「Interop Tokyo 2016」富士通展示ブースレポート

「Interop Tokyo 2016」は、インターネット、クラウド、ネットワークなどのテーマのもと、ICT導入担当者が集うイベントで、年に1回行われます。2016年は6月8日~6月10日の3日間、幕張メッセにて開催されました。富士通は「デジタル革新」をキーワードに出展しましたので、ブースの様子をレポートします。

「デジタル革新」を打ち出した展示

2016年の富士通のテーマは「Human Centric Innovation - Driving Digital Transformation」。先進のデジタル・テクノロジーを活用し、より豊かで安全な社会とお客様のビジネス変革を実現する「デジタル革新」の実現が急務となっています。
富士通ブースでは、社会やビジネスの現場でどのように富士通のテクノロジーがデジタル革新に活用されているかを様々な製品、ソリューションと共に展示。また、デジタル革新を支えるデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc(メタアーク)」も紹介しました。

「デジタル革新の姿」ゾーン

富士通ブースは「デジタル革新の姿」ゾーンと「MetaArc」ゾーンの2つに分かれていました。「デジタル革新の姿」ゾーンでは、富士通のデジタル技術を取り入れた身近な製品やサービス、ソリューションを紹介しました。

審査員特別賞受賞! LED照明技術「FlowSign Light」

展示エリアで注目を集めていたのは「Best of Show Award」審査員特別賞を受賞した「FlowSign Light(フローサインライト)」です。これは、デジタル情報を組み込んだLED照明の光をモノに当てることで、情報を表示することができる技術です。お客様は、手持ちのスマートデバイスのカメラをかざすことで、おすすめレシピなどその商品に関連した情報を受け取ることができます。

「Best of Show Award」とは、「Interop Tokyo 2016」に出展した約500社の様々な製品やソリューション、サービスの中から、ICT関連の有識者による厳正な審査によって、最も優れた製品・ソリューションを表彰するものです。本AwardのIoT/M2M部門で、光にIDを埋め込んだアイデアの面白さや今後のビジネス展開に期待が寄せられ、審査員特別賞を受賞しました。

「Best of Show Award審査員特別賞」を受賞した「FlowSign Light」

LEDライトが照射された商品にスマートフォンをかざすとおすすめレシピが表示

QNET Sensor Network IoT Platform

電源の確保ができないなど、屋外の設置が厳しい環境の下で、私たちの生活や社会を支えるIoTの活用例を富士通九州ネットワークテクノロジーズ(QNET)が、最先端のセンシング技術と共に展示しました。

下水道氾濫検知システム

マンホールの裏に取り付けられたセンサー。左が発電モジュール、右がセンサーノード

都市におけるゲリラ豪雨などの大雨による被害軽減に向け、2015年7月より富士通研究所が郡山市様と実証実験しているシステムです。実証実験で使用したエネルギーハーベスト(自然環境発電)技術を使い、QNETで開発した無線通信ノードで下水道の水位情報をマンホール内部から送信し、クラウド側で水位をグラフ化して遠隔で氾濫を予兆検出します。水位計測機能を備えたセンサーをマンホールに組み込み、計測値から氾濫の兆候などを高い精度で検知します。

茶園防霜ファン故障検知システム

霜はお茶の葉の生育にダメージを与えてしまいます。特に春先の霜は新茶の大敵。従来は防霜ファンが停止していないか、夜通し人をたてて畑を監視する必要がありました。「茶園防霜ファン故障検知システム」は、畑に設置されている防霜ファンに振動センサーをつけ、クラウドにセンシングデータを収集し、回転・首ふりが停止していないかモニターで監視します。さらに集積したデータから、ファンの経年劣化を予測。大切なお茶の葉を最先端のIoTテクノロジーが守ります。

茶園防霜ファン故障検知システム概要

FUJITSU Public Sector Solution 総合防災情報システム

現在発生している警報をモニターで地域ごとに視覚的に表示

これまで大規模災害の発生時には、被災者や災害現場からの災害情報収集や、集まった災害情報のシステムへの入力、さらに情報の整理・分析に多大な時間がかかっていました。
このシステムでは、災害現場で発生している災害・被害情報等を一元的に集約し、災害対策本部へ集約された情報の様々な活用手段を提供することで、的確な意思決定や情報配信、災害現場との情報共有を支援し、住民の安全を守るものです。
活動進捗を時系列で管理し、発生している防災気象警報をモニタリングすることで、的確な避難情報の発令範囲・レベルをアドバイスします。また、クラウドでの提供により避難情報の配信等、防災・危機管理業務が継続的に行えるように支援します。

FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(ユビキタスウェア)

人や物の状態・状況・周囲の環境をセンシングし、解析・分析することでお客様がすぐに使うことができるような価値のあるデータへと変える「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(ユビキタスウェア)」の紹介です。ユビキタスウェアは、「センサーアルゴリズム(ミドルウェア)」と、お客様の既存機器・システムに組み込むことが可能な「コアモジュール」、または、ハードウェア製品をパッケージ化して提供しています。

また、関電工様と実証実験中の「バイタルセンシングバンドを活用した作業員の遠隔見守り」のデモもありました。これは、温湿度と作業員のパルス数を組み合わせた熱ストレス検知や身体負荷検知により、作業員一人ひとりに合わせた見守りを実施する実証実験です。

さらに、ロケーションバッジによる高精度リアルタイム測位デモ、転倒検知デモも行われており、ユビキタスウェアがお客様のビジネスでどのように活用できるのかが、イメージしやすい展示となっていました。

ユビキタスウェア製品

作業員の遠隔見守り

他にも、富士通が考えるデジタル革新の姿として、「IoT活用よる工場全体の最適化」や、メディエーターロボット「ロボピン」、人工知能を活用した業務指向の自然文対話技術、Virtual Realityディスプレイ「zSpace(ジースペース)」など、デジタル革新を支える技術やソリューションを紹介していました。

MetaArcゾーン

「デジタル革新」を実現するデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」を構成するセキュリティや製品、先進のICT技術を紹介しました。

サイバー攻撃検知と遮断連携による自動制御

iNetSec Intra WallとIPCOMを連携して標的型サイバー攻撃を防ぐ

未知のマルウェアを使用した標的型サイバー攻撃が依然として猛威をふるっています。この標的型サイバー攻撃の検知製品である「iNetSec Intra Wall」と対策製品の「IPCOM」を連携させ、簡単で早いセキュリティ対策ソリューションを紹介しました。この2種類の製品による内部出口対策により、マルウェアによる情報漏えいを防ぐことが可能になります。

iNetSec Intra Wallがネットワーク内の通信を監視し、標的型サイバー攻撃によるマルウェア活動の振る舞いをリアルタイムに検知します。その結果、マルウェアに感染した端末をネットワークから自動的に遮断し、検知した脅威をIPCOMに通知します。IPCOMは通知された情報を元にC&Cサーバ(注1)への通信を自動遮断します。iNetSec Intra Wallを設置していないネットワークからC&Cへの通信も同様にIPCOMが遮断します。

(注1)マルウェアに感染してボットと化したコンピュータ群(ボットネット)に指令(command)を送り、制御(control)の中心となるサーバのこと。

次世代グローバル光伝送システム「FUJITSU Network 1FINITY」シリーズ

1FINITY seriesとVirtuora seriesの展示

従来、光伝送システム市場では、ネットワークインフラの効率的な整備や運用を図るため、光伝送ネットワークに関連した各機能を1台に集約するオールインワン化が進められてきました。しかし近年、ネットワークサービスの急速な変化に対応するため、機能ごとに分割され、個別に迅速な機能追加や性能改善を図ることが可能なディスアグリゲーション構成(注2)を採用した光伝送システムへのニーズが高くなりました。ブースでは、このディスアグリゲーションを実現する「1FINITY(ワンフィニティ)」シリーズを紹介しました。
また、広域ネットワークを活用するサービスに対し、最適な通信環境となる仮想ネットワークをオンデマンドで提供するソフトウェア製品「Virtuoraシリーズ」も合わせて展示しました。

「MetaArcゾーン」では、他にも、デジタル革新を支えるクラウド基盤「FUJITSU Cloud Service K5」や、「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」、機械学習を用いたビッグデータからの予兆監視ソリューションを紹介しました。

(注2)機能ごとに機器を分割した構成にすることで、初期投資を抑えながら迅速なネットワーク環境の構築を可能にする手法。

まとめ

ブースは、「Best of Show Award」の審査員特別賞を受賞した「FlowSign Light」を初めとする富士通の最新テクノロジーに高い関心を示すお客様で賑わいを見せていました。
私たちの社会や生活、ビジネスを支える最先端の技術やテクノロジーを身近に体感できたイベントでした。