェーン賞金稼ぎの職には、金融詐欺分野の科学的捜査の専門家やデータサイエンティストなどが就くことが予想され、AIエンジンを使って、公的なブロックチェーン上の証券取引委員会の記録内に、かつてのバーナード・マドフのような巨額金融詐欺事件の犯人を新たに見つけたり、YouTubeのコンテンツポリシーの違反者などを見つけることになるかもしれません。

2. 量子コンピューティングがビットコイン以上に注目を集める

量子コンピューティングの実際の応用例がいくつか見られるようになり、2018年内には、それが新たな流行となるでしょう。粒子の瞬間移動や、距離の離れた場所でも振る舞いが一致するミラリングのことは、おわかりですか? あるいは、手に収まるサイズの量子チップが複数のスーパーコンピュータを上回るコンピューティング能力を備えるという話を、理解できるでしょうか? いずれにしても、2018年には、グーグルが50量子ビットの量子コンピュータを発表すると考えられています。先に同社は、傘下にあった、2足・4足歩行ロボットを開発するボストン・ダイナミクスを売却しましたが、この決定が、映画「ターミネーター」内で描かれた自我を持つコンピュータ「スカイネット」の実現の可能性を低くするための予防措置的なものだったとしても納得がいくほど、未来的な出来事です。最先端のAIテクノロジーと量子コンピューティングだけでも、グーグルはこの先100年間にわたって独占企業となる可能性すらあるといえます。

3. 中国と他5つのOECD加盟国が独自の暗号通貨の使用を開始する

いくつかの規制機関が、暗号通貨と、その新規発行・販売を通じて資金調達を行うICOの推進方法を決めていることから、筆者は、市場全体の統制が進み、より健全なものになるだろう数か月間にわたって述べてきましたそして、2018年には、中国に加えて、日韓欧米35か国が参加するOECDこと経済協力開発機能の加盟国の内、少なくとも主要な5カ国が独自の暗号通貨の使用を開始すると考えています。エストニアやベネズエラなどの比較的小さな国は、すでにそれぞれ独自の計画を進めていますが、この領域で市場に変化をもたらすには、経済大国が活動を活発化させることが不可欠です。今後数年の間に各国が独自の暗号通貨を開発してくると、現在の小規模な暗号通貨の多くは、統合や破綻の憂き目にあうと筆者は見ています。

4. 自動運転タクシーが5都市で走行を開始する

すでに完全自動運転車の公道テストが行われている米アリゾナ州のチャンドラー以外でも試験走行が続々と始まり、この分野には、2018年も引き続き注目が集まるでしょう。年内には、米国の5都市で自律走行型のタクシーサービスが本格的に始動するはずです。それらのサービスが開始され、長い距離を運転せずに移動できるようになれば、車中での時間を有効に使うための食事やマッサージ、学習サポートなどの補完的サービスを提供するまったく新しいタイプのスタートアップ企業が登場する可能性も十分あります。

5. 脳波で操作できるマシンが市場に多数登場する

過去にも、脳波で操作するインターフェースによって目を惹く動きをする様々なデバイスがありましたが、今年は多くの業界がこのテクノロジーを導入するはずです。たとえば最近では、日産が脳波テクノロジーを同社の車両に取り入れることを発表しました。すでに、脳波で操作できるコンピュータ向けインターフェースやロボットも登場していますが、このテクノロジーがより成熟するにつれ、家電や建設業界のほか、時間短縮やマルチタスクを重視する何十もの業種でテストが行われるようになるでしょう。

Bernard Moonは、アクセラレータとベンチャーキャピタルファンドのネットワークである SparkLabs Groupの共同創業者兼パートナーです。

この記事は、VentureBeatのBernard MoonとSparkLabs Global Venturesが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。