AI活用に導く、アイデア発想型AIワークショップとは

AIが囲碁や将棋でプロに勝った!というニュースが流れたAIブーム以降、既にAIを活用した新たなビジネスが次々と創出されています。AIの活用がますます進む中、改めてAIとは何か、そして新たなAI活用を模索する人に向けた「アイデア発想型AIワークショップ」で何が得られるのかを富士通のAIビジネスにおける全体戦略に携わる橋本文行に聞きました。

AI(人工知能)から、IA(知能増幅)へ

AIとは1956年のダートマス会議で命名された古い言葉で、60年以上の歴史を持っています。第2次ブームと言われる1980年代に富士通は、日本初のAI搭載コンピュータ「FACOMα」と人工知能体系「KAS知識情報システム」を発表。200件を超えるAI関連特許を出願するなど、日本のITベンダーでトップの実績を残しています。

このように、常に時代に先駆けてAIに関わっていますが、富士通が考えるAIとは、一般的な概念とは少し違います。この点を、橋本は次のように説明します。「多くの方は、人間の脳を作るブレイン・コンピューティングや人間の身体の一部が機械に置き換わるAIといった、SF映画の世界にあるものをイメージされると思います。しかし富士通が目指しているAIは、人間の思考を機械に代行させる、人間の判断を支援するという分野だと考えています」

橋本 文行
富士通株式会社 マーケティング戦略本部
新技術事業化戦略統括部
兼 AIサービス事業本部[戦略企画担当SD]統括部長

橋本は「SF映画の世界でイメージしたAIは人間と対峙し、雇用を奪ってしまう怖いものだと考えがちですが、それは心配し過ぎです」と指摘し、以下のように続けます。「AIをArtificial Intelligence(人工知能)として向かい合うのではなく、IA(Intelligence Amplifier)と考えると、これは人間の知識を増幅するものであり、私たちの仕事や生活を助けてくれるもの、と思えるのではないでしょうか」

富士通のAIは、このように人を中心とするHuman Centricな、人に寄り添い、人を支えるものを目指しています。

「ゼロから考える」アイデア発想を重視したAIワークショップ

具体的にAIを活用しようとする時、何から始めれば良いのでしょうか。AIに興味を持っていても、「どのようなビジネスにAIが使えるか分からない」「何から手をつけたらいいのか分からない」「具体的にどのような効果が期待できるのかがイメージできない」という方も少なくはありません。

富士通の共創空間「Digital Transformation Center」(DTC)では、AI活用を「ゼロから考える」ワークショップを行っています。お客様には20~30人の団体で受講していただく、6時間の充実した内容です。

ワークショップの対象者について、橋本は次のように語ります。「AIについて具体的な活用意図を持った方ではなく、自由な発想で考えたいという方を対象にしています。最近AIの話をよく聞く、あるいは会社からAIについて考えろと言われ、どうやってAIを使えば良いのか分からないと悩まれている方にお薦めしています」

実際のワークショップ風景。様々な業種、部署の方が一緒に参加しディスカッションを交わす

AIに対する先入観、誤解を解き、ありたい姿を描く

AIワークショップは、いきなり「AIを使って何を行うか」という議題には入りません。今注目を集めているデザインアプローチの手法を用いて、まずフォトカードを使って、自分の現状を振り返り未来を考え、ありたい姿を想像することからはじめます。

そしてAIに対する先入観や誤解を解き、富士通が考える人に寄り添い支援するAIというコンセプトを紹介し、AI活用のアイデア発想をスタート。ワークショップでは、独自のインスピレーションカードを活用し、自分が取り組みたいテーマを考え進めていきます。

「AIをテクノロジーだと考えてしまうと、すごく難しくて怖いというイメージを持ち、なかなか新しい発想が出てきません。まずAIを横に置いて、自分たちのありたい姿を考えることが重要です」と橋本はワークショップの狙いを語ります。

また、受講者が想像したありたい姿は、必ずしもAIではなくても実現することがあります。しかし橋本は、このワークショップの目的を次のように語ります。「IT技術を使わなくても、やりたいことがはっきりして、結果的にお客様として一番良い姿につながれば、ワークショップを受講した意義があると考えています」

富士通は、お客様との共創を通して、AIによるイノベーションを創造していきます。DTCのワークショップで、AIが私たちの仕事や生活を支えてくれる未来について、一緒に想像してみましょう。