今、求められる真のパブリッククラウドとは?

オラクルと富士通で創るクラウドの未来

多くの企業がシステム構築の際、クラウドファーストで検討を進めるようになりクラウドへの要求レベルもますます高まっています。この高い要求に応えるサービスとして、富士通は国内のデータセンターから「Oracle Cloud Platform」の提供と、富士通のパブリッククラウド「FUJITSU Cloud Service K5」にオラクルのOracle Databaseを組み合わせ新たなサービスの提供を始めました。オラクルと富士通の共創による新しいクラウドの未来を紹介します。
【富士通フォーラム2017 特別講演レポート】

Oracle Cloudを富士通の国内データセンターから提供すると、何が変わるのか

富士通株式会社
執行役員専務
香川 進吾

あらゆるビジネスにおいて、ネットワークやIoTで「つながる」ことの重要性が高まっています。データを集め、分析し、それを価値に変換して最適に制御し、必要な方々へお届けする。このサイクルが、ビジネスの価値を創造していくために非常に重要になります。

富士通はこの価値創造を、デジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc(メタアーク)」を通して実現します。MetaArcは、最先端のICT商品・サービスとアライアンス商品をワンストップで提供しています。

この「MetaArc」では最先端の技術、サービス、パフォーマンスが求められますが、それを富士通だけで実現するのは不可能です。さまざまなテクノロジーやサービスを組み合わせることで初めて実現していく、これがCo-creation(共創)の理念です。

中でも、データを集め解析し保管するデータベースは非常に重要です。「クラウドファーストの時代」にあって、数多くのお客様システムを構築する中で、ここ1、2年お客様より次のような声を頂戴しておりました。

1つ目は、新しいシステム構築のためにレガシーシステムに手を入れる必要があるが、投資額が膨大になるのを抑えたいということ。2つ目は、開発や検証用のデータベースのライセンスコストを削減したいこと。3つ目は、クラウドへの移行を考えているが、国外では使いたくないといったことです。

富士通は、これらのお客様の声に応えるクラウドサービスが必要だと考え、オラクルとのクラウド協業を発表しました。

2016年7月 オラクルと富士通のクラウド協業を発表

既に、オラクルと連携したサービス、富士通国内データセンターに設置している「Oracle Cloud Platform」の提供と、さらに富士通のクラウドサービス「K5」にOracle Databaseを組み合わせ、「K5」のデータベースサービスとしての提供を開始しています。

富士通クラウドサービス「K5」におけるデータベースサービス「K5 DB(Oracle)」には、主に3つの特長があります。まず1点目に、データベースの導入に当たって必要な作業や設定を自動化しました。データベースの導入には通常数日かかりますが、富士通がSI(System Integration)によって蓄積してきた知見やノウハウを活用し、ワンクリックで導入に必要な設定が行えるような簡単な操作性を実現。また、パブリッククラウドの利用に必要なセキュリティも、あらかじめ設定したことで、導入のハードルが劇的に下がったといえるでしょう。

2点目は、国内におけるサポートサービスの充実です。国内拠点より日本語で24時間365日のサポートを提供できる体制を構築しました。何かトラブルが発生した時には、日本のエンジニアが対応します。またトラブル時にはさまざまなログ情報を収集して解析を行う必要がありますが、項目を選択するだけで、ワンクリックで必要なログ情報を集めることができる「簡単サポート機能」も用意しました。これにより、トラブル時のお客様の負担を軽減することができます。

3点目は、富士通のクラウドサービス「K5」の豊富なサービスと組み合わせたシステム構築を可能にしたことです。Oracle Databaseを「K5」のポータルから同じ操作で扱えるようにしています。また、富士通が持っている人工知能(AI)やIoTなどの知見を組み合わせることで、使いやすい業務システムを実現しています。

富士通ではお客様のビジネス課題解決に向けて、さまざまなお客様環境でのクラウド実践を通じて確立したベストプラクティスと、オラクルのIT技術をCo-creationし、最適なソリューションを提供していきます。

22万人のIT人材不足から、いかに脱却するのか

日本オラクル株式会社
取締役 代表執行役社長兼CEO
杉原 博茂 氏

オラクルでは、3年前に「VISION 2020」を発表しました。これは、「日本を幸せにするクラウドカンパニーになる」ということです。日本を幸せにするという気持ちを持っている会社、それがオラクルです。

オラクルのカスタマーは、国内に6万社います。さらに、富士通のパートナー様は5000社、オラクルのパートナー様は2000社、ともに力を合わせて日本を幸せにするために取り組んでいます。

ここで、日本の課題を考えてみます。働き方改革や残業時間の規制、最低賃金上げ、外国人就労者の増加など日本はさまざまな課題を抱えており、全ての企業やコミュニティがそれに直面しているといえるでしょう。ここでもう1つ、重要なファクターを考えねばなりません。ITに携わる人材の不足です。

現時点で、IT人材は22万人不足していると言われており、既存の人材の高齢化も進んでいます。そして2030年には約60万人が不足すると言われています。つまりオンプレミスで14兆円使っても、人材が足りないとさらに追加でコストがかかるということです。

そうした社会を考えた時、例えば面倒な作業がボタンひとつでできるようになったり、何日もかかる作業が数時間でできるようになれば、生産性が上がります。それを実現するのがクラウドであり、富士通とオラクルのテクノロジーが必要になるのです。

オラクルは、クラウドの持つパワーを「POCO(The Power Of Cloud by Oracle)」というワードに込めて、SaaS、PaaS、IaaSと全てを揃えて、その時のお客様の状況に合わせたベストな選択ができるように提供しています。

一番いいタイミングで、一番いいチョイスができて、ベストのパフォーマンスが出せるのが、オラクルのクラウドの特長です。オラクルは富士通と手を組むことで、日本を幸せにする、お客様を幸せにするクラウドを提供して参ります。

協業によって見出された新たなクラウドの価値

日本オラクル株式会社
クラウドテクノロジー事業統括
執行役員
竹爪 慎治 氏

お客様のクラウド活用の理由とオラクルへの期待について考えると、「なぜクラウドか」という問いに対し、最も多いのは「所有から利用に」という回答で35%、「なぜオラクルか」という問いでは「TCO削減」が32%で最多でした。

そうした背景をもとに、オラクルの日本における現状を紹介します。オラクルが、クラウドプラットフォームを日本市場に本格的に投入してから約2年。この間、PaaSでは17倍、IaaSでも23倍と大きな伸びを見せています。

特にIaaSとPaaSについては、オンプレミスと同じアーキテクチャをクラウドで展開することで、お客様においては既存のシステムの開発知識や運用ノウハウをそのままクラウドで適用できます。またビジネスの成長に合わせて、オンプレミスとパブリッククラウド間を移行できるなど、オンプレミスとクラウドの親和性を非常に重視しているのが特長です。

まず、PaaSの一番の強みは、TCOの削減効果です。IaaSによる削減効果が10%に対し、PaaSはその4倍となる40%の削減効果が見込めます。また、オンプレミスのOracle Databaseからクラウドへ移行する際、一般的なクラウドデータベースでは機能が欠けている場合があります。その欠けた機能をお客様側で補うには多大なコストと技術、要員の確保が必要です。しかしオラクルのDatabase Cloudならば、オンプレミスの全ての機能をクラウドで活用できるため、完全かつ容易な移行が可能です。

次にIaaSですが、オブジェクトストレージやデータベースバックアップ、ネットワークセキュリティなどを富士通のデータセンターで提供しています。その特長は、ストレージエリアの機器や物理リソース当たりのユーザーの割り当てに対して最適化を加えているので、基本性能がかなり優れていることです。

富士通とオラクルの協業によって初めて実現できた3つの選択肢、それがオンプレミスとパブリッククラウド、そしてその中間に位置するat Customerです。この3つの形態をひとつのデータセンターから提供できるのは富士通だけ。これによって、TCO、性能、既存システムとの親和性に優れた、「真のハイブリッドクラウド」を提供することができます。

クラウドプラットフォームを、同一のデータセンターからオンプレミス、パブリック、at Customerの三形態で提供できるのが、富士通様との協業によって初めて実現可能になった価値です。

これにより、お客様にBest Timing、Best Choice、Best Paformanceでサービスを提供し、これからもオラクルと富士通の協業で新しいクラウドの未来を切り拓いていきます。

※講演者の肩書きは、講演当時のものです。

登壇者
  • 富士通株式会社
    執行役員専務
    香川 進吾

  • 日本オラクル株式会社
    取締役 代表執行役社長兼CEO
    杉原 博茂 氏

  • 日本オラクル株式会社
    クラウドテクノロジー事業統括
    執行役員
    竹爪 慎治 氏