このページの本文へ移動

富士通

サイト内検索
サイト内検索 閉じる

100倍以上の発生効率を実現する人工光合成における技術とは

今注目されている「人工光合成」とは

植物は太陽の光を浴びて二酸化炭素(CO2)と水から、酸素と自分の栄養を生み出しています。これは「光合成」と言われています。

この光合成の仕組みが人工的に再現され、実用化できれば、石油などの化石燃料に頼らず貯蓄可能なクリーンエネルギーの創出が可能となり、エネルギー問題や環境問題などの解決に貢献できます。そのため、人工光合成は注目を浴びているのです。

人工光合成の研究は、植物の光合成に準えて行われています。光合成は大きく「明反応」と「暗反応」という二つのプロセスに分けることができます。明反応は、太陽光のエネルギーを受け、水を分解して酸素を出す部分です。人工光合成の明反応では、太陽光のエネルギーを用いて電極上の光励起材料(注1)から電子を取り出し、同時に溶液中の水を酸化し酸素を発生させています。

人工光合成技術

(注1)光のエネルギーを吸収した時に、内部でよりエネルギーの高い状態になり、電気が流れる(電子が移動する)材料のこと。人工光合成においてはGaN-xZnO系などの多くの酸化物・窒化物セラミックスが研究されている。

電子セラミックス技術を改良

開発材料の太陽光の反射率

富士通研究所では、電子セラミックス薄膜形成プロセスを改良し、電極部分に光励起材料を形成させる新しい技術を開発しました。光励起材料をそのまま用いる場合と比べて、光電流と酸素の発生効率を100倍以上まで向上させることができます。

セラミックナノ粒子からなるガス気流を基板に吹きつけ、粒子状態を維持した構造(ナノ粒子構造)の膜を形成する技術がNPD(ナノパーティクルデポジション)です。この技術は膜内部の結晶構造の制御が可能なため、より太陽光エネルギー吸収波長が広い組成を検討することができます。

今までの明反応に用いられていた電極では、太陽光(可視光波長)の中では狭い範囲の波長しか利用できませんでしたが、NPD薄膜による電極は、吸収波長を最大490nmから630nmへ広げることができ、利用可能な光の量を2倍以上に向上させることができました。また、薄膜の表面構造を解析したところ、水と反応するための表面積が大きく、結晶中の電子密度の高い結晶面が膜表面に規則的に形成されていることが分かり、材料と水との反応表面積を50倍以上に拡大することに成功しました。これにより、合わせて100倍以上の向上を確認できました。

人工光合成の明反応電極部の材料構造[電子密度の高い結晶面が規則正しく並んだ膜表面付近の様子](東京大学幾原研究室 観察)

さらなる改良を進め、環境問題の解決に貢献

人工光合成技術により、天然資源(水とCO2と太陽光)だけでメタノール、メタンなどの貯蔵可能な燃料が生成可能となれば、家庭に人工光合成ユニットを設置することでエネルギーの自給自足化が実現できます。さらに、工場・自動車などが廃出する大量のCO2を回収し、エネルギー燃料の原材料として用いることより、貯蔵可能なクリーンエネルギーの生成だけでなく、地球温暖化の問題解決にも大いに寄与していけるのです。

今後、光励起材料とプロセス技術のさらなる改良を進め、明反応の電極の特性向上を図るとともに、暗反応部(二酸化炭素還元反応)から全体システムの技術開発についても取り組み、人工光合成技術の実用化を目指します。

富士通研究所では、再生可能エネルギーによる持続可能社会の実現に対して貢献していくとともに、引き続き、エネルギーや環境に関する基盤技術を開発していきます。

FUJITSU JOURNAL - に関するお問い合わせ

特集

Fujitsu Asia Conference 2016
富士通フォーラム2016
セキュリティ
進むAIの実用化
IoT・ビッグデータ
環境問題の解決にICTで挑む

人気ランキング

1 サーバを丸ごと液浸して消費電力を30%削減! 斬新な冷却技術でデータセンターに革命を
2 「ムーアの法則」はもはや限界! 「組合せ最適化問題」を解決する新アーキテクチャーを開発
3 動画で見る「富士通フォーラム2017」イベントレポート
4 トップランナーが語る「ブロックチェーン革命」の本質
5 これからのAIが変える日々の暮らし、産業・社会を考える

おすすめ

これからのAIが変える日々の暮らし、産業・社会を考える
AIを活用したデジタルマーケティングでフェリー集客を強化 ~商船三井グループ様事例~
ヤマハと富士通のデザインアプローチによる IoTビジネスの共創
動画で見る「富士通フォーラム2017」イベントレポート

google+もチェック

富士通 Biz News ビジネスに役立つ情報をメールマガジンでお届けします

FUJITSU JOURNAL - に関するお問い合わせ

FUJITSU アプリ

Google+

アンケートにご協力ください

FUJITSU JOURNALをご覧いただき、ありがとうございます。読者のみなさまの貴重なご意見を今後のWEBサイト改善に役立てたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いいたします。

アンケートに答える»

アンケートにご協力ください

FUJITSU JOURNALをご覧いただき、ありがとうございます。読者のみなさまの貴重なご意見を今後のWEBサイト改善に役立てたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いいたします。

アンケートに答える»

ページの先頭へ