注目度が高まるAI、IoT、働き方改革――実現のヒントを見出す共創ワークショップに潜入

ICTやビジネスをめぐる環境は急速に変化し続けています。その流れの中で、新しいアイデアを生み出しビジネスへ活用するために、ワークショップの活用が進んでいます。東京・浜松町にある「富士通デジタル・トランスフォーメーション・センター(DTC)」では、お客様との共創により新たな価値を見出すワークショップメニューを数多く取り揃えています。

今回、「富士通フォーラム 2017」開催に合わせ、DTCにおいて人気のテーマ「AI」「IoT」「働き方改革」の3メニューについて体験ワークショップを開催。当日は、富士通フォーラム会場の有楽町とDTCのある浜松町を結ぶシャトルバスも運行され、たくさんのお客様がワークショップを体験しました。その様子を、FUJITSU JOURNAL編集部がレポートします。
【富士通フォーラム2017 体験ワークショップレポート】

「ゼロから考えるAI活用」

まず最初に潜入したのは、AI活用ワークショップ。今、AI(人工知能)は色々な分野で活用が始まっています。特に近年、ディープラーニングという手法が広まったことで注目が高まり、金融、医療、マーケティング、製造業など、多種多様なビジネスにおいて活用が広がっています。

AIに興味を持っていても、「どのようなビジネスにAIが使えるか分からない」「何から手をつけたらいいのか分からない」「具体的にどのような効果が期待できるのかがイメージできない」という方も少なくはありません。

現在、存在しないものを考え出すには、どうすればいいのでしょうか?

その考えを見出すために、今回のAI活用ワークショップでは、いきなり「AIを使って何を行うか」という議題には入らず、デザインアプローチによって、現状の課題と未来のビジョンを明確にすることから始まりました。そして、現在の姿からありたい姿に到達するには何を行うべきかという視点でディスカションを進めていきます。

ディスカッションにあたっては、会場に用意された様々な写真が記された色とりどりのイメージフォトカードを利用します。カードには、笑顔の子ども、自然の風景、ビルや近代的な建物などのアイテムが描かれていました。
そこから「自分が抱えている課題」「将来、ありたい姿」を想起するカードを1枚ずつ選び、ペアになった相手に、「なぜそのカードに、自分の課題や将来ありたい姿をイメージしたのか」を説明していきます。

このように、他の人に話して整理、共有することで、現在の課題や将来ビジョンを具体化していきます。そして、ディスカッションを通して、気になった言葉があれば、キーワードをメモ。実は、ここで記したキーワードが、あとでおこなわれるアイデア出しに活用されていました。

続いて富士通のスタッフから、AIの特徴と自動車や交通、ものづくり、マーケティングなど様々な分野での活用例を紹介。それらの具体的な活用法を知った上で、改めてテーブルいっぱいに広げられたカードから、先ほど挙げたキーワードを活用しつつ、ディスカッションを繰り広げ、AIを活用するためのアイデアを発想していきます。

AI活用は目的ではなく、手段の一つに過ぎません。最新テクノロジーでは技術ありきで議論が進むことがありますが、本来の目的を見失わないために、DTCでは、将来あるべき姿をまず明確化。そして、そこに辿り着くための手段としてAI活用のアイデアを発想させるワークショップを行っていました。

「IoTで未来を描く」

続いて、様々なIoT機器が展示されている部屋で行われたIoTワークショップへ。私たちの身の回りのあらゆるものがインターネットに接続されることで、「人の働き方が変わる」「プロセスが効率化される」「新たな商品やサービスが生まれる」など、生活や社会が大きく変化すると言われています。

その中で、IoTを活用し新しい価値を創造する、あるいは実現するためのサービスやソリューションをどのように考えればいいのでしょうか?

IoTテーマのワークショップでは、最初に富士通のユビキタスウェア「ロケーションバッジ」「バイタルセンシングバンド」を実際に身に着けて、IoT機器の体験からはじまりました。ロケーションバッジを装着すると人の位置情報がリアルタイムで収集できます。腕時計型のバイタルセンシングバンドをまくと、パルス数などが遠隔から把握できます。装着した参加者が会場内を動き回ると、スタジオの大型スクリーンに全員の位置やパルスの状況がリアルタイムに表示され、「ワークショップ中の盛り上がり」がIoTにより可視化される体験が出来ました。このような人の状態を検出する技術は、製造・保守・工事等の現場の労働災害防止などにも使われているそうです。

様々な種類のIoT機器を体験し、IoT活用の発想を広げたあと、次のワークに移ります。

IoTワークショップでは、富士通のデザインアプローチを利用し、未来のあるべき姿の具体化からスタート。デジタルウォールには、お客様との対話の中から生まれた500件以上のアイデアを基に作成したインスピレーションカードが並べられています。そこには、未来の工場、暮らし、デバイス等をイメージさせるイラストが描かれていました。

参加者は、自分の描く理想の未来を想起させる一枚のカードをタッチし、そのカードを正面の壁と一体化となったスクリーンに移動。このスクリーンには、2020年までのラインが引かれており、参加者は自分が選んだカードに描かれている未来ビジョンを、いつまでに実現したいかを考え、ラインの上に配置します。次に、「なぜそのカードを選んだのか?」「現在の実現状況は?」などについてディスカッションを行い、アイデア実現に向けたIoTの活用法を検討していました。

「未来の働き方のヒントがここに!」

最後に、近年多くの企業が注目している働き方改革をテーマにしたワークショップに潜入しました。企業にはさまざまな部門があり、それぞれの業務によって適する働き方は異なります。働き方改革を成功に導くには、各部門で働き方のビジョンを共有することが重要です。そのうえで、働き方改革の効果や新しいルール、ICTの活用方法の検討が必要になります。

ワークショップは、IoTテーマと同様にインタラクティブボードに映したインスピレーションカードを活用して、ディスカッション形式のグループワークからはじまりました。

富士通では、7000社に及ぶICT導入実績をもとに300のワークスタイル変革のアイデアにまとめ、インスピレーションカードを用意。このカードをもとに、将来ありたい働き方のイメージについて語り合い、そこに到達するための進め方などをディスカッションしていきます。

まず一人が一枚ずつカードを選び、選択した理由を述べ、オフィスの改革、モバイルの改革、在宅勤務の改革などに分類しながら議論を重ねます。議論を進めていくと「オフィスとモバイルの両方に当てはまる」「どれにも当てはまらないから、分類基準を変える」といった悩みも生まれているようで、このような疑問からさらに議論を深めることにより、求める未来の働き方を描いていました。

「富士通フォーラム」の会場と接続!遠隔地との共創ワークショップも見据えて

「IoTで未来を描く」のワークショップでは、浜松町にあるDTCのスタジオと有楽町で開催されている富士通フォーラム会場をインターネットで接続し、遠隔地でも共創空間を共有できるデモも紹介しました。

DTCのスタジオに設置したスクリーンに、富士通フォーラムの会場の様子を表示。DTCスタジオのワークショップのスクリーンに映した情報を、富士通フォーラム会場の卓上プロジェクタにも投影し同期しました。富士通フォーラムの会場でスクリーンを操作すれば、DTCのスタジオのスクリーンの情報も更新されます。富士通では、将来的に遠隔地を結んたワークショップを見据えた取り組みも進めています。

浜松町「DTCスタジオ」(左)と有楽町「富士通フォーラム展示会場」(右)を接続しワークショップを共有

<参加者の声>

当日ご参加した方々の感想を、一部ご紹介します。

"よそのワークショップは付箋紙などアナログな用具を使うものが多い。デジタル機器を駆使する、富士通らしいワークショップだった"

"用意されたカードの種類が多く、ユニークだった。それを実現するには何をすればいいのだろうと考えさせるようなカードが多く、思考の発展を促された"

"デジタルツールを使っているので、議論した内容をそのまま保存して共有できる。参加できなかった人にも説明しやすい"

"同じ会社の人間同士でも、部門や立場も違えば文化も異なる。その文化の違いを埋められる"

今回、ワークショップ参加者の殆どは、当日初めて顔を合わせた方ばかり。しかし、会場では活発な意見が飛び交い、ビジネスに新たなヒントを求める人々の活気がみなぎっていたのが印象的でした。

DTCでは、ほかにもデジタルマーケティング、VR、ものづくりなどをテーマとした、さまざまなワークショップを開いています。興味のある方はぜひお問い合わせください。