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風を掴み、世界に挑む。SE兼選手が開発したセーリング技術向上のためのIoTトレーニングシステム「Windsurfing Lab」

【未来を創るチカラ Vol.5 後編】

"作り手"と"使い手"が同じだから、開発の速度も深さも増した。

インタビュー前編からの続き)

富士通のデジタルイノベーターであり、ウインドサーフィンの選手でもある横井愼也が開発したセーリング技術向上のためのIoTトレーニングシステム「Windsurfing Lab」。

横井の熱意と積極的な働きかけにより、実証実験のための場を提供する日本ウインドサーフィン協会、小型センサーを提供するラピスセミコンダクタ、データを分析・可視化するアプリケーションを提供する富士通による "オープンイノベーション"として、実用化に向けて漕ぎ出しました。夏休みの工作からスタートした開発を短期間でここまで発展させることができた要因はSEと選手の"二足のわらじ"にあります。

「従来のビジネスは"作り手"と"使い手"が異なるというのが基本構造ですが、今回チャレンジングなのは"作り手"と"使い手"が同じであるという点。ウインドサーファーの私が欲しいものを自分で作って、自分の身をもって試しながらブラッシュアップできるので、開発が短期間で行え、コストをかけずにニーズや性能を検証できる。好きなことなので妥協せずに深掘りできるから、痒いところに手が届くようなきめ細やかなシステムが作れるというのもあります。もうこのセンサーは、命の次に大事な存在です。強風に煽られた時なんかは、センサーだけは壊すまいと必死ですよ(笑)」

マスト(セールの軸棒)にセンサーを取り付ける横井。「将来的にはもっと小型化し、容易に取りつけられるようにしたいです」

2020年に向けて選手を支援し、"観るスポーツ"へと育てていきたい。

大好きなウインドサーフィンをビジネスに活かし、社内外で協力してくれる仲間を少しずつ増やしながら進めてきた「Windsurfing Lab」プロジェクト。今後はどのように発展していくのでしょうか。

「まずは2020年の東京オリンピックに向けて、日本のウインドサーフィンの選手を全面的に支援していきたいです。今はまだ世界との差がありますが、このIoTトレーニングシステムを活用すれば、かなり効率的にレベルアップできると考えています。自身の乗り方の可視化だけでなく、蓄積されたデータから『最適化シミュレーション』を行い、より効率的な乗り方を分析結果から推測することもできます。
それと同時に、ウインドサーフィンが"海の上のF1"として広く認知され、子供も大人も夢中になれるメジャースポーツになるよう、裾野を広げていきたいです。そのためにはウインドサーフィンを"観るスポーツ"へと育てていく必要があるのですが、このシステムを応用すれば、沖で選手がどういう動きをしているのかがリアルタイムにわかるので、ドローンの映像なども組み合わせ、初めて見る人にもよりわかりやすく、エキサイティングな映像をお届けできると思います」

VRによる陸トレや体験型アトラクションでシーンを盛り上げ、地域創生に繋げたい。

ウインドサーフィンをより身近なスポーツにするべく、VRの活用も視野に入れている横井。海に行けない時でも陸上でトレーニングができるシステムや初心者でも気軽に楽しめる体験型アトラクションの開発を進めていきたいと言います。

「ワールドカップ横須賀大会の会場で、湘南工科大学の学生たちと一緒にVR を利用したウインドサーフィンの体験デモを行ったのですが、『こんなにスピードが出るんだ!』『気持ちいい!』って、みなさん驚いていました。このように気軽にウインドサーフィンの気分を味わえるものをきっかけに、実際に海に行ってやってみたいという気持ちを刺激し、同時に自治体や店舗の方と協力しながらマリンスポーツを始めやすい環境をつくっていくことで地域の活性化にも繋げていきたいと思っています。
そして、ウインドサーフィンできちんと実績を残せたら、他のスポーツへの応用も進めていきたいですね。一番近いのはヨットですが、ほかにも個人的な感覚に頼っているマイナースポーツは多々あるので、いろいろとチャレンジしてみたいです。プロのスキルを"見える化"することで、指導方法も変わってくると思いますし、技術の伝承という意味では、産業分野にも活用できると考えています」

それなりの想いでは、それなりのものしか作れない。やるなら世界一を目指す。

プロジェクトの未来をワクワクしながら語る横井に、イノベーションを起こすうえで原動力となるものは何か、尋ねてみました。

「自分自身を含め、このシステムを本当に必要としてくれる人や応援してくれる仲間が世界中にいるということですね。『ぜひ横井さんに作ってほしい』『横井さんを応援したい』という言葉が今の私を支えています。私はウインドサーフィンを始めてまだ3年ですが、『3年後にはプロになって、10年後には世界チャンピオンになる』って宣言しているんです。そのために、このIoTトレーニングシステムを作っていますから。無茶だと笑う人もいるかもしれませんが、それなりの想いではそれなりのものしか作れません。ビジョンを臆することなく口にすることで、たくさんの共感を得て、ここまでやって来れたのだと思います」

確固たるビジョンを持てば、イノベーションの壁は必ず超えられる。

横井の言葉はさらに熱を帯びます。

「イノベーションにはいくつもの壁が立ちはだかります。その壁を突破するのに必要なのは、ビジョンです。自分は何の世界を変えるのか、確固たるビジョンを持っていれば壁は必ず超えられる。私はSEとしても、選手としても、世界を目指したいですし、いつか、世界最速のウインドサーフィンレーシングチームを作りたい。本気でそう思い、この活動に取り組んでいます」

そんな決意を後押しするかのように、分厚い雲の切れ間から太陽が差し込み、風が強く吹き始めました。

「いい風が吹いてくると、早く乗りたくてそわそわしちゃいますね」

そう笑うと、再び水面へと漕ぎ出し、風に乗って瞬く間に遥か遠くへ―。
その視線の先にはきっと、"世界の海"が広がっています。

富士通株式会社
デジタルフロント事業本部
デジタルフロントセンター
横井愼也
1983年 愛知県生まれ。学生時代は柔道や野球に打ち込む。
2007年 富士通グループに入社し流通業のお客様を中心に基幹システム開発に従事。
2014年にウインドサーフィンと出会い、本栖湖チャンピオンシップ2015のビギナー部門で優勝。
本格的にウインドサーフィンを始める。
2017年 デジタルフロントセンターにてウインドサーフィンの選手能力向上に向けた合同実験PROJECT Windsurfing Labを立上げ、開発者兼選手としてトレーニングシステムの開発に取り組む。

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