このページの本文へ移動

富士通

サイト内検索
サイト内検索 閉じる

日本が目指す次世代ものづくり~最新動向と社内実践~

【富士通フォーラム2016 イベントレポート】

5月19日~20日に東京国際フォーラムで開催した「富士通フォーラム2016」。19日のカンファレンス「日本が目指す次世代ものづくり~最新動向と社内実践~」では、経済産業省 製造産業局 ものづくり政策審議室長補佐の川森敬太氏をお招きし「IoT社会における製造業と国の政策の方向性」についてお話しいただくとともに、富士通 テクノロジ&ものづくり本部長の三好清司、島根富士通 代表取締役社長の宇佐美隆一、富士通周辺機 取締役副社長の高橋英明からは、「富士通が実践する次世代ものづくり」について具体的な取り組みをお伝えしました。

IoTによる製造業を取り巻く環境の変化と、これからのものづくり

経済産業省 製造産業局 ものづくり政策審議室
課長補佐(総括担当)川森 敬太氏

経済産業省 製造産業局 ものづくり政策審議室長補佐の川森敬太氏からは、「IoT社会における製造業と国の政策の方向性」についての講演がありました。
川森氏はまず日本の製造業を取り巻く環境の変化について、「製造業全体のGDPは1997年の約114兆円をピークに、ここ数年は約90兆円にまで減少してきている。業種別では、特に電気機械の減少率が高い」と説明。電気機械の低迷の背景のひとつには、「ものづくりを取り巻く環境変化に日本の産業が対応できなかったこと」があるのではないかと強調し、「IoTやAIは、次なる大きな環境変化の要因になり得るので、日本の製造業もこの変化にしっかりと対応していく必要があります」と指摘しました。

製造業を取り巻く環境が大きく変化しているのは日本だけに限ったことではありません。川森氏は米国とドイツの例を挙げながら、「運用・保守などサービスのデータをものづくりに活かす米国と、ものづくりのデータをサービスに活かすドイツとベクトルは正反対ながらも、どちらもサービスに重心を置き、ユーザーが何を求めているかを大事にしながら対応してきました。日本の製造業もそうした視点を持ちつつ、得意な土俵に勝負を持ってくることで、国際競争を勝ち抜いていかなければなりません」と説明しました。

続けて、IoTを使って具体的に企業は何ができるのかという点については、「生産現場の見える化や効率化といった特定の領域に注力することも重要ですが、それ以上にそうした領域の壁を越えて様々なデータを活用することで、新たなビジネス創出を狙う企業が増えてきています。部門や企業の垣根を越えたオープンイノベーションをうまく活用する企業が、他産業・他企業との効果的なデータ共有を実現させ、競争力を向上させるのではないか」と話しました。
企業のIoT導入の現状については、我が国製造業約2万社へのアンケート結果から、「生産工程の見える化などの分野へのIoT適用は大企業など一部で既に進んでいますが、運用・保守の分野への適用はまだこれからです」と実態を説明しました。

こうした現状を踏まえ、経済産業省では2015年5月に「ロボット革命イニシアティブ協議会」を設置し、官民一体となりロボットやIoTによるビジネスモデル変革を考えるワーキンググループを設置したこと、中小企業のIoT導入をサポートする拠点を今後構築していくこと、さらには業種を超えたビジネス創出のマッチング支援などを行うIoT推進ラボの活動状況など、次世代ものづくりの実現と実践に向けた様々な取り組みが進んでいることを紹介しました。
また、IoT/インダストリー4.0についてドイツ経済エネルギー省と経済産業省の間で共同声明に署名したことを紹介し、今後は国際連携も進めていくと語り、講演を締めました。

ビッグデータ・IoT・ロボットを活用した富士通のものづくり社内実践

富士通が実践する次世代ものづくり

カンファレンスの後半では富士通の社内事例を紹介。始めに、富士通 テクノロジ&ものづくり本部長の三好清司より「富士通が実践する次世代ものづくり」をご紹介しました。
三好は、富士通が考える「スマートなものづくり『富士通生産方式(FJPS)』」について説明。IoTを活用してデジタル化を進めることで、「開発現場では最適な製品開発を行うことができ、生産現場では最適なSCMを実現する。これにより、適性品質に管理された効率的なものづくりが可能になります」と説明しました。

続けて、具体的なものづくりのソリューションの一つとして、三好はロボットシステムインテグレーションサービスを紹介。その特長として、富士通がこれまでに社内実践で培った技術を活かし、エキスパートが現場でロボット導入をサポートする点を挙げました。

ユビキタスクライアント製品における『ものづくり革新』

続いて島根富士通 代表取締役社長の宇佐美隆一は、「ユビキタスクライアント製品における『ものづくり革新』」と題し、実際のものづくりの現場での取り組みを紹介しました。
島根富士通では、ノートパソコンの国内一貫生産方式に取り組んでいます。その具体的な取り組みとして、宇佐美は開発連携とシミュレーション活用について「例えば、神奈川県川崎市の設計開発部門と連携し、部品ユニットの共通化、自動化の推進などで効率化を実現しています」と説明しました。
シミュレーション活用では、「Global Protocol for Manufacturing(GP4)」による製造ラインの事前検証を行っている例をご紹介しました。

GP4による作業台と設備配置のシミュレーションにより人と機械が協調して作業を行う製造ラインの事前検証ができる。

また、部品のピッキング作業では、従来は約1万枚/日の紙ベースで人が行っていた作業を、RFIDとタブレットを導入することで、現場のペーパーレスと同時にピッキングミスの撲滅や、GP4との組み合わせによる最適な作業者の動線の設計が可能になったことも具体例として挙げました。

自動機及びIoTを活用したものづくりプロセス改革~生産性2倍の実現~

カンファレンスの最後に登壇した富士通周辺機 取締役副社長の高橋英明は、「自動機及びIoTを活用したものづくりプロセス改革~生産性2倍の実現~」と題し、社内実践事例を紹介しました。富士通周辺機では、主にモバイル・パーソナル製品や自主ビジネス・ODM製品を扱っており、コンシューマ製品から基幹システム関連までMade in Japanで幅広い開発製造を行っています。高橋は同社の特長について、「メカ、エレキ、ソフトにおいて豊富な開発技術を持ち、自動化・ロボット化を積極的に実践していることが特徴の生産現場です」と語りました。

具体的な自動化の実績について、生産ラインを丸ごと自動化することで生産性が2倍に向上したこと、3D CADなどを活用した「Virtual Product / Factory」により試作開始前からの自動機ラインを構築することで、ROIを向上したことを挙げました。

更に、これらの自動化を深化させる取り組みとして、IoT活用による棚配置や入出庫の動線の最適化や、自動機にリアルタイムに蓄積されるビッグデータを活用することで、品質が不安定な海外部品の傾向を分析し、タイムリーに工程に反映していることを紹介。

自動機データのよる工程の最適化

最後に高橋は「これらの実践をもとに、コンサルティングからフィールドサポートまでお客様の自動化を支援していく」と述べ、講演を締めました。

<講演者>
  • 経済産業省 製造産業局
    ものづくり政策審議室
    課長補佐(総括担当) 川森 敬太氏

  • 富士通株式会社
    テクノロジ&ものづくり本部長 三好 清司

  • 株式会社島根富士通
    代表取締役社長 宇佐美 隆一

  • 富士通周辺機株式会社
    取締役副社長 高橋 英明

次世代のものづくり現場を体感できた展示エリア

富士通フォーラム2016展示エリア内の「ものづくり」ブースでは、本カンファレンスで紹介したソリューションをはじめ、最先端のものづくりを体感できました。

「ICTで創る、人が起点の仮想大部屋」では、冷却装置の新規開発を例に、立体視による既存商品のレビューや、センサーやプロジェクターを組み合わせて、テーブルや壁面に設計情報や検討情報を自由に表示できる「空間UI」などを体験できました。この「空間UI」は、机に表示できるデジタル付箋に手書きのコメントを記入したり、クラウドを活用した解析ソフトの映像表示などが可能で、設計デザインレビューにおける課題の共有や迅速な意志決定の促進に有効です。

専用のメガネをかけることで、あたかも製品が手元にあるかのように確認することができます。製品の大きさや部品の取り付けや取り外しなども現物のように見ることができます。

手書きの付せんメモを自由に貼り付け、それを自由に滑らせて移動できる様子が来場者の関心を集めていました。

「工場全体の最適化」では、IoT活用による工場全体を「見せる化」する「Intelligent Dashboard」や、「IoTソリューション ユビキタスウェア」を活用したセンシングにより作業員の状態、状況、場所を遠隔で把握できるダッシュボードを展示していました。

IoT活用で工場の「全体最適」を実現できるダッシュボード

IoTソリューション ユビキタスウェア

「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」では、AIを活用して工場の状況などを監視し、問題が発生したときには会話によって状況や原因を突き止め、対処するデモを行っていました。

さらに「ロボット・自動機によるものづくり革新」では、「富士通バーチャル工場見学ツアー」として、富士通アイソテック、富士通周辺機、島根富士通の工場の様子を動画で見ることができました。

富士通バーチャル工場見学ツアーの様子

ラインそのものの最適化や、組立・検査などの工程におけるロボットや自動機の活用、2つの単腕ロボットを組み合わせて双腕ロボットとして制御する様子、RFIDを活用した部品ピッキング、緩衝材を自動折込みし作成する自動機、さらには倉庫での人の動線を見える化するデモもありました。
今後も富士通は、AIやIoTなどのテクノロジーを活用し、日本のものづくりを支援していきます。

FUJITSU JOURNAL - に関するお問い合わせ

特集

Fujitsu Asia Conference 2016
富士通フォーラム2016
セキュリティ
進むAIの実用化
IoT・ビッグデータ
環境問題の解決にICTで挑む

人気ランキング

1 スマホの充電時間が従来の3分の1に! 世界最小・最高効率のACアダプターを開発
2 「ムーアの法則」はもはや限界! 「組合せ最適化問題」を解決する新アーキテクチャーを開発
3 AI(人工知能)で注目の新技術「Deep Tensor」を用いた高精度学習で、データ分析の高度化を目指す
4 IoTでゴルフが上達!? 自分とコーチとのスイング比較もデジタルで的確に
5 サーバを丸ごと液浸して消費電力を30%削減! 斬新な冷却技術でデータセンターに革命を

おすすめ

動画で見る「富士通フォーラム2017」イベントレポート
デジタル革新を最大限に活かし新たな価値を創り出す Human Centric Innovation : Digital Co-creation
【速報:後編】共創から新たな価値が次々誕生!「富士通フォーラム2017」の見どころを一挙公開
自動運転の普及で広がる巨大市場、技術を知りビジネスチャンスを手に入れる【前編】

google+もチェック

富士通 Biz News ビジネスに役立つ情報をメールマガジンでお届けします

FUJITSU JOURNAL - に関するお問い合わせ

FUJITSU アプリ

Google+

アンケートにご協力ください

FUJITSU JOURNALをご覧いただき、ありがとうございます。読者のみなさまの貴重なご意見を今後のWEBサイト改善に役立てたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いいたします。

アンケートに答える»

アンケートにご協力ください

FUJITSU JOURNALをご覧いただき、ありがとうございます。読者のみなさまの貴重なご意見を今後のWEBサイト改善に役立てたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いいたします。

アンケートに答える»

ページの先頭へ