このページの本文へ移動

富士通

サイト内検索
サイト内検索 閉じる

【第5回】進化を続ける人工知能~社会の課題を数学的アプローチで解決するAI~

AI特集:数理技術

富士通の先進的な人工知能(AI)技術を体系化した「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」。富士通では、AIは人と共存するものでありたいと願っています。今回は、スーパーコンピュータなどを活用して社会の様々な課題を数学的な理論で解決していく「数理技術」についてご紹介します。

人々の暮らしをより豊かにするAIを支える数理技術

近年、注目されているビッグデータは、ビジネスだけでなく、ソーシャル領域と呼ばれる社会的に役立つ分野でも利活用が広がっています。具体的には、防災、教育、交通、農業をはじめ、日々の生活に身近な健康など、様々な分野でビッグデータを積極的に活用しようという動きが出ています。

膨大なデータを活用する際に大切なことは、それを利用する人々の行動や心理などへの影響も考慮しつつ、目的に合わせて最適化していくことです。富士通では、そこに数理技術に基づくAI技術が貢献できると考えています。

数理技術とは、ビジネスやソーシャル領域の問題に対して、データ解析を通して数理モデル化し、数学・数理科学の技術を用いてインテリジェントな問題解決を行うAI技術です。人の行動や心理についても数理モデル化することでより多角的な分析が可能となり Human Centric AI の実現へとつながります。数理技術における、膨大なデータ処理やシミュレーションにおいてはスーパーコンピュータなどを活用します。

この数理技術はソーシャル領域でどのような貢献ができるのでしょうか。3つの例を挙げて紹介します。

スーパーコンピュータで津波による浸水被害をリアルタイムに予測

一つ目は、地震発生時の津波による浸水被害の予測です。災害被害を予測して地図化したハザードマップを作る場合、これまでは震源地や震度などの過去の地震データをもとに、津波の大きさや浸水被害のエリアを解析していました。しかしこの解析には、数時間から数日かかってしまうこともあり、実際に地震、津波が起きた時に、リアルタイムでの被害エリアの推定は困難でした。

そこで富士通は、東北大学災害科学国際研究所と共同研究を実施し、津波浸水の解析にスーパーコンピュータを用いることで、数日間はかかるとされていた解析時間を2分以内に短縮しました。これにより、地震発生直後の観測に基づいた浸水ハザードマップをリアルタイムに作成することができるようになりました。5mメッシュの高解像度解析により、細かい地形が津波に与える影響までも考慮し、詳細に被害エリアを予測します。

現在、この浸水予測のテクノロジーは、南海トラフ巨大地震などを想定して、その有効性の検証が進められ、同時に地方自治体や臨港地区の事業者による津波対策への適用に向けた検討が行われています。

写真上は津波の到達時間を、写真下は統計情報に基づいて家屋が倒壊する確率を、開発した津波モデルにより即時推定したもの

「東大合格」に迫る!AIが数ⅡBで偏差値65を獲得

二つ目は、人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」です。これは、国立情報学研究所を中心に2011年にスタートしたもので、富士通は2012年からこのプロジェクトの数学チームに参画しています。そもそも入試問題は、人間が使う言葉、つまり自然言語で作られているために、コンピュータが試験問題を理解し、正しい答えを導き出すことは困難でした。自然言語や数式で記述された問題文を、自然言語処理を用いてコンピュータが分析可能な形式に変換してから、富士通独自の数式処理によって解を求めるというプロセスで問題を解きます。

具体的には、三つのステップで処理していきます。第1ステップでは、自然言語・数式によって記述された問題文から、言語構造や意味を解析し論理的構造を表した表現に翻訳します。(言語解析・意味合成)。第2ステップでは、数学知識データベースを利用して、翻訳したものをコンピュータが処理できる形式に変換します(論理式の書き換え)。このように翻訳、変換することで、コンピュータによる処理が可能な状態になります。そして第3ステップで、数式処理、自動演繹のプログラムで問題の答えを求めます(推論系・計算処理)。

「2021年度に東京大学入試を突破」を目標に、数学チームは進研模試総合学力マーク模試(注1)に挑戦。数ⅡBでは偏差値65.8を獲得し、入試突破に向け着々と成果を出しています。

(注1)株式会社ベネッセコーポレーションにて実施

数理技術で人間の心理も分析。空港での待ち時間のイライラも解消

三つ目の事例は、九州大学様、福岡空港ビルディング様と実施している旅客満足度向上を目指した共同研究です。ここ数年、福岡空港は訪日外国人の急増を背景に旅客数が増加しています。その反面、各手続きでの旅客の待ち時間が増え、旅客に不安や不快感を与えないための施策設計が必要になっています。
そこで今回、混雑緩和をテーマに「待ち行列システム」による独自の数理モデルを構築。レーンやカウンターの数、一人当たりのサービス時間などの「手続き」に関するデータから、シミュレーションにより、旅客満足度、つまり旅客の心理状態を数値化していきます。これにより人間の心理面を定量的に理解でき、客観的なデータを元に現場関係者間で施策の議論が可能になりました。

人間との共存・共生を実現するためにAIによる社会的な貢献を具体的な形に

このように「数理技術」に支えられたAIは、スーパーコンピュータなどを用いて膨大なビッグデータを分析し最適解を求めたり、自然言語処理と接合されて私たち人間が使う自然言語による問題を解いたりすることを実現するテクノロジーです。
更には、人々の行動や心理(例えば、ストレスの度合いなど)もデータ化し解析していくことで、AIが人に寄り添った最適な解を導き出し、私たちの生活をより豊かにすることができると考えています。人間と共存、共生できるAIという未来を実現するため、富士通はこれからもソーシャル領域における数理技術の研究に邁進していきます。

FUJITSU JOURNAL - に関するお問い合わせ

特集

Fujitsu Asia Conference 2016
富士通フォーラム2016
セキュリティ
進化を続ける人工知能
IoT・ビッグデータ
環境問題の解決にICTで挑む

人気ランキング

1 日本が誇るスーパーコンピュータ「京」が「Graph500」で再び世界第1位に
2 サーバを丸ごと液浸して消費電力を30%削減! 斬新な冷却技術でデータセンターに革命を
3 「ろう者に音を届けたい」(前編) 髪の毛で音を感じる全く新しいデバイス「Ontenna」
4 ポスト「京」プロセッサの命令セットを紹介
5 AIが実現する近未来 「CEATEC JAPAN 2016」富士通ブースレポート

おすすめ

CeBIT 2017に出展
AI(人工知能)で注目の新技術「Deep Tensor」を用いた高精度学習で、データ分析の高度化を目指す
病院の待ち時間ストレスをスマホで解決!「患者向けモバイルソリューション」とは?
スポーツとIoTで、究極のエンターテインメントを目指す

google+もチェック

富士通 Biz News ビジネスに役立つ情報をメールマガジンでお届けします

FUJITSU JOURNAL - に関するお問い合わせ

FUJITSU アプリ

Google+

アンケートにご協力ください

FUJITSU JOURNALをご覧いただき、ありがとうございます。読者のみなさまの貴重なご意見を今後のWEBサイト改善に役立てたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いいたします。

アンケートに答える»

アンケートにご協力ください

FUJITSU JOURNALをご覧いただき、ありがとうございます。読者のみなさまの貴重なご意見を今後のWEBサイト改善に役立てたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いいたします。

アンケートに答える»

ページの先頭へ