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インテリジェントモビリティにより創出されるイノベーション~安全・快適で自由なモビリティ社会の実現~

【富士通フォーラム2016 イベントレポート】

東京・有楽町にある東京国際フォーラムで、2016年5月19日と20日の2日間にわたり開催した富士通フォーラム 2016。20日のカンファレンス「インテリジェントモビリティにより創出されるイノベーション -安全・快適で自由なモビリティ社会の実現-」では、技術ジャーナリストの鶴原吉郎氏、富士通の執行役員 菊田志向が、自動車を初めとするモビリティによって創出されるイノベーションについて解説しました。

インテリジェントモビリティによって社会にもたらされる変革

自動車業界を中心に活躍している技術ジャーナリストの鶴原氏は、モビリティのテーマに入る前に音楽業界で起きている現象を解説しました。音楽を聴くデバイスは、レコード、CD、ウォークマンと移り変わり、今では音楽をダウンロードしてスマートフォンで聴くケースが主流です。ところが、最近ではダウンロードもせずにネット上の音楽を聴くストリーミングが増えてきました。

鶴原氏は「音楽を聴くスタイルの変化は、所有から利用へという流れの象徴。これを支える仕組みは、音楽再生のハードウェア、ネットワーク、アプリケーションなどが組み合わされた多層構造で成り立っています。この現象は自動車産業にも波及します」と語りました。

そして究極の姿として挙げたのが、自動運転です。完全な自動運転を可能とする自動車には、ハンドルもブレーキもアクセルもありません。利用者は目的地を告げるだけで、自動車に連れて行ってもらえます。

「自動運転は、モビリティがサービス化された究極の姿です。自動車に乗ることは、移動というサービスを利用することになります。これが実現すれば、大きな社会的メリットがあります。まず駐車場が要らなくなります。高齢者や体の不自由な人も移動手段が得られます。トラックやバスに使えば、交通事故を減らせ、物流コストの削減にもつながります」と社会への影響を解説しました。

そして鶴原氏は未来のビジョンとして、「自動運転の車の中で、色々なサービスが提供される時代が来るかもしれません。例えば飲食店に行く時に利用すると乗車の料金が無料になる。SNSと連携して車の中の風景を友達と共有できる。他にも移動中に映画を見たり、宇宙空間を旅しているような演出を楽しめる」と示しました。

このように自動車産業は、車というハードウェアだけでなく、車を制御するソフトウェア、乗車中に利用できるサービスなど、移動に関する総合的なサービスを提供するものへと変わっていくでしょう。それには技術的な問題だけでなく、法律や保険など、様々な課題を解決する必要があります。

鶴原氏は「自動運転は、単に人の代わりに運転をしてくれること以上に、自動車産業を一変させるインパクトを持つもの」と、これからの自動車をめぐる革新についてまとめました。

今後のモビリティ分野に対して富士通が提供するサービス

続いて登壇した富士通の菊田志向は、「自動運転を含めたコネクテッドカーが爆発的に増えていく」という時代を見据えて、富士通が考えている未来について語りました。

これからの自動車はネットワークにつながることが前提となります。そこでは、走行中のデータを記録したプローブデータ(※注釈)を収集してビッグデータとして蓄積し、人工知能(AI)によって認知、分析するなどのテクノロジーが使われます。また自動走行に必要な高性能な地図、またそれを配信、管理する技術。そしてそれらを安全に運用するセキュリティも必要です。

現在富士通が注力しているのは、そのような新しいテクノロジーを総合的に包括したモビリティのプラットフォームです。菊田は「1台の自動車が学習した内容を、ネットワークを介して共有すれば、すべての自動車の車載AIが賢くなっていきます。それらの技術によって、一人ひとりのドライバーに合った、ヒューマンセントリックなモビリティの実現を目指しています」と語りました。

自動運転の技術を使えば、運送業界は大きく変えられます。一人のドライバーだけで、複数のトラックを誘導する隊列走行も可能です。富士通は、先頭車を人間が運転し、その後を追う後続車は無人で走らせるといった技術も研究しています。

菊田は「富士通は、高齢ドライバーの問題、交通事故の防止、渋滞の解消、CO2排出削減などのモビリティをめぐる課題解決に、自動車メーカーと一緒に連携をしながら、貢献したいと考えています」と締めくくりました。

※プローブデータ
自動車に搭載したセンサーから得られる、時間、位置、スピードなどの走行データのこと。

パネルディスカッション
「次世代モビリティが人と社会にもたらすもの」

最後に、次世代モビリティとして考えられている超小型EV(電気自動車)の活用をテーマに、トヨタ自動車 コネクティドカンパニー ITS企画部 Ha:mo事業企画室 室長 田村誠氏、本田技術研究所 四輪R&Dセンター 執行役員 岩田和之氏、技術ジャーナリストの鶴原吉郎氏、富士通 執行役員 菊田志向をパネリストにして、ディスカッションを開催しました。モデレータは日経BP社 日経Automotive 編集長 兼 日経テクノロジーオンライン副編集長 林達彦氏が務めました。

田村氏は、トヨタ自動車の取り組みとしてHa:mo(ハーモ)を紹介しました。Ha:moとは車や公共交通機関を組み合わせた新しい交通の仕組みです。

「過疎地、観光地、都市など、様々な地域で実証実験を始めています。超小型EVは、小型でスペース効率が高い、軽量、環境に優しい、充電設備の負担が軽いなどのメリットがあります。公共交通機関と連携を進めて、ワンウェイ(乗り捨て)の移動手段として提供したい」と語りました。

同様にMC-βという超小型EVで実証実験を進めている本田技術研究所の岩田氏は「ホンダはエネルギーを作るところから取り組んでいます。電気を作るのにCO2を排出します。しかし太陽光発電が可能な駐車場で充電することで、CO2排出を一切出さないことも可能になります。また災害時には復旧が早いのが電気。ガソリンが入手できなくても、日常生活に必要な移動は可能になります」とEVの新たなメリットを紹介しました。

富士通の菊田は「富士通は自動車を作りはしませんが、自動運転タクシーの予約や配車、自動駐車の制御や管理などの支援サービス、安全や安心のためのセキュリティなどでお手伝いしたい」と抱負を述べました。

技術ジャーナリストの鶴原氏は、「各地で実証実験が行われていますが、たまにしか使わないと、利用者カードの使い方などを忘れてしまうことも。利用者が戸惑うことがないよう使い勝手の工夫も課題です」とシェアリングサービスの注意点を挙げました。

モデレータの林氏は、「所有から利用へという変化には、超小型モビリティが合っています。自動車に関する議論は、まちづくりや環境にも広がり、これからモビリティに関して大きな動きが起こるでしょう。ユーザーを快適にする新しいサービスが次々と登場するかもしれません」と締めくくりました。

<講演者>
  • 「インテリジェントモビリティによって社会にもたらされる変革」
    オートインサイト株式会社 代表
    技術ジャーナリスト・編集者
    日経BP社 日経BP未来研究所 客員研究員 鶴原 吉郎 氏

  • 「今後のモビリティ分野に対して富士通が提供するサービス」
    富士通株式会社
    執行役員 菊田 志向

【パネルディスカッション】
「次世代モビリティが人と社会にもたらすもの」
  • トヨタ自動車株式会社 コネクティドカンパニー
    ITS企画部 Ha:mo事業企画室 室長 田村 誠 氏

  • 株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター
    執行役員
    岩田 和之 氏

  • オートインサイト株式会社 代表
    技術ジャーナリスト・編集者
    日経BP社 日経BP未来研究所 客員研究員 鶴原 吉郎 氏

  • 富士通株式会社
    執行役員 菊田 志向

[モデレータ]
  • 日経BP社
    日経Automotive 編集長 兼 日経テクノロジーオンライン副編集長
    林 達彦 氏

人とクルマに安心安全をもたらすICTを体感

展示会場では、自動運転を見越したセキュリティ管理サービスや、安全運転を支援する機能などをご紹介しました。

実車を用いたデモでは、ドライバーの運転を支援する仕組みをご紹介。ドライバーに対して、自転車の接近を伝える、脇見運転を警告する機能やドライバーの運転状況にあわせてメールの着信を通知するなどのデモを、お客様が実際に乗車し体験いただきました。

担当者がお客様と一緒に乗車し詳しく説明

「例えば、カーブを曲がっている最中にメール着信を通知されると、ハンドル操作に影響を与えるかもしれません。そこで、運転状況を判断して、妨げにならないタイミングを見計らってドライバーに通知します」(担当者)

その他のデモでは交通事故などが発生した際に、映像を記録として残すドライブレコーダーの役割についてご紹介し、「富士通テンの新しいドライブレコーダー(業務用)では、車外の映像を含む走行データを記録するだけでなく、クラウドセンターに蓄積して、各ドライバーの特性と注意点を自動解析します」と、この機能により安全運転を支援していることを説明。さらに、車両情報やメンテナンスデータを活用して、整備サービスや保険サービスなどにも役立てることができるという将来の可能性をご説明しました。

また、サイバー攻撃、周囲の状況、ドライバーの不注意など、自動車のセキュリティは多岐に渡ります。富士通は様々な要因に対応した、多種多様なソリューションを開発していることもご紹介しました。

ドライバーを見守るモビリティサービス

その他にも、スマートフォンを用いて道路の上を走行するだけで、路面の状態を調査できる「道路パトロール支援サービス」も展示し、富士通の多岐に渡るモビリティへの取り組みをご覧いただきました。

新しいモビリティ時代の到来を見据えて

自動運転のシステムは、自動車をネットワークに接続し、クラウド、あるいは自動車に搭載されたシステムやAIと連携することで、進化していきます。そういう時代の到来を見据えて、富士通は『セキュリティ』、『AI』、『ダイナミックマップDBマネジメント』に力を入れています。

セキュリティ

今後、爆発的に増えていくコネクテッドカーにおいては、セキュリティ対策がより重要になります。富士通では将来起こりうる多種多様な脅威から、このコネクテッドカーの安全を守るため、クラウド、ネットワーク、車載など全体を通じて、様々な防御機能を複数組み合わせるセキュリティサービスの提供を予定しています。

AI

自動車に搭載されたセンサーやIoTデバイスから情報を収集して分析する機能などを持つAIは、クラウドと車載とで学習し、成長していくAIとして開発を進めています。自動車からの収集される情報をビッグデータとして蓄積、高速なクラウドAIで分析した学習結果を車載AIにフィードバックします。このように高速なクラウドAIと車載AIの連携により、安全な自動運転を支援するための機能を提供する計画です。

ダイナミックマップDBマネジメント

自動運転では地図データを参照して走行しますが、そこで活用されるのはダイナミックマップと呼ばれる、道路の構造や状況、制限速度などをたえず最新情報に更新して配信する3D地図です。このダイナミックマップにおいては、常に最新の正しいデータに更新していくDBマネジメントが重要で、富士通ではこのマネジメント機能をMobility IoTプラットフォームとして提供する予定です。

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