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"体操ニッポン"から、スポーツの世界を変える。3Dセンシング技術を用いた体操競技採点支援

【未来を創るチカラvol.3 後編】

スポーツは現場が最前線!選手のひたむきさが、研究者の心に火をつける。

インタビュー前編からの続き)
複雑な体操競技の採点を正確でもっと分かりやすくするというミッションを果たすべく、開発が進められている「3Dセンシング」プロジェクト。富士通グループだけでも総勢40名以上が開発に携わっている一大プロジェクトです。開発の責任者を務める佐々木は、時間の許す限り選手たちが練習している体操競技場に足を運び、「現場に行かなければ得られない発見」を何よりも大切にしています。

3Dセンシングプロジェクトの開発チームメンバー。多様な人材が集まっている。

「スポーツは現場が最前線。研究所に閉じこもってばかりでは、分からないことがたくさんあるんです。例えば、体操選手が演技前に必ずつける滑り止めの白い粉があるんですが、初めて3Dレーザーセンサーを体操競技場に持ち込んだ時、正常に動作しなかったんです。原因を調べてみると、装置の内部にその粉が入り込んでいたんです。もともと屋外での使用も想定して細かなチリや砂埃にも耐えうる設計にしていたのですが、滑り止めの粉が動作に影響を及ぼすとは想定もしていませんでした。こういう気づきが"現場"にはたくさんあって、それが技術のブラッシュアップに繋がっていくんです。また、選手たちのひたむきに体操競技と向き合う姿を間近に見ることで、このプロジェクトを必ず成功させるんだという想いも一層強くなります」(佐々木)
選手とともにスポーツの現場で汗をかき、粉まみれになりながら開発に取り組む佐々木たち。その姿を見て、当初は「最も採点が難しいと言われる体操競技に挑戦するなんて無謀だ」とプロジェクトに反対していた人たちも、徐々に応援してくれるようになり、仲間が日に日に増えていったと言います。

観る人のためにも、選手のためにも、この技術を役立てたい。

3Dセンシングの映像イメージ。リアルタイム採点によって、体操競技がぐっと分かりやすくなる。

体操競技を"支える人"(審判員)の負担軽減を目指して開発が始まった3Dセンシングプロジェクトですが、体操競技を"観る人"(観戦者・ファン)、体操競技を "する人"(選手)にとっても様々なメリットが生まれると企画・推進の責任者である藤原は言います。
「体操競技って、すごいことをやっているんだけど難しくてよく分からないというイメージがあると思うんです。でも、画面上でリアルタイムに難易度や点数が表示されたら、ぐっと分かりやすく、面白くなる。体操競技は小数点以下第3位までのわずかな点差でメダル獲得が左右されるスポーツ。だから選手たちは難易度の高い技に果敢にチャレンジするんです。そうした体操競技のエキサイティングな魅力はリアルタイムに採点するからこそ伝えられると思っています。また選手にとっても、従来の映像を使ったトレーニングに、3Dセンサーで蓄積したデータも加えた、新たなトレーニング方法も生み出されていくと考えています」(藤原)

伝統芸能や職人技までセンシングできる時代がやってくる!?

3Dセンシングの今後の展望について語り合う、佐々木(左)と藤原(右)。

体操競技の未来を変えうる可能性を秘めた3Dセンシング。将来的には、様々なスポーツや他の分野への応用も見込まれています。
「オリンピック種目では、フィギュア、飛び込み、トランポリン、ハーフパイプなどの採点競技にこの技術を活用できるのではないかと考えています。また馬術で、馬の脚の動きをセンシングできたら面白いですよね。そして、ゆくゆくはスポーツの枠を超えて、歌舞伎やダンス、ものづくりなど、あらゆる"人の動き"をセンシングしていきたいと考えています。例えば、熟練職人の手の動きをセンシングしてクラウド上に保存すれば、世界中の誰もがそれをEラーニングによって身につけられるようになるかもしれない。今までは"見よう見まね"だった様々な感覚を数値化して世界中の人と共有することで、新たな才能が生まれたり、逆に廃れつつある伝統や文化を継承できるようになったりする。そんな未来も夢ではないんです」(佐々木)

"技術と仲間の両輪"があってはじめてイノベーションは成功する。

プロジェクトの実現に向けて様々な困難をともに乗り越えてきた佐々木(左)と藤原(右)。二人の絆は深い。

「富士通の技術で、スポーツの世界を変える!」という意気込みで3Dセンシングの開発に挑んだ佐々木と藤原。世界初となるイノベーションを実現することができた要因はどこにあると考えているのでしょうか?
「イノベーションのタネというのは、日常の中にこそ隠されているはずです。趣味のゴルフから3Dセンシングの元となるアイデアを思いついたように、常日頃から問題意識を持っておくと、小さな疑問や課題が積み重なって、イノベーションに繋がることがあると思います。そして、アイデアをカタチにするためには情熱を持ち続けて、どんなことがあってもくじけず、前へ前へと進んでいくこと。我々にとって体操競技は未知の分野でしたし、課題もたくさんありましたが、ここまで来れたのは開発チームメンバーの情熱があったからだと思います」(佐々木)

「いくら素晴らしい技術やアイデアがあっても、そこに行動力が伴わなければ意味がありません。失敗を恐れずに、とにかくアクションを起こすこと。動きながら考えるくらいのスピード感が大事だと思っています。私も今回のプロジェクトでは、あらゆる場所に出かけていき、様々な人たちに3Dセンシングをプレゼンテーションして回りました。技術を開発するのが佐々木の仕事なら、私の仕事は世の中を巻き込み、応援してくれる仲間を増やしていくこと。仲間を増やすには難しい技術をいかに分かりやすく、魅力的に伝えるかが重要なので、そこに関しては自分なりのプライドとこだわりを持って取り組んでいます。技術と仲間の両輪があってはじめてイノベーションは成功するのだと思います」(藤原)

"技術と仲間の両輪"で、様々な困難を乗り越えながら力強く前進していく3Dセンシングプロジェクト。今後、"体操ニッポン"を舞台に、彼らがスポーツの世界を変え、大きな感動を呼び起こしてくれるに違いありません。

株式会社富士通研究所 応用研究センター
ライフイノベーション研究所所長
佐々木和雄
1969年 島根県生まれ。学生時代は、体育会少林寺拳法部で副将。
1994年 富士通研究所へ入社後は、IoTのプラットフォーム研究に従事し、現在のエッジコンピューティングの走りとなる分散処理技術の研究成果を世の中に先駆けて発表。
現在は、IoTの適用先の一つとしてスポーツ分野に着目、人の動きをデータ化することで、選手(プレイヤー)の上達を早められないか取組中。

富士通株式会社
東京オリンピック・パラリンピック推進本部 企画・推進統括部統括部長
藤原英則
1970年 大阪府生まれ。前職は金融マン、富士通に転社後、大手SIerの営業。
2015年 東京オリンピック・パラリンピック推進本部でスポーツビジネスの企画、推進の統括部長として、Bリーグ、バスケ協会とのICTパートナー契約や体操協会との共同研究など、新ビジネスの企画の立上げを行う。
現在は、世界初の3Dセンシングによる体操プロジェクトの責任者。またスポーツ庁の委員も務めスポーツ行政にも関わりながらスポーツの産業化、国民のスポーツ振興・健康促進にも尽力する。

撮影協力:日本体育大学 体操競技部

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