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これからの時代が求めるワークスタイル変革、成功のポイントは?

【「知創の杜」フォーカスシリーズ】ワークスタイル変革

このシリーズは、富士通総研が発行している情報誌「知創の杜」の中から旬なテーマを取り上げ、実際のビジネスに取り組んでいるコンサルタントを交え、対談形式でお届けするシリーズです。第1回のテーマは「ワークスタイル変革」です。

(左から)森岡豊、西山聡一、平野隆、根本高広

ワークスタイル変革への取り組み状況

―「ワークスタイル変革」というと、少し前はホワイトカラーの生産性向上やグループウェアといった話が中心でしたが、今は介護や育児や地域交流も見据えた働き方が求められてきています。今現在、どのようなことを感じていますか?

西山 聡一
富士通株式会社 IoTソリューションビジネス推進統括部
シニアマネージャー

西山 日本企業のワークスタイル変革は、「モバイル活用」や「テレワーク推進」といった元々の目標から、経営やビジネスに即生かしたいといった「会社の取り組み課題」に変わりつつあります。新しいイノベーションを起こすにはICTやIoTの活用が重要になるため、情シス部門だけではなく、全社一丸となってプロジェクトに取り組む必要があると感じています。

平野 私は5年ほど前、「デザイン思考」という手法を使い始め、ワークスタイルのアプローチ手法の一つとしてプロセスに組み込みながら業務を進めてきました。現在、育児や介護のワークスタイル変革を社内実践しています。会社の課題が社会テーマになっていくと、その解決手法はお客様に対するリファレンスモデルになると思います。

根本 私はワークスタイル変革が大きな経営課題になっている背景は二つあると思っています。一つは「テクノロジーの変化」、もう一つは「人の意識の変化」です。会社目線の生産性向上と社員一人ひとりが働きやすい職場という、相反する課題の両立を各社が模索しています。

―ワークスタイル変革の進め方やアプローチで工夫されていることはありますか?

西山 ワークスタイル変革で困っているお客様のタイプは、課題が明確になっているお客様と、漠然とした問題意識があるお客様の二つに分かれます。後者の場合、「こういうビジョンを描くと働き方はこう変わる」という目標を、お客様と富士通が一緒に描いていくことが必要だと思っています。

根本 変革の効果を経営層にアピールしていくことも重要です。「ワークスタイルを変えただけで売上がすぐに何%アップ」ということは言いにくいと思いますが、富士通が実践してきたリファレンスを参考に、定量・定性の両面から効果を算出することで前に進んでいくと考えています。

西山 ビジョンをビジュアル化することによってお客様と共有認識ができ、それを利用シーンに落とし込むことで、定量的な評価につながります。こういった地に足がついたコンサルティングがお客様に納得していただけているのだと思います。

共創アプローチ実践の場「HAB-YU platform」と「Techshop」

―富士通は、課題やアイデア共創の場として「HAB-YU platform」(ハブユー)や「Techshop」(テックショップ)を提供していますね。

平野 隆
富士通株式会社 総合デザインセンター シニアマネージャー
兼 株式会社富士通総研 経済研究所 シニアマネージャー

平野 富士通が提供している共創の場「HAB-YU platform」(注1)は、自治体や企業、大学が社会イノベーションや社会課題を研究テーマや事業に生かす場です。元々デザインのプロセスにユーザーとの接点を作る必要性を感じていましたし、お客様がまだ明確でないビジョンを描くことができます。また、2016年4月には東京・六本木に「Techshop」(注2)もオープンし、新しいイノベーションエリアとして街全体とタイアップする形で盛り上げていこうとしています。

根本 「HAB-YU platform」でワークショップを体験されたお客様の満足度は非常に高いです。これまで考える機会がなかったテーマを、社内で交流がなかった人と議論できたとか、未来を感じる新しいテクノロジーを使いながら、新しい発想が得られたという声をいただいています。

(注1)これまでに培ったデザイン開発やICT利活用のサービスデザインのノウハウを活用して、ビジョン策定からその具体化までを一貫して体験・研究開発することを目的とした「HAB-YU」活動を推進する場として2014年9月に開設。
(注2)現在北米で8店舗(会員数6,000名)を展開する、米国におけるメイカームーブメントの潮流を創った会員制オープンアクセス型DIY工房。

現場の働き方を変えるためにどうICTを使っていくか

―2015年には「コト化」「サービス化」といったキーワードが各社から出てきました。その実現の部分にはICTの進化も影響していると思いますが、具体例がありましたらご紹介ください。

西山 最近のワークスタイルUX(User experience)コンサルティングサービスが進化しているお客様の例が二つあります。一つはR&Dのワークスタイルを変えたいというお客様、もう一つはIoTを使って製造業の現場の効率化を検討しようというお客様です。ワークスタイル変革を課題とするお客様がIoTを検討したり、逆にセンシングやM2Mにたどり着いたりというのが面白いです。富士通は元々「Human to Human」のコミュニケーションを支援してきましたが、今や「Human to Machine」の部分まで進んでいるのではないかと感じています。

平野 今はファッション、銀行、ドラッグストアなど全てにおいてEコマースなどテクノロジーの活用が進み、オムニチャネルや店舗のあり方そのものの観点から捉え直さなければいけない時期に来ています。そんな中、お客様の中期ビジョンで目指す形の策定とその具現化が自社だけでは難しいと感じるお客様から富士通にお声がけいただきました。外部からインキュベーターやエンジニアを入れて約60名でハッカソンを行い、そこで出た8つのアイデアの中からプロトタイプのフェーズへ進めている段階です。

根本 高広
株式会社富士通総研 テクノロジーソリューション事業部
シニアマネジングコンサルタント

根本 お客様が進めているワークスタイル変革の具体的な施策の中で圧倒的に多いのは、コミュニケーション基盤の刷新です。今までメール、テレビ会議、情報共有などは別々のツールでしたが、これからは統合されたツールをワンクリックでスムーズに操作し、その場で意思決定ができるようになります。現場の働き方を変えるためにどうICTを使っていくかという話はワークショップでもよく議論されており、例えば人工知能やビッグデータを使って社内の技術のシーズと社会のニーズをマッチングさせるといったアイデアが出ています。それをPoC(Proof of Concept:概念実証)に進めるお客様が増えており、今後楽しみです。

成功のポイントは「アイデアをいかにまとめるか」

―多数の案件に取り組まれた経験から、失敗や成功のポイントはありますか?

西山 ワークスタイル変革に取り組まれたお客様は、ここ2~3年で倍増していますが、「アイデアは出るけどまとめられない」という話をよく聞きます。いかにまとめていけるかが成否を分けるポイントだと思います。

平野 デザインという意味では、可視化する技術は職能として持っていますが、そこをもうワンステップ進めるための可視化が有効だと感じます。また、様々な部門の横通しでやれるかもポイントです。大企業の縦割りという状態から普段顔を合わせない部門とコニュニケーションが取れるという副次的なメリットもあるので、富士通のやり方がブレークスルーの1つの手段になるかと感じています。

根本 最近、働き方ワークショップを行ったお客様で、自分たちが働き方を変えられない原因は企業文化であり、新しい施策を導入しても一時的に盛り上がってすぐ形骸化してしまう、という意見がありました。企業文化の捉え方もキーポイントになります。

―成長している会社は年齢層も低く、新しいことに飛び込みやすいけれど、歴史のある会社は人員構成も決まっているので、変えるのは難しいですね。

根本 40社以上をご支援してきましたが、うまくいく会社の共通点を「VMAP」(注3)という言葉で捉えています。ある企業は創業100周年で「VMAP」をきちんと実行され、ワークスタイル変革だけでなく、ブランディングの刷新、事務所の移転といった施策を全体プロジェクトとして進めました。短期間でコニュニケーション基盤を入れ換え、ブランドイメージを変えたことで、マスメディアにも取り上げられ、会社が内側から変わっていきました。

(注3)「V」は経営創から現場まで全社で共感できるVisionを出発点にすること。「M」はMeasurementで、定量的な成果を定期的にモニタリングし、効果を社内で共有すること。「A」はツールだけでなく制度面、ファシリティ面を見直すActionを決めること。「P」は変えていこうというPassionを持ち、途中であきらめないこと。

「ワークスタイル変革」で得たものが日本企業の強さに

―今後、こんなことをやってみたいとか、こんな道具ができたらという思いがあれば、お聞かせください。

西山 コンサルティングの対象はコミュニケーション中心から現場に移っています。その中で思うのは、「お客様の業務の未来をコンサルできるようになりたい」ということです。破壊的なイノベーションを起こすためには、何かしら外からの力が必要になります。我々自身が各業種でのプロフェッショナルであり、ICTのプロであり、未来を予測しながら進んでいくことが大事なので、富士通自身が多くの業務や業種の未来における発信をしていきたいと思います。

平野 HAB-YUが今後も活動を継続することで、社会にインパクトがあるところまでリーチできればと思います。それができるとリファレンスとなりますし、都市と地域、外部の接点としてNPOや行政、政府機関の知見を取り入れ、富士通の中で機能させながらアップデートしていければと思います。

根本 ここ数年のワークスタイル変革に熱心な企業は、製造業や流通業が中心です。今後は業種を広げて支援させていただきたいです。また、ワークスタイル変革で変わったことが、日本企業の強さになり、グローバルでも存在感があり、優位に競争できるような基盤作りにつながるよう支援していきたいと思います。

[司会]
森岡 豊
株式会社富士通総研 執行役員
テクノロジーソリューション事業部長

―人を中心に考えると、業種に縛られる必要はなくなりますし、もっと現場の人が活性化できるよう、生活全体を捉えて動く仕組みをICTでサポートしてくことが大事ですね。今日はどうもありがとうございました。

知創の杜(フォーカスシリーズ)ワークスタイル変革
「これからの時代が求めるワークスタイル変革とは」

当記事の詳細をPDFでご覧いただけます。

コンサルタントやエコノミストの知見・ノウハウをご紹介する情報誌「知創の杜」 はこちら >>

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