ロボット、Fintech...スタートアップのアイデアが光る新たなビジネスの可能性

日本のスタートアップは欧米と比べて育ちにくい?

最近よく耳にする「スタートアップ」という言葉、みなさんはご存知ですか?
日本においては、いわゆる「ベンチャー企業」と同じような意味合いで使用されるケースが多いようですが、実際には、社会的価値、社会的革新、ビジネスモデルの成立の3つを満たした会社のことをさします。

そんな日本のスタートアップは、欧米、特にシリコンバレーと比較して一般的に育ちにくいと言われている現状があります。その原因に、将来の可能性にかけるリスクマネー(注1)の循環の乏しさや、大企業が過去の実績や前例を求めすぎたり、日本人が欧米人と比べて失敗を恐れて起業を躊躇する傾向にあるなどが挙げられます。2014年におけるベンチャー投資額を比較しても、アメリカが約5兆1840億円に対し、日本は1,154億円と大きく下回っているのが現状です。(注2)

しかし、日本においても、世界にも誇れるような、革新的なアイデアで新しいビジネスを生み出していくためには、スタートアップの存在は重要であり、その方法の一つに、大企業とスタートアップの協業があります。資源の豊富な大企業と、枠に捉われないスタートアップが互いに協力しあうことには、大きな可能性が秘められています。

そこで富士通は、「MetaArc(メタアーク)ベンチャーコミュニティ」を通じて、スタートアップ向けに、クラウド環境、当社・ベンチャー企業とのマッチングの場、商品の拡販・プロモーション、ファンドなど、4つの支援プログラムを提供しています。その活動の一環として、当社とスタートアップとのマッチングを目的に、富士通は2016年3月22日、富士通トラステッド・クラウド・スクエアで「富士通アクセラレータプログラム・ピッチコンテスト」を開催し、選出されたスタートアップ11社が参加しました。

(注1)
リスクマネー:市場において、ヘッジファンドや商品投資顧問業者などの資金
(注2)
出典:ジャパンベンチャーリサーチ 「2014年未公開ベンチャー企業の資金調達の状況」(2015年)
出典:NVCA「米国におけるベンチャー投資件数・投資額」
1USD=約108円(2016年4月7日換算レート)

革新的なアイデアが続出するピッチコンテスト

最優秀賞を受賞したユニロボット株式会社の 「Unibo(ユニボ)」

富士通アクセラレータプログラムは今回で2回目。本コンテストでは、書類選考で選ばれた12企業の中から、11社が出席し各社5分ずつの持ち時間でプレゼンテーションを行いました。

今回最優秀賞を受賞したのは、会場でもユニークな次世代型ソーシャルロボット「Unibo(ユニボ)」で注目を集めた、ユニロボット株式会社。世界初の個性を学習するパートナーロボットで、将来は一家に一台の導入を目指しています。今、注目されている「ディープラーニング」を活用した自然言語処理・感情認識をロボットに搭載することで、話す人によって会話の内容を変化させたり、各業界のビッグデータを活用して、日常会話からその人に合った高精度なレコメンドが行えるようになるなど、夢がふくらみます。

続いて、優秀賞を受賞したのは、株式会社スタディストとドレミングアジア株式会社の2社です。株式会社スタディストの「Teachme Biz」は、画像、動画ベースの手順書やマニュアルを、短時間で作成し、瞬時に共有できるクラウドサービス。簡単にマニュアルが作成でき、マルチデバイス対応もしているとても便利な嬉しいサービスです。

ドレミングアジア株式会社が展開する「Payming(ペイミング)」は、働く全ての人に、給料を担保にした決済サービスです。携帯で支払いから決済まで一連の処理が全て行え、新興国での雇用創出や収入増加などが見込まれるこのFintech(注3)サービスは、2030年には3.3億人(世界の労働人口の10%)の利用を目標にし、社会的にも非常に高い価値を目指しているサービスです。

富士通は、今後受賞した3社以外にも、選考で選ばれた12社のスタートアップと協業に向けた検討を進めることを決定。新しいビジネスの創出を目指していきます。

(注3)Fintech:金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、金融におけるITの活用の意。

大企業×スタートアップが生み出す新しいビジネスの可能性

株式会社ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏

今回のピッチコンテストでは、元AWSエバンジェリストから、スタートアップとして起業したことでも有名な、株式会社ソラコムの代表取締役社長玉川憲氏をお招きし、特別トークセッションも行われました。

「シリコンバレーではスタートアップはまさにスターのような存在。その一方日本ではまだまだスタートアップへの風当たりは強い。大企業の社内でもスタートアップを正当に評価し、お互いにリスクを取りながらイノベーションを起こしていくコミュニティが育って欲しい」と、玉川氏は語りました。

近年日本においても、スタートアップ企業が経済成長に重要な役割を持っているという認識は高まりつつありますが、特にスタートアップが既に経済成長に大きな役割を果たしているアメリカと比較すると、日本はまだまだ評価が低い現状があります。

富士通は、今後も、スタートアップと富士通によるお互いの強みを活かした「共創」を通じて、世界に誇れる新しいビジネスを一緒に切り開いていきます。

今回出場したユニロボット株式会社による「Unibo」は、2016年5月に開催される、「富士通フォーラム東京」でもご覧いただけます。ぜひ会場にお越し下さい。