進む教育へのAI導入。生徒や教員にもたらすメリットとは?

テクノロジーは急速に教室に不可欠な要素になっており、特に児童教育とは切っても切れません。タブレットなどのデジタル製品を使う子供たちも増えており、世界中でコーディングが標準カリキュラムに取り入れられ始めています。

こうしている間にも、AIとAR / VRが教育をより良い方向へと変えつつあり、児童が学ぶ方法だけでなく、教師が教える方法にも影響を与えているのです。伝説的なチェス選手のガルリ・カスパロフが最近のTED会議で語った言葉を借りれば、「人間と機械が手を組むのは未来の話ではなく、現在起きていること」なのだといえるでしょう。

また、テクノロジーは教育関係者の業務を改善でき、その波及効果によって、すべての生徒が質の高い教育を受けられるようになる見込みです。教育シンクタンクChristensen Institute(クリステンセン・インスティチュート)の上級研究員Thomas Arnett(トーマス・アネット)は、世界と教育システムのデジタル化が一層進むことで高まる要求に応えるため、知識や経験の有無を問わず、すべての教員がテクノロジーを活用することになり、それが学校経営にもプラスに働いて利益をもたらすことになると見ています。

さらに、AIとAR / VRを利用すると、実践を伴う学習の意味がまったく変わってくるでしょう。生徒たちは、ただ単に問題に取り組んだり学習したりするのではなく、学びを通じて、教室の中に居ながらにして探索し、経験し、関わり合い、参加することが可能となるからです。「教科やトピックを単に『学習』するだけでなく、一歩進んでコンテンツを『感じる』ようになります」と語るのは、Sevenoaks School(セブンオーク・スクール)のイノベーションおよびアウトリーチ担当ディレクター、Graham Lawrie(グラハム・ローリー)です。

例えば、Publisto(パブリスト)は、生徒と教師、および専門家の間でコラボレーションを行うためのStories of Tomorrow(ストーリーズ・オブ・トゥモロー)というプラットフォームを開発しています。ディープラーニング分析に基づくこのテクノロジーを使うと、宇宙探索の未来に対して生徒が持っているビジョンを把握することが可能です。このようなプラットフォームによって、生徒が実際に学習している内容をフルに体験でき、そのテーマの中に入り込めるようになるでしょう。

同様に多くのソフトウェア企業が、教育のデジタル化のニーズを認識して、様々な革新的ツールを発表しています。学習の効率化を目指すContent Technologies(コンテント・テクノロジーズ)は、ディープラーニングを活用してカスタマイズされた書籍を提供しており、10年前の教科書の内容を現在の読者にとっても意味のあるスマートな学習ガイドに変えました。Oculus Rift(オキュラス・リフト)やGoogle Expedition(グーグル・エクスペディション)などによるプログラムも、従来型のレッスンを有意義なバーチャルリアリティ体験によって拡張します。この他、Khan Academy(カン・アカデミー)やCoursera(コーセラ)などのオンライン教材サービスや、Story Chaser(ストーリー・チェイサー)やSumdog(サムドッグ)などの教育ゲームも、生徒のスキルと学習を強化するツールとして有効です。

一方で、AIは児童の学習方法を変えるだけでなく、教える側の短所を補う革新的なソリューションを実現する存在でもあります。Carnegie Learning(キャメジー・ラーニング)とThird Space Learning(サードスペース・ラーニング)は、ビッグデータを分析することで、生徒の強みと弱点に関するリアルタイムのフィードバックを教師に提供していますが、これは、生徒の学習に足りない要素を教師が見極めるために役立つはずです。そして近い将来には、評価判定などの時間のかかる作業が自動化され、教員が成績をつけるのに費やす時間とエネルギーは大幅に節約されることでしょう。

最終的に、質の高いカリキュラムとオンライン学習リソースは、教え方が効率的ではない教師からも、高い教育成果を引き出すことができます。基本的なコンテンツとスキルの説明をほぼコンピュータに代行させ、しかも、「より正確な成績評価データ」と「推奨される学習リソース」が教師に提供されるので、時間とエネルギーの両面で教師に余裕が生まれ、その分を生徒に充てられるようになるのです。そして、教師間で専門知識を共有するためのイノベーションによって、生徒の学習能力と非認知能力を深めることに集中できるようになっていきます。

言い換えれば、AIEd(教育向け人工知能)は、それぞれの学習者に個別の家庭教師が寄り添う一方でインテリジェントな共同学習のサポートも実現するテクノロジーであり、インテリジェントなAR / VR環境は、現実に近い仮想環境を使って学習をサポートする存在です。学習者に対して21世紀にふさわしい能力を身に付けさせ、成績評価の改善に貢献し、学習科学からの知見を具現化するために、AIEdは、AIの発展と成長に歩調を合わせながら進歩していくことが求められています。

Loli Delivaniは、Publistoのマーケティングマネージャーです。同社は、フルモバイルソリューション向けのWebアプリとネイティブアプリの設計と開発、機械学習、分析、データマイニングサービスを提供しています。

オリジナル記事掲載元: Medium. Copyright 2017.

この記事は VentureBeat のLoli Delivani と Publistoが執筆し、NewsCred パブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは legal@newscred.comにお願い致します。