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AIで精神病患者の命を救う!実証実験で医師の診断時間半減に成功

サン・カルロス医療研究所様

医師の迅速な意思決定が求められる精神疾患治療

新薬の開発や新たな治療法の発見など、医療分野への人工知能(AI)適用に向けた取り組みがいたる所で始まっています。そんな中、精神病患者を自殺や他の健康リスクから守るため、AIを活用した実証実験がスペインで行われました。

精神病は早期に適切な対処や治療を行わないと、慢性疾患や死にいたる場合もあり、医師には患者の健康リスクを正しく理解した上での適切な診療と迅速な意思決定が求められます。そのためには単に診察履歴だけではなく、様々な情報から患者の症状を考慮する必要がありますが、これまでは、異なるフォーマットで記載された様々な紙ベースの資料を医師が調べる必要があり、診断のために必要な患者の記録を選別するだけで何時間もかかってしまうという課題がありました。

患者データとオープンデータをAIが分析。僅か数秒で患者の健康リスクを提示

サン・カルロス医療研究所での「Advanced Clinical Research Information System」活用

そこで、マドリッドのサン・カルロス医療研究所、欧州富士通研究所(Fujitsu Laboratories of Europe)、富士通スペインの3者は、精神病患者の診断時の医師の迅速な意思決定を支援するため、人工知能(AI)を活用した6ヶ月以上にわたる実証実験を行いました。この実証で開発したシステムが「Advanced Clinical Research Information System」です。

当システムは、プライバシー保護のために完全に匿名化された3万6,000名以上の患者の過去の医療データと、100万以上もの医療関連の学術論文などの膨大なオープンデータを取り込んで集約・統合したデータベースを、AIエンジンが解析することで、想定される患者の健康リスクを結果として表示します。

患者情報を、意味構造を持つデータモデルに変換するためにグラフ構造化する「セマンティックモデル化技術」や、グラフ構造で表現された患者データを解析する「グラフデータ解析技術」により、データの入力から僅か数秒以内に、自殺・アルコール依存・薬物依存などの患者の潜在的なリスクを医師に提示することができます。

「Advanced Clinical Research Information System」画面イメージ。画面左に患者情報を入力すると、5秒以内に想定される患者の健康リスクを確認することができる。

患者一人あたりの診断時間半減に成功!より高精度な健康リスクの発見が可能に

今回の実証の効果を示すため、精神病の専門医として20年近い実績を持つサン・カルロス医療研究所のベテラン医師5名に評価いただいた所、85%以上もの精度で自殺・アルコール依存・薬物依存などのリスク算出に成功しました。

さらに、これまで紙ベースで行っていた患者の診断記録や様々な情報の確認をシステム化することで、患者一人あたりにかかる診断時間を半減することできました。これにより、医師は患者の問診により多くの時間をかけることが可能となり、従来よりも高精度に患者の潜在的なリスクを発見することが可能となります。

新しい医療APIの実現を目指して

サン・カルロス医療研究所との共創により、AIが医療における意思決定プロセスをサポートすることは意義が大きいと明らかになりました。今回開発した技術は、富士通スペインのクラウドサービスまたはプライベートクラウドサービスにおいて、将来の新しい医療API(Application Programming Interface)の基盤としていく予定です。

今後も富士通は、医療APIを実現するためのさらなる技術の開発を続け、先進的な人工知能技術を最新のソリューションに適用し、社会に貢献していきます。

2016年11月16日~17日に開催された「Fujitsu Forum 2016 Munich」にも出展

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