IoT・ビッグデータを活用した中国版Industry 4.0(インダストリー4.0)とは?~INESA様ケーススタディ~

中国政府は「中国版Industry 4.0」とも呼ばれる戦略構想「中国製造2025(Made in China 2025)」を2015年から掲げており、この構想にもとづき、国有大手企業であるINESA様グループもスマートシティソリューションの提供に取り組んでいます。そして、グループ傘下で液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造を長年手がけるINESAディスプレイマテリアルズ様(以下、INESAディスプレイ様)は、富士通とともにIoTやビッグデータの活用を推し進めています。

「スマート製造プロジェクト」のモデル工場として変革に挑む

電子製造業界において50年以上の歴史を持つINESA様グループのINESAディスプレイ様は、「中国製造2025」における「スマート製造プロジェクト」のモデル工場に選ばれ、デジタル革新を進めています。そして、新しい時代に順応するため、「製造業とともに情報産業の発展を牽引し、スマートシティの構築に貢献すること」をビジネスモデルとして戦略目標に掲げ、ICTと製造業を融合させた新しい産業の創造に取り組んでいます。

(左)自動化が進んだ製造ライン、(右)自動化により人がほとんどいない工場内

数十万におよぶ膨大なデータをリアルタイムに処理・分析

INESAディスプレイ様は、従来からIoTやビッグデータの活用に取り組んでおり、設備、環境、製造プロセスなどに関する膨大な量のデータを保有しています。生み出されるデータは1時間で数十万におよび、こうしたデータをいかに効率的に収集し、問題対処や改善活動のための判断に生かせるかが大きな課題となってきました。

今回、富士通独自のインテリジェント・ネットワークの通信技術を用いて、従来の大規模ネットワークにおける低速度かつ不安定な通信を改善し、工場内の電気、水、ガスなどのエネルギー消費データの自動収集システムを低コストで構築。さらに、センサーなどのIoT基盤を介して収集した製造の進捗データをIoTプラットフォームに一元的に蓄積。蓄積したビッグデータを高度なセキュリティの下、リアルタイムで処理、分析し、製造装置の故障予兆を行うことができるビッグデータ分析プラットフォームを構築しました。

導入された新システムの全体像

工場全体の生産効率性が一目でわかるように

ビッグデータ分析プラットフォームで収集、処理された情報は、「インテリジェントダッシュボード」(FUJITSU Enterprise Application Intelligent Dashboard)にほぼリアルタイムで表示されます。これにより、製造、設備、品質、エネルギー消費など重要なKPI(評価指標)と同時に生産ラインの状況を監視することができ、工場全体の効率性が一目でわかるようになりました。

インテリジェントダッシュボード (FUJITSU Enterprise Application Intelligent Dashboard)

問題対処をスピーディーに!改善活動をタイムリーに!

INESAディスプレイ様では、これまで独自に開発したダッシュボードを活用し、データ収集の可視化に取り組んでいました。今回、インテリジェントダッシュボードをはじめとする新しいシステムの導入により、少なくとも10分以上かかっていた処理が大幅に短縮され、ほぼリアルタイムに工場全体を可視化できるようになりました。これにより、管理者は広い工場内を巡回することなく、工場内の各製造ラインの映像とインテリジェントダッシュボードの可視化画面を同時にチェックすることで、問題対処や改善活動の意思決定をタイムリーかつスピーディーに行うことができるようになり、生産効率や製品品質の向上に大きく役立っています。

今後もINESA様と富士通は戦略パートナーとして、この成功モデルを中国におけるより多くの製造業の企業に広め、「中国製造2025」の実現に向け、共に協力し、中国の製造業におけるデジタル革新に貢献していきます。

(左)INESA様が独自開発した従来のダッシュボード、(右)今回導入されたインテリジェントダッシュボードとともに映し出される各製造ラインの映像