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【第6回】進化を続ける人工知能~AIのビジネス活用の最前線に迫る~

ビッグデータの普及や機械学習などの技術革新により、さまざまな分野でAI技術の活用が進んでいます。しかし、その一方で、「AIを自社でどのように活用すべきか」「AIで何ができるのか」を改めて検討している企業も多いのではないでしょうか。そこで、富士通のAIビジネスを牽引する統合商品戦略本部 AI活用コンサルティング部の山影譲部長と、橋本文行シニアマネージャーの二人に、ビジネスでのAI活用の現状と今後について聞きました。

AIによる市場のインパクトは数兆ドル超え

―ビジネスでのAI活用とお客様の現状について教えてください。

橋本現在、「第3次AIブーム」と言われているように、「AI」や「人工知能」という言葉をニュースで見かける機会が増えているかと思います。ビジネスの観点でも、この1年でAIによる市場のインパクトは数兆ドルを超えると言われるまでになってきました。お客様については、大きく2つに分かれます。「ビジネスにAIを活用していきたいが、どう活用していいか分からない」というお客様と、「AIによって実現したい明確な目的を持っている」お客様です。

前者のお客様向けには、まずはAIができることを正確にご理解いただくための勉強会などを開催しています。その際、「AIとIoT・ビッグデータは何が違うのか」といったご質問をよくいただくのですが、私たちが考えるAIには、IoTもビッグデータも包含されています。AIは、新しいデータを入れる度に学習していくことが特長ですので、これまでのお客様のIoTやビッグデータを活用した取り組みを活かしながらも、AI技術を新たに活用することで、お客様の目指す姿をより実現しやすくなるのではないかと考えています。

後者のお客様については、業種ごとに活用の方向性は異なりますが、特に金融分野のお客様はAI活用に非常に積極的です。ICTで新しい金融サービスを創出しようという「Fintech(フィンテック)」に象徴されるように、金融業界では今、個々のお客様のニーズを満たす新しいサービスを提供することが求められています。そのために、AIを活用してお客様との密接なやり取りを行うためのインターフェースを構築するという取り組みが具体的に進められています。また、不正取引の防止や監視へのAI活用も期待されています。日々発生する膨大な取引データの監視を人間が行うのは不可能なため、AIを活用した効率的に監視できるシステムへのニーズが高まっているのです。 製造業のお客様は、ここ数年IoTを駆使して様々なデータを収集し続けてきています。それらの膨大なデータの分析に、AIを活用することで、より生産効率を高めたり、より優れた製品を開発したりといった可能性に期待されています。 流通や小売のお客様は、商品の販売期限の管理やトレーサビリティなどにAIを活用したいという傾向があります。自治体や官公庁、また医療関連分野でもAIの活用は検討されていますが、取り扱うデータの管理が厳格で、全てのデータを開示してAIで分析できるとは限りません。その制約をどうクリアしていくかが今後の課題の1つと言えます。

200名から成る「AI活用コンサルティング部」を設立

―富士通のAI「Zinrai」について教えてください。

山影富士通では2015年11月に、30年以上にわたって培ってきたAIに関する知見や技術を「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」(以下、Zinrai)として体系化し、発表しました。

「Zinrai」は、富士通がこれまで取り組んできた「知覚・認識」や、「知識化」、「判断・支援」、そしてそれらを高度化し成長させる「学習」などのAIに関する研究開発の結果である技術やノウハウを結集して体系化したものです。ITベンダーでAIに関する技術やノウハウを体系化し、公表したのは富士通が先駆けといえるでしょう。

同時に、AIを活用した業務変革やイノベーションの創出を支援するAI活用コンサルティングサービスの提供も開始しました。これは、お客様と新しい技術やアイデアを生み出す「PoC(Proof of Concept)」やお客様のビジネスを検証する「PoB(Proof of Business)」を通じて、お客様とのイノベーションの共創を目指す取り組みです。お客様の経営課題やニーズをヒアリングし、「Zinrai」の技術をもとに最適なAI活用のシナリオを立案していきます。こうしたサービスを提供するにあたり、2015年11月1日付けでAIビジネスを牽引する新組織として「AI活用コンサルティング部」を設立しました。社内の研究者、キュレータなどAI関連者(約200名)と共にAIビジネス拡大の為に活動をしています。今後、AIビジネスの成長に合わせ継続的に体制を拡大していく考えです。

お客様との"共創"で効果的なAI導入をサポート

―AIコンサルティング部の具体的な役割はどのようなものでしょうか。

橋本私たちの役割を一言で言うと、AIの市場創出を行うことです。お客様に効果的にAIをご活用いただくためには、お客様の業務の内容を正確にヒアリングし、課題を明確にしていくことが大切だと考えています。
AI活用コンサルティング部の具体的な取り組みとしては、まず、お客様の抱えている課題が、富士通が提供するAI技術で解決できるものなのかどうかを見極めます。
その課題は「AIで実現すべきことなのか。より適したソリューションはないのか」までを含めて検討していきます。
課題解決にAIの技術が不可欠だと判断した場合は、適用範囲と効果を考え、最適なAI活用のシナリオを立案します。それを踏まえて、まずは実証実験を開始していきます。
こういったプロセスを進めていくのがAIコンサルティング部の役割です。
実装の段階になるとSEの仕事になりますが、富士通はSE力の強い会社です。コンサルティング業務として提案して終わりではなく、お客様が目指す姿をシステムとして構築していけるところが富士通の強みだと考えています。

"眠っていたデータ"もAI活用で、新しい価値へ

―今後、AIをどのような分野で活用していきたいですか?

山影ビッグデータを活用した予測や判断支援、発見などにAI技術を使っていきたいと考えています。これまでは会社の中でどう活用していいのかわからず眠っていたデータも、AIを活用することで新しい価値の創出につなげていけるのではないでしょうか。

今後は、富士通の製品やサービスにZinraiを組み込んで、AIをプロダクトとしてお客様に提供する形を作っていきます。その1つが、ビッグデータソリューション「ODMA(注)予兆監視」です。これには、「Zinrai」の構成要素の一つである機械学習の技術を実装しています。
機械学習により、センサーなどから取得した大量のデータから「いつもの状態」をモデル化しておきます。リアルタイム処理でこのモデルと突合せを行うことで、「いつもと違う状態(アノマリー)」を検知するものです。
これを工場などで活用すれば、故障の予兆を高精度で検知でき、製造ラインの突発的な停止を未然に回避することもできます。
本格的な展開を2016年度には進めていきたいと考えています。

AIが実現する、より豊かな未来

―最後に、AIによって実現したい未来について考えをお聞かせください。

橋本AIの未来を考えた時、忘れてはならないことは、AIはあくまでも人間を支えるものであるということです。社会生活をより豊かにする、いわば「縁の下の力持ち」です。よく、AIによって人間の仕事が奪われるといった危惧を耳にすることがありますが、むしろAIによって新しい産業が創出され、それによって新しい仕事も次々に生まれてくるはずです。

山影そうして生み出された新しい産業、新しいサービスによって、人間がより豊かにより幸せになる、そんな未来が訪れると確信しています。

(注)Operational Data Management & Analytics

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