金融商品・サービスの顧客対応に変革をもたらす「AIチャットボット」

ソニー銀行様事例

人とコンピュータが短文で会話する「チャットボット」サービスを強化する動きが相次いでいます。特に、多様で複雑な商品・サービスを扱う金融機関が問い合わせ対応やセールスに活用しようというケースも出てきました。
チャットボットとは、チャット(会話)に自動応答する機能(プログラム)のこと。チャットボット自体は以前からありましたが、最新のチャットボットは機械学習をはじめとするAI (人工知能)技術を取り入れて、より自然できめ細かな会話を行えるように進化。金融機関の顧客対応に大きな変革をもたらす可能性が広がってきています。

24時間365日、顧客からの問い合わせにチャットで対応

AIチャットボットの利点は、会話という親しみやすいUX/UI (ユーザー体験/ユーザーインターフェース)によって適切な情報を利用者に提供できることにあります。さらに、過去に蓄積した顧客からの多数の質問と回答のパターンを機械学習し、新たな問い合わせに対しては、スクリプト(台本)編集エンジンで作成した回答とマッチングしたうえで返答するため、より適切な回答も可能です。

現在、対話アプリの普及によって、チャットのUX/UIに親しむ人は急速に増えています。この流れを受けて、チャットを顧客からの問い合わせ対応や商品説明のチャネルとして活用しようという機運が急速に盛り上がっています。

特に期待されている領域の1つが、金融商品・サービス分野の問い合わせ対応。本来はコールセンターが受け付けた電話や問い合わせの電子メールに対して人間が回答することが理想ですが、コスト面から24時間365日対応は難しい場合がありました。これに対してAIチャットボットを使えば、24時間365日、顧客の質問の意図をくみ取った対応がある程度自動化でき、顧客満足度を上げられます。こうしたことからAIチャットボットに関心を示す金融機関が国内外で増えています。

顧客の質問にAIチャットボットが回答

こうした市場動向を踏まえ、富士通はAIチャットボットサービス「FUJITSU 金融ソリューションFinplex Robot Agent Platform(FRAP)」を2017年から提供します。これは富士通の「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」の技術を活用したもので、既にソニー銀行様で実証実験が始まっています。

金融機関が自社のWebサイトにFRAPを導入すれば、一般消費者とチャット形式でやり取りしながら、目的に合った金融商品・サービスを24時間365日紹介することができ、問い合わせに対する顧客の心理的障壁を下げることもできます。

FRAPのメッセンジャー画面イメージ

月額課金のクラウドサービスとして提供

富士通はFRAP を「FUJITSUDigital Business Platform MetaArc(メタアーク)」上で動く月額課金のSaaSソリューションとして提供します。FRAPはパソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからも使える独自のチャットインターフェースを備えています。加えて「APIゲートウェイ」機能により既存のチャットサービスや顧客Webサイトとも連携可能です。

機能面の最大の特長は、「類義語編集機能」と「スクリプト編集機能」をお客様自身が利用できることです。類義語編集機能とは、既存のFAQやコールセンターの応対マニュアル、業務マニュアルなどのデータをAIが機械学習して、類義語を自動的に発見する機能のこと。一方のスクリプト編集機能とは、顧客とのやり取りの台本(スクリプト)を作成・編集する機能です。どちらの機能も分かりやすいグラフィカルな管理画面を採用しているため、ICTに精通していない業務担当者でも手軽に使えます。スクリプト編集機能を例に取ると、吹き出しアイコンや選択肢のアイコンなどをつなげていくことで会話の流れが定義できます。

金融機関向けに開発したFRAPですが、応用範囲は広く、2016年10月の発表以降、FRAPには様々な業種の企業から引き合いがありました。電話、電子メールに続く第3のコミュニケーション手段としての地位を確立したチャット。AI技術によって、より適切な会話を可能にしたFRAPを導入し、24時間365日、高品質なチャットボットサービスを低コストで提供すれば、顧客満足度の向上と競争力強化の両立が期待できます。