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「安心・安全」な自動運転社会実現に向けて

モビリティは単なる移動手段に留まらず、時間やエネルギーおよびモビリティ資産の効率的利用、事故率の低減を目的に、自動運転化に向かっています。自動運転実現のためには、あらゆる交通状況をタイムリーに認識・分析し、自動車をスムーズかつ安全に走行させるための高い技術が求められます。これから進んでいく自動運転の時代に向けて、モビリティの技術やビジネス課題は、どういうものがあるのでしょうか。
【富士通フォーラム2017 カンファレンスレポート】

進む、自動運転社会実現の鍵となる最新技術の開発

カンファレンス前半では、自動運転社会に向けて、VMware、デンソー、そして富士通の3社が、その実現のための鍵となる最新技術の紹介を中心に各社の取り組みについて講演しました。

AIを活用し実現できる、コネクティビティ時代のIoT技術

富士通株式会社
執行役員
菊田 志向

これからの時代、年間1000万台以上の新車がコネクテッドカー(注1)として登場すると予測されています。また、自動車の自動運転にはいくつか段階がありますが、2025年頃にはAI(人工知能)を活用した完全自動走行の自動車が登場することも予想されています。こうしたロードマップを実現するためには、数々の要素技術をプラットフォームとして整備することが不可欠です。富士通はそれらをサービスまで含めて「Mobility IoTソリューション」として提供しようとしています。

「自動車ビッグデータ」「クラウドAI」「ダイナミックマップ管理」「OTAリプロ(注2)」「車載セキュリティ管理」。この5つの領域それぞれにおいて、自動車メーカーやサプライヤーと一緒にさらなる技術革新にチャレンジしています。いくつか富士通ならではの技術を紹介しましょう。

コネクティビティを実現するMobility IoT ソリューション全体像

コネクテッドカーが増えていく中、データ通信量も爆発的に増えていくと言われています。これはトラフィックの負荷やデータセンターのコストにも影響する問題です。そこで富士通では大容量となる画像データ、車から見える画像の特徴を捉えた独自圧縮技術を開発しています。H.26xの圧縮率のさらに1/10を目指した実用化に向け、実証実験を進めています。

また、クラウドAIについては、車から集まってくる画像やセンサーの情報をもとに、分析・学習した知識を車載AIに提供する基盤を提供していきます。学習に必要な教師データの自動生成や、その学習時間の効率化を世界最高速クラスのディープラーニング基盤で支えていきます。

さらにコネクテッドカーでは様々な機能がネットワークに繋がっていくため、サイバー攻撃もあらゆる方向から受けることになります。車内外のメッセージ認証を支える鍵管理に加え、新しく繰り出される攻撃から迅速に防御していくために、最新防御技術にAIを活用していきます。

サービス面では位置情報、交通分析、車両管理・カーシェアリングをスムーズに行うための「SPATIOWL(スペーシオウル)」を富士通は既に海外へ展開しています。これらの、新しいモビリティに向けたソリューションとサービスは、決して富士通単独で進められるものではありません。多くの強いキープレイヤーと協業しながらその世界を作り上げたいと考えています。自動運転社会は、共創によって新しい価値を実現する過程の中から生まれるものだと富士通は考えています。

(注1)ICT端末としての機能を有する自動車
(注2)無線ネットワーク(OTA:Over-The-Air)によるプログラムアップデートリプログラミング

コネクテッドカー実現に向けたデバイス管理の役割

VMware, Inc.
アジア太平洋地域 グローバル/ストラテジックアカウント部門
副社長
古市 力 氏

VMwareでは車載ソフトウェアOTAリプログラミングソリューションを始めとしたIoT分野で富士通と協業を進めている中、IoT環境全体を簡単かつ一元的に管理できるソリューションとして、「VMware Pulse IoT Center」を提案しています。モバイルを中心としたデバイス管理で培ってきたテクノロジーノウハウは、コネクテッドカー時代の車両管理にも適用できます。

OTAリプロなどでのデータの流れは、IoTデバイスとして末端のハードウェアであるエッジデバイスからデータセンターまで6つのポイントに分けて考えられます。その中で、IoTゲートウェイの部分はローカル側とセンター側を繋ぐ橋渡しの部分であり、変化にダイナミックに対応できることが肝心です。

End-to-End の IoT コネクティビティにおけるポイント

例えば二輪駆動の車を、OTAリプログラミングによって四輪駆動に変えることもソフトウェア技術的には可能になるでしょう。実装部分を局所化し、ビジネスロジックパッケージとすることで、二輪駆動と四輪駆動のそれぞれのコアパッケージを管理し、必要なときに適用させることができます。

「VMware Pulse IoT Center」では、世界地図の上にIoTゲートウェイをマッピングし、どのデバイスをアップデートすべきかが可視化されるようになっています。グローバルスケールでのエンタープライズIoTマネージメントによる高品質なエッジデバイス管理が、今後のIoTでは重要な役割を果たすと考えています。

AIを活用した技術で、安心・安全なモビリティ社会の実現へ

株式会社デンソー
常務役員
隈部 肇 氏

ドライバーの車両運行中の認知・判断・操作を支援して「いつもの安心」を担保するとともに、「もしもの安全」として緊急時の危険回避や事故被害の軽減をする。その上で、便利で快適で、自動車が楽しみの経験を生み出すものになれるよう、デンソーが目指しているものが先進安全システムです。これを実現するために、基礎研究のほか、人・車・社会・インフラを繋げる各技術の開発を総合的に取り組んでいます。本日は画像センサーの高度化に向けた取り組みを中心に紹介します。

従来の画像認識技術では、人や車の特徴を人為的にパターン化し、比較させることで画像データから対象物を認識させています。自動運転社会に向けた次世代の画像認識システムとして、Deep Neural Network(DNN)という、AIを活用した画像認識技術を開発しています。DNNでは、対象物の特徴を自ら学習し、認識していくことができ、オンタイムで運転シーン全体の把握が可能となります。

従来技術での認識イメージとDNNを用いた認識イメージ

自分(走行車)が次に進むことができる範囲の"フリースペース"認識や、他の歩行者・自動車が次にどう動くのかという予測技術が加わると自律走行も可能となります。DNNの開発にはアルゴリズムや学習データ、その計算環境など、他の企業や大学などと連携しています。さらにコネクテッドな技術を取り入れ、安心・安全・快適で、感動できるモビリティシステムを目指しています。

自動運転社会を実現するために、共創が鍵となる

カンファレンスの後半では、安心・安全な自動運転実現に向けた課題や新しいモビリティ社会への期待について、日経BPの林哲史氏をモデレーターに迎え、活発なディスカッションが行われました。

他業種との共創が技術開発のスピードを生む

まずモデレーターの林氏より自動運転社会実現に向けた各社の強みの問いかけがあり、ディスカッションが始まりました。そこで、富士通の菊田は「富士通はこれまで半導体やモバイル事業で培ってきた技術を元に、コネクティビティ時代でのモビリティ技術として自動車業界の皆様との研究開発に取り組んでいます。また、東証の株式売買システム開発やスーパーコンピュータ「京」などで培ったクラウドや並列処理技術の高速性と信頼性は、モビリティIoTでも活かすことができると考えています」と述べました。

複数のプレイヤーが共創によって新しい価値を生み出すことが、自動運転社会実現では重要になります。デンソーの隈部氏は、「安心安全なモビリティ社会の早い実現のためには、自動車業界だけの力では難しいので、様々な企業と協業していきます。例えば、ソフトウェアのバージョン管理などはITベンダーが進んでいます。協業を深めながら、IT企業の知見をしっかり取り入れていきたいです」と業界の枠を越えた協業の必要性を改めて強調しました。

日本のモビリティIoT技術で世界をリードする

モデレーターの林氏は、モビリティIoTではセキュリティ技術が不可欠であることも強調しました。この点についてVMwareの古市氏は、「自動車を含むIoTデバイスに対するサイバーアタックは、ある前提として考えなければなりません。最近のセキュアテクノロジーではアタックされたとして、被害を局所化するという方向に向かっています」と指摘。菊田もまた「モビリティIoTにおけるセキュリティの意識は高まっています。セキュリティの脅威に対しては、OTAリプロで対応できるようなセキュリティライブラリを提供し、かつ適宜迅速にアップデートできるような仕組みを提供していきたい」と述べました。

さらに、日本だけでなくグローバルでのモビリティIoTに触れ、古市氏は、VMwareでアジア太平洋地域全体を統括する立場から、「アジアの企業は、日本の自動車産業が自動走行社会実現に向けてどんな役割を果たすのかを注視しています。欧米に遅れることなく、日本がアジアをリードしていくべきで、そこでは私たちITベンダーが貢献できる余地がまだまだあると考えています」と話しました。

菊田も「富士通は自動車こそ作りませんが、安心・安全のプラットフォームを提供することで、グローバルに闘っていきたいと考えています。モビリティIoTの分野では海外から入ってくるニュースが多いですが、日本企業がリードできる面もたくさんあります。自動車メーカーやサプライヤー、さらに様々なベンダーと力を合わせて共に闘っていきたい」と発し、ディスカッションを締めくくりました。

登壇者
  • 富士通株式会社
    執行役員
    菊田 志向

  • VMware, Inc.
    アジア太平洋地域 グローバル/ストラテジックアカウント部門
    副社長
    古市 力 氏

  • 株式会社デンソー
    常務役員
    隈部 肇 氏

  • 日経BP社
    クリーンテック研究所
    主席研究員
    林 哲史 氏

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