「働き方改革」のヒントがここに!デジタルものづくりをTechShopで体験してきました

2017年6月26日(月)~28日(水)、富士通のオープンイノベーションの場である"TechShop Tokyo"にて、これからの働き方について考える「デジタルものづくり1日実習」が開催され、その最終日にFUJITSU JOURNAL編集部も参加してきました。最先端のデジタル工作機器を活用したラピッド・プロトタイピングを通じて、「働き方改革」のヒントが見えてきました。

生産性の向上やイノベーションの創出にも繋がる「働き方改革」

グローバル化や少子高齢化などの環境の変化に伴い、多様な人材の活躍を重視した柔軟な働き方が求められています。時間の使い方や仕事のプロセスなど、社員一人ひとりにあった働き方を見直すことで、「働き方改革」は生産性の向上やイノベーションの創出といった様々なメリットを企業にもたらします。
富士通も「働き方改革」に全社で取り組んでおり、「社員一人ひとりの成長と生産性の向上」「ビジネススピードの向上」「デジタル化の進展に対応した働き方」の実現を目指しています。今回の「デジタルものづくり1日実習」は、ものづくりを例に最先端のデジタル工作機器がもたらす新しい働き方について考えるワークショップです。ドローンを題材に商品企画から設計、製作、最後にはプロトタイプの飛行テストまでを1日で行いました。

生産性を劇的に変えるラピッド・プロトタイピングとは?

ワークショップはデジタル工作機器の活用でものづくりがどう変わるのかについて、講義を通して理解を深めることから始まります。
ものづくりは一般的に企画から販売まで下記の5つの工程で行われています。

5つの工程の中で全体工数の半分以上を占める場合が殆どと言われているのが、「設計」フェーズです。ここでは「企画」フェーズで決定した仕様(機能、形状、寸法など)に基づいてデザインを行い、プロトタイプを作り仕様通りにできているかの検証まで行います。
この「設計」の効率化に有効なのが、ラピッド・プロトタイピングという手法です。ラピッド・プロトタイピングとは、文字通り「rapid(=迅速な)」と「prototyping(=試作品製作)」を掛け合わせた言葉で、製品開発において早く試作を作ることを意味します。例えば3Dプリンターや3Dスキャナなどのデジタル工作機器を活用することで、「アイデアを思いついたらその場でプロトタイプを作り、ダメであればすぐに修正する」という企画~設計のフェーズを、スピード感を持って繰り返し行うことができます。そのため生産性の向上はもちろん、アイデアを目に見える形にすることで議論が活性化され、より品質の高い製品・サービスの開発や新しいイノベーションの創出にも繋がります。

デジタル工作機器を使い、新しいドローンの企画・プロトタイピングに挑戦

実習の流れ

講義を終えると実習へ移ります。今回会場となったTechShopには、3Dプリンターや3Dスキャナといった最先端のデジタル工作機器が常設。これらの機器の扱い方を熟知する専門スタッフである「ドリームコンサルタント」のサポートの下、新しいドローンの企画からプロトタイピングに挑戦しました。実習は、今回ワークショップに参加した富士通のマーケティング部門の社員10名が5名ずつの2チームに分かれて行いました。
入社したての新入社員から若手チームリーダー、40代・50代のマネジメント層などのベテラン社員まで、 多種多様なメンバーによるオープンなディスカッションを通して、各チームでワークを進めていきます。普段の業務では机の上や頭の中での作業が大半を占めるマーケターは、"デジタルものづくり"を通じてどのような気付きを得るのでしょうか?

商品企画・プロペラのモデル設計 ~未来を担う商品を考える~

まず実習はドローンの商品企画から始まりました。ドローンの仕様・用途・デザイン・機能などの観点から、様々なアイデアを膨らませていき、モデル設計を行います。今回はドローンを飛ばすプロペラの部分を製作。企画で出た意見をもとに、紙粘土でプロペラの形状を作ります。「もうちょっとスタイリッシュな形にしよう」「うねりを作って風を逃がさないようにしたほうがいいんじゃないか?」などチーム全員で試行錯誤。実際にモノを目で見ながらディスカッションを行うと、チームでイメージを共有できるので、次々とアイデアが飛び出し改善点が明確になりました。

モデル設計の様子

紙粘土で製作したプロペラのモデル(片翼)

モデルのデータ化 ~デジタル工作機器に触れる~

プロペラのモデルが完成したら、3Dスキャナでデータ化し3D CADで編集します。「飛ぶプロペラを作るには、緻密なうねりと絶妙な薄さがカギを握る」とドリームコンサルタントの方からアドバイスを受け、プロペラ表面の凸凹を滑らかにしたり、拡大・縮小したりして、形を整えていきます。正確な情報を読み取り、形作ることができるのは、最先端のデジタル工作機器だからこそ成せる業です。

3Dスキャナでプロペラモデル(片翼)を読み取る

3D CADで片翼のデータを複製し、左右対称に結合して1枚のプロペラに

プロペラの造形 ~アイデアをカタチに~

3D CADで納得のいくプロペラのデータができたら、いよいよ3Dプリンターで造形します。3Dプリンターが動き出すと、たった数十分前に出したアイデアがあっという間にカタチになって出来上がりました。

読み取ったデータを3Dプリンターで造形する

完成したプロペラ

飛行テスト ~ドローンは飛ばせるか?~

プロペラができたら、いよいよ飛行テストへと移ります。手作りのオリジナルプロペラをドローンに取り付け、床に置きます。会場が緊張で静まり返る中、おそるおそるコントローラーを操作すると...見事、超低空飛行でしたが、ドローンを飛ばすことに成功しました。講師の方から「今回のワークショップは過去に2回開催しましたが、これまでドローンを飛ばすことができたチームは他にはありませんでしたよ。」とコメントをいただくと、参加者からは喜びの声が上がりました。こうして1日の"デジタルものづくり実習"は終了。たった1日でドローンの商品企画からプロペラを製作し、飛行テストまで行うことができました。

完成したプロペラを装着したドローン

ドローンが飛んだ瞬間

新しい働き方の可能性を感じた1日

今回のワークショップでは、本来ならば膨大な時間を要する商品の企画から設計、そしてプロトタイプの動作テストまでをわずか4時間半という短時間で体験することができました。デジタル工作機器を用いたラピッド・プロトタイピングによりアイデアを即座に目に見えるカタチにすることで、短時間でより良い製品作りを実現できると肌で感じました。このような働き方が進めば、業務のスピードアップはもちろん、的確な意見や創造的な発想が生まれ新たなイノベーションにも繋がると、これからの働き方のヒントが見えた1日でした。

今回参加したチームのメンバーにも感想を聞いてみました。

<参加者のコメント>

当日ご参加した方々の感想を、一部ご紹介します。

■チームで出したアイデアをたった数時間で形にできたのがとても新鮮だった。トライ&エラーをスピード感を持って行えるラピッド・プロトタイピングという考え方は、マーケティング職である私たちの業務にも活用できると感じた。(30代男性社員)

■実際にプロトタイプを作りモノを見ながらディスカッションをすることで、具体的な改善点が見えアイデア出しが活発に行えました。これからこのような働き方が進めば、より質の高い製品やサービスが世の中に出てきそうな可能性を感じました。(50代男性社員)

■TechShopのような創造的な空間でワークショップを行うことで、新しい発想ができました。3Dプリンターや3Dスキャナなどの最先端のデジタル工作機器に触れることができて楽しかったです。ドローンを飛ばすことにも成功し、チームのメンバーと達成感を共有することができました。(20代女性社員)