フィンテック(Fintech)とは?急成長を続けるファイナンスとテクノロジーの融合

ここ最近、新聞やニュースで頻繁に耳にする「Fintech(フィンテック)」。フィンテックとは、「ファイナンス(Finance、金融)」と「テクノロジー(Technology、技術)」の2つの言葉を掛け合わせて作られた造語です。金融と最先端の技術が様々な形で融合して作り出す新しい金融サービス、さらにその潮流や動向を総称して「フィンテック」と呼ばれています。

世界中で急激に拡大しているフィンテック市場、そのワケは?

フィンテックが注目を浴びるようになった理由の一端には、スマートフォンユーザーが増加したことによるライフスタイルの変化が挙げられます。例えば、お金の振込や口座残高の確認など、今まで銀行の支店やATMに直接行かなければできなかったことが、金融機関が提供するインターネットサービスにより、スマートフォンやタブレット端末から、簡単にいつでも行うことができるようになりました。特に、スマートフォンに使い慣れているICTに強い若者世代や、忙しい働き盛りの世代では、このような金融サービスのさらなる効率化に大きな注目が集まっています。世界中の企業は、社会のニーズに応えようと競い合って新しい金融サービスを生み出し、フィンテック市場が急拡大しているのです。

フィンテック市場急拡大を裏付けるデータとして日本経済新聞社は、世界の投資額が2014年までは100億ドル未満でしたが、2015年に197億ドルと倍増。2016年はさらに2割増え240億ドルと過去最高を更新し、2020年には約461億ドルまで膨らむことが予想されると発表しました。

そして、ベンチャー企業からメガバンクや大手証券会社までがフィンテックに乗り出し、新たな金融サービスが次々と誕生しています。
現在の金融ソリューションを牽引する存在であるフィンテックについて、具体的な事例で詳しく見ていきましょう。

【活用事例】フィンテックが身の回りの金融サービスに変革をもたらす

活用事例① 「家計簿・資産管理アプリ」

すでに実用化されているフィンテックの具体的な事例として、まず、特に消費者の生活に密着している「家計簿・資産管理アプリ」のサービスについてご紹介します。このサービスはクレジットカードでの買い物や、携帯電話料金の支払いなど、今までノートやエクセルで家計簿をつけて管理していた毎月の家計の収支について、事前に自分の口座やカード情報を登録することで、アプリが自動的に家計簿を作成してくれるというものです。

日本において、家計簿・資産管理アプリの先駆者として挙げられる「マネーフォワード」は、2016年9月現在、約2,590社の金融機関と提携。ユーザーは、アプリ内で自動作成される自分の収支バランスのグラフをチェックすることで日々の無駄遣いを減らし、月額平均11,642円の節約ができているというデータもあります。さらにこのアプリでは、銀行に預けている定期預金や、証券会社の株や投資信託等の金融資産についても、まとめて管理することが可能です。家計簿・資産管理アプリは、フィンテックの中でも、個人とお金の関係を大きく変えたビジネスと言えるでしょう。

活用事例② 「ロボアドバイザー」

次にご紹介するフィンテック活用例は、大手証券会社やベンチャー企業がビジネスを展開している「ロボアドバイザー」です。ロボアドバイザーとは、投資家が、年齢や扶養家族の人数、年収などの項目について質問に回答すると、その人に合った最適な資産運用のポートフォリオを全自動で決定し、金融商品の売買を行うことができるサービスです。

日本では、みずほ銀行の「SMART FOLIO(スマートフォリオ)」や、2016年2月にスタートしたお金のデザインの「THEO(テオ)」などが有名ですが、その最大の魅力は手数料の安さにあります。「THEO」の場合、2016年9月現在、投資一任報酬は、3千万円以上の預かり資産に対して年率0.5%、3千万円までの預かり資産に対して年率1%となっており、ロボアドバイザーの手数料は、金融機関の営業員に比べると4分の1程度と格安です。さらに、ロボアドバイザーの操作の手軽さも人気の理由です。例えば、無料でできる「THEO」の投資プラン作成を試しに行ってみると、年齢やリスク許容度に関する9つの質問に回答するだけで、先進国株を33%、新興国株を3%、先進国国債を23%、投資適格債券を21%、ハイイールド債券を7%、新興国債券を4%、リート・不動産株を3%、コモディティを6%などという形で、自分が持つべき資産ポートフォリオを瞬時に提案してくれます。

ロボアドバイザーによって、スマートフォンに慣れ親しんでいる若者や、忙しいサラリーマンは、ポートフォリオについて証券会社や銀行の窓口に相談に行くことなく、手軽に資産運用を行うことが可能となりました。アメリカなど金融先進国と比べると、日本国民は現金での貯蓄率が高く、資産運用を積極的に行っている人は少ないですが、ロボアドバイザーを利用して簡単に資産運用を始めることができるようになれば、日本の資産運用のスタイルが大きく変わる可能性があるでしょう。

フィンテックの急成長をさらに加速させるために

取り組み① 金融機関とフィンテック企業が集う「FIFJ」を創設

フィンテックの分野においてビジネスを成功させるためのポイントは、金融とICTの両者が、消費者や企業のニーズを認識し、金融サービスのオープンイノベーションを加速化させることにあります。富士通では、金融機関との幅広いネットワークや強い信頼関係、そして高い技術力を活かして、日本のフィンテックに新しい価値を創出していく様々な取り組みを行っています。その1つが、国内の金融機関と国内外のフィンテック企業と呼ばれる先進的なICTと金融ノウハウの融合から生まれるサービスの提供を目指すベンチャー企業群が集うマッチングの場として設立した「Financial Innovation For Japan(ファイナンシャル イノベーション フォー ジャパン)」(以下、「FIFJ」)です。

FIFJでは、金融機関とフィンテック企業(2016年9月1日現在合計241社)が参加し、国内外のフィンテック企業により各種イベントが開催されています。2015年9月3日に第1回全体会議を開催、2016年10月17日には、金融庁やフィンテック協会の基調講演や、企業同士の交流会を行うFIFJ Fall Meeting 2016(第3回)が開催されました。
富士通が創設したFIFJという新しいコンソーシアムから、金融機関とフィンテック企業との提携により、革新的なフィンテックのサービスが共創されることに期待が高まっています。

取り組み② ビジネス成長を支える金融ソリューション群「Finplex」

富士通は、デジタルビジネス時代を支える新たに体系化した金融ソリューションとして、「Finplex(フィンプレックス)」を2016年3月に発表しました。今までと変わらない高い信頼性を提供する勘定系システムなどのSoR(Systems of Record)領域を支えながら、金融サービスの利用者ニーズに基づいてSoE(Systems of Engagement)領域のソリューションの提供にも注力しています。

Finplexによる取り組み事例として、例えば、API(注)などの先進技術を活用し、モバイルアプリケーションなどの新たなデジタルチャネルと既存の勘定系システムの連携を実現させる仕組みを開発しています。また、AIを活用した住宅ローン相談の利便性向上を目指し、某銀行様の住宅ローンに関する業務ノウハウを組み込んだ専門知識を持つロボットアドバイザーの検証にも取り組んでいます。

そして、ブロックチェーンと生体認証の技術を実装した地域決済サービスのプロトタイプも開発しています。この技術は、10月にアメリカ・ラスベガスで開催される「Money20/20」に出展しました。

(注)Application Programming Interface

富士通がお客様と取り組むフィンテックの数々

富士通では、南都銀行様に地方銀行で初となるスマートフォンアプリの新しいサービスを提供したり、みずほ銀行様や米国カリフォルニア州のフィンテック企業と提携したりと、フィンテックの分野において具体的な取り組みを進めています。詳細の事例については、以下のリンクをご参照下さい。

フィンテックの未来

今後も、AIやブロックチェーン、IoTといった最先端の技術を活用した金融サービスが、世界中から次々に登場してくることが予想されています。新しいフィンテックのサービスが、今まで人が手作業で行っていた業務を代替したり、人が行う業務をより正確かつ効率的に支援したりするようになる未来が間もなくやってくるでしょう。

このような大きなフィンテックという流れの中で、富士通は企業との幅広いネットワークや信頼関係、そして高度な技術力という強みを活かして、さらに革新的な価値を創り出そうと、今後も様々な取り組みを行っていく予定です。富士通は、個人の生活に密着した場面や、企業のあらゆる業務の中で、最新技術やサービスが広く根付くことを目指しています。