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次世代エンジニアよ、"ものづくり力"を磨け!「ものづくりメカトロ道場 in TechShop」

【未来を創るチカラ Vol.4 前編】

若手にとって、ものづくりの現場は"ブラックボックス"になりつつある──。

そんな現状に危機感を募らせた富士通アドバンストエンジニアリング(以下FAE)のエンジニアたちが、若手の"ものづくり力"を一から鍛え上げるべく、あるプロジェクトを立ち上げました。
その名も「ものづくりメカトロ道場」。
舞台となるのは、誰もが自由にアイデアをカタチにできる会員制オープンアクセス型DIY工房「TechShop Tokyo」(以下TechShop)です。いったい、どのような取り組みなのでしょうか?プロジェクトメンバーを代表して友松、吉原、若杉に話を聞きました。

外注工場に行ってもお客様扱いで、職人さんと対等に話ができない。

ものづくりメカトロ道場プロジェクトについて語る友松信行(左)、吉原理人(中央)、若杉諒介(右)

――「ものづくりメカトロ道場」を始めたきっかけについて教えてください。

友松 私たちの所属する部門は、生産・物流現場を中心としたシステム開発部門で、その中で私のグループはいわゆる"メカ系"の設計開発を担っています。と言っても、当社は工場を持たない、いわゆる"ファブレス"ですから、仕様に応じた最適な工場を選択したり、最新鋭の製造設備を利用したりと、ものづくりに柔軟性を持っているのが特徴です。私の世代では、そのような工場との壁も低い時代で、工場の職人さんに呼び出されては「自分で削ってみろ!」「こんな図面じゃ作れないよ!」なんて叱られたり、加工方法に応じた設計案を教えてもらったりしながら育ったものです。しかし、昨今は、安全やセキュリティ、企業秘密などの観点から実際の加工現場に立ち入れず、自分たちが設計した部品がどのような機械やプロセスで作られているのか見ることができなくなってきました。今の若手社員は、外注工場に行ってもお客様扱いで、応接室で部品が完成するのを待っているといった状況になってしまうんです。

吉原 私たちにとってものづくりの現場は、"ブラックボックス"になりつつあるというのが現状です。発注処理をしたら、あとは出来上がったものをチェックするだけ。ものづくりの知識も経験もないから、職人さんと一緒になって考えるということができないんです。これはどうにかしなければとずっと思っていました。

友松 そこで、若手のものづくり力を鍛えるいい方法はないだろうかと議論するなかで、TechShopを活用してみてはというアイデアが出たんです。

ずらりと並んだ工作機械、開放的な空間にワクワクした!

富士通が手がける、会員制オープンアクセス型DIY工房「TechShop Tokyo」

――TechShopは以前この連載で紹介した、音を髪で感じるデバイス「Ontenna」の主な開発舞台にもなっていました。あのデバイスの基盤設計を担当したのがFAEのエンジニアだと伺っていますが、みなさんは、TechShopとの繋がりはあったのでしょうか?

友松 いいえ。我々は今回のプロジェクトを機に初めて見学したんです。私としては工場で見慣れた機械ばかりだったので、特に目新しさも感動もありませんでしたが、若手の反応は全く違いました。「友松さん、すごいですね!」って、吉原も若杉も目を輝かせていたんですよ。

吉原 ワンフロアに50種類もの工作機械がある場所なんて初めてだったので驚きました。スタッフの方にそれぞれの機械の説明を聞いているうちに、自分でも何か作ってみたいという気持ちが湧いてきました。「ここで、ものづくり力を鍛え上げるぞ!」という気合を込めて、プロジェクト名を「ものづくりメカトロ道場」と名付けたんです。

若杉 雰囲気もすごくいいですよね。こういう開放的な場所にいるだけで、クリエイティブな頭になるというか、オフィスに閉じこもっている時とは頭の回り方が違って、いいアイデアが浮かんできそうな予感がしました。

エンジニアとは何か。その答えを手探りで見つけてほしい。

「ものづくりメカトロ道場」プロジェクトメンバー。

――プロジェクトメンバーは、どのように構成されていますか?

友松 指導にあたるテクニカルアドバイザー、いわゆるベテラン社員が2名、若手が5名です。若手育成と言っても、マンツーマンで手取り足取り指導するというものではありません。先輩に教えられたスキルをそのまま受け継ぐのではなく、自ら手を動かし、頭を使いながらものづくりをやっていくなかでスキルをどんどんブラッシュアップし、それと同時にエンジニアとはどうあるべきかという答えを探ってほしい。それが「ものづくりメカトロ道場」の大きなテーマなんです。

試行錯誤したぶんだけ、製品に対する愛着が湧く。

自律走行型ロボット「ロボ研」。上部のドーム内に設置されたカメラで、物流倉庫内のデータを収集する。

――そして、プロジェクト第一弾として手がけたのが、この自律走行型ロボット「ロボ研」ですね。

吉原 これは、物流現場や小売りの店舗などで様々なデータを収集するためのロボットです。当社では今後、ロボット作りに力を入れていきたいと考えているのですが、それをプロモーションするためのコンセプトムービーが必要だという話があって、「じゃあ、ムービーに登場させるロボットのモックアップをこのメカトロ道場で作ろう」ということになりました。

若杉 自分たちでデザインから考えました。メンバー間で「こんなのがあったらいいよね」とか「物流倉庫で動くなら、こんな格好がいいんじゃないか」とか、いろいろと議論をして、最終的に多数決で決めました。ロボットをデザインすること自体が初めてだったので、すごく楽しかったですね。

「ロボ研」の初期デザイン案。メンバーの自由なアイデアが見て取れる。

吉原 やっぱり自分たちで一から考えて、それをどうやったら実現できるかと試行錯誤して実際に形になったものには、愛着がわきますね。デモで動かすときなど、「頼むから順調に動いてくれ!」「よく頑張ったな。おつかれさま!」なんて、つい声をかけてしまいます(笑)。

友松 そう、愛着こそがものづくりの喜びであって、原点なんです。まずそこに気付いてもらったことは非常によかったなと思っています。

デザインはある、機械もある。でも、作り方がわからない!

ロボ研のパーツの一部。外側から見ると白い樹脂にしか見えないが、裏側から見ると木製パーツを重ねて使いコストも意識して作られている。

――ロボットのモックアップ製作においては、どのような課題がありましたか?

吉原 「デザインはできたし、TechShopにはたくさんの本格的な工作機械もある、さあ、作るぞ!」となったんですが、ここで大きな問題が発生したんです。友松を含めて誰一人、モックアップの作り方がわからなかったんですよ(苦笑)。そこで、まずは外注工場の職人さんの元へ行き、基本の作り方を教えてもらうところから始めました。それを元にTechShopにある「ShopBot」という機械を使って木製パーツを何十個と作り、ハンマーで一つ一つ叩いて組み上げていって、この形になったんです。

「ShopBot」という木材加工用の機械を使って木製パーツを切り出していく友松と吉原。

友松 私はずっと現場を見てきたし、職人さんがやっていることを真似してやればいいんだと思ってたんですけど、いざ機械を目の前にすると何から始めていいかわからず、途方にくれました。例えば、板一枚を機械にセットするにしても、ただ置けばいいというものではなくて、機械を動かすにはいろんな手順があることをここで初めて知ったんです。偉そうなことを言っていた自分を猛烈に反省し、若手と一緒になって一からものづくり力を鍛えなければと気持ちを切り替えました。

若杉 TechShopには、それぞれの機械を使う前に必ず受けなければいけないSBU(Safety and Basic Use)という数時間の講習があるんです。みっちり基本を学んで、自分たちでトライして、それこそ失敗もしながら、機械の使い方を一つ一つ身につけていきました。時間もかかるし、失敗するとお金ももったいないので、まずは3分の1スケールのミニチュア版を作って検証しようとか、そういうアイデアが自然と出るようになっていきましたね。

続きは、インタビュー後編へ。「ものづくりメカトロ道場」を通じて学んだことや今後の展望、イノベーションを起こすためのヒントについて語ります。

株式会社富士通アドバンストエンジニアリング
デジタルエンジニアリング本部 先進技術センター
テクニカルアドバイザー
友松 信行
1958年 群馬県生まれ。1979年国立群馬工業高専機械工学科卒業。
同校では熱力学を専攻し、溶接・機械加工技術を修得。同年、富士通(株)入社。
富士ファコム制御(株)(現FAE)に出向後、技術本部にて生産管理端末・航空機端末・車載端末など特殊環境設置端末の企画、機構設計を長年にわたり担務。
その後、同社エンジニアリング本部システムインテグレーション部長を経て、現在は、先進技術センターテクニカルアドバイザーとして次世代の若手エンジニア育成に取組む。

株式会社富士通アドバンストエンジニアリング
デジタルエンジニアリング本部 先進技術センター
イノベーション推進室
吉原 理人
1988年 茨城県生まれ。2012年芝浦工業大学工学部電気工学科卒業。同年、FAE入社。
ハードエンジニアとして民需、公共分野の多岐にわたるシステムインテグレーションビジネスを担当したのち、組込み技術を適用した特殊カメラや特定業務向けドローンなどのハードウェア開発を行う。
現在は、同社イノベーション推進室にて産業・流通現場向けロボットの企画・開発に取組む。

株式会社富士通アドバンストエンジニアリング
デジタルエンジニアリング本部 先進技術センター
イノベーション推進室
若杉 諒介
1988年 神奈川県生まれ。2013年日本大学大学院生産工学研究科数理情報工学修士課程修了。同年、FAE入社。
ハードエンジニアとして大学向け授業支援システムやセンサーテクノロジーを活用した農業向け監視システムなどを担当。
現在は、同社イノベーション推進室にてAI・画像認識テクノロジーを活用した新規ビジネスの企画・開発に取組む。

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