国をあげたAI導入が驚異のGDPを叩き出す。今、シンガポールから目が離せない訳。

スマート化社会と高齢化対応への鍵を握るインテリジェントなロボット技術

東南アジアのハブとして成長を続けるシンガポールは、先進国の社会課題である交通渋滞や高齢化の解決に向けて、AIを駆使した幅広い分野でのロボット技術の浸透によって挑もうとしています。

最先端テクノロジーの実用化と応用に熱心なシンガポール。アクセンチュアの調査レポートによれば、同国では、テクノロジーと経済活動との融合によって、今後国内成長率がほぼ倍増し、労働生産性も大幅に向上する可能性があることが明らかになりました。AI(人工知能)の全面的な導入により、シンガポールの年間成長率は向こう18年間で5.4%に上昇する可能性があります。これは調査対象となった33カ国中で最大の伸びであり、2,150億ドルの生産額増加に相当する数字です。AIなしの経済拡大は3.2%留まると予測されることから、世界経済の中で成長が鈍化傾向にある先進国において、その差は大きいといえるでしょう。

Accenture, Frontier Economics
AIの恩恵
2035年までの経済成長率において、シンガポールはAI導入の恩恵を最大限に享受

アクセンチュア アナリティクスの東南アジア担当マネージングディレクター、Lee Joon Seongは、次のように指摘しています。「シンガポールがスマート国家のビジョンを進める中で、AIの採用は経済成長を促進し、生産性の停滞と労働力不足に対する強力な救済手段となる可能性があります」。

レポートによれば、AIベースのロボットの導入によって労働者は時間をより有効に使うことができ、従来よりもイノベーションに注力することが可能になるといいます。 また、高齢化による労働者不足の問題を解決する糸口にもなるとの見通しも示されています。

世界のハイテク拠点を標榜するシンガポールでは、政府、関係機関、企業のそれぞれが、産業横断的な技術の研究と実用化に積極的に取り組んできました。 すでに自動運転バス・タクシーや、高齢者の運動支援ロボットまでテクノロジーの応用は多岐にわたりますが、近年では、政府主導でのさらなるAIとデータ分析機能の開発に重点が置かれるようになってきました。

Accenture, Frontier Economics
労働のスマート化
人工知能の導入で2035年までにシンガポールの労働者の生産性が41%も向上

生産性の向上と経済成長の促進により、シンガポール経済の規模が倍増するまでの時間は大幅に短縮される可能があります。特にAIの完全導入が実現すれば、わずか13年で都市部のGDPが倍になる計算です。AIなしでは 都市部における同等の経済成長に22年もかかり、差は歴然といえます。

Accenture, Frontier Economics
加速する経済成長
AIの導入によって経済規模が倍になるまでの期間はシンガポールが最も短い

シンガポールは日本と同様に天然資源に乏しく、また国土は日本よりさらに狭いにも関わらず、政府が主導となり、民間の積極的なAI化とロボット化の取り組みを支援することで、大きな経済成長を遂げようとしています。これからの理想的な社会のあり方を考えるとき、日本をはじめとする他の先進諸国は、シンガポールの事例をより深く掘り下げてみるべきではないでしょうか。

この記事はBloombergのMelissa Cheokが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。