Fujitsu Asia Conference Taipei イベントレポート

2015年12月10日、台湾 台北で「Fujitsu Asia Conference Taipei」を開催しました。
「Fujitsu Asia Conference」は、「Human Centric Innovation in Action」をテーマに、富士通の先行事例や最新テクノロジー紹介を交えながら、アジアにおける社会課題解決に向けた当社取り組みについて紹介するカンファレンスで、アジア数ヶ国で開催しています。2015年は富士通が台湾に拠点を構えて20年と節目の年。台湾のお客様に御礼を申し上げると同時に、快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献し、豊かで夢のある未来を提供するために、今後も常に変革に挑戦し続けることをお約束する場となりました。

台湾における富士通の取り組み

富士通台湾社長 池上一郎

富士通台湾社長 池上一郎の中国語の挨拶で幕をあけた「Fujitsu Asia Conference Taipei」。富士通はアジアにおいて、創業当時からの80年の長い歴史をもち、従業員18,000人体制で6,000社を超えるお客様をサポートしています(日本は除く)。

「富士通の台湾での取り組み」 富士通株式会社 Asiaリージョン長・執行役員 斎藤淳一

続いて登壇した当社Asiaリージョン長・執行役員の斎藤淳一も「台湾は最先端ICT機器の輸出ハブ、強い製造業、豊富な中国ビジネス経験と日本との友好関係の観点から、日経ICT企業にとって非常に重要な地域です。」と、台湾の重要性を強調。富士通はハードの提供に始まり、業種ソリューションの提供と台湾でのビジネスの幅を広げ、スーパーコンピュータ「京」(注1)商用機を世界で初めて台湾で納入しました。富士通の台湾におけるフラグシップとして台湾中央気象局様の気象予測システムは、従来機と比べ100倍の計算性能を実現、台湾の防災に貢献しています。

(注1)スーパーコンピュータ「京」:理化学研究所と富士通が共同で開発したスーパーコンピュータです。

「Human Centric Innovation」 富士通株式会社 執行役員常務 グローバルマーケティング部門長 阪井洋之

基調講演では、当社執行役員常務 阪井洋之が、インドネシアでの高速道路の渋滞緩和に向けた位置情報クラウド「SPATIOWL(スペーシオウル)」やフィリピンでのエコを意識したオート三輪タクシーの効率的な経路情報提供システム、イノベーション先行事例としてオムロン様の製造プロセズ改善による生産力向上やレオパレス21様の太陽光発電向けの屋根借りという全く新しいビジネスモデルなど紹介しました。「今後は台湾においても、当社が精力的に取り組む社会課題解決に向けたソリューションやイノベーション事例構築に向けてまい進していきます。」と、今後のビジネスの方向性を示しました。

「生産力4.0計画」-IoTを核とした台湾のITの未来

台湾の行政院副院長(副首相)であるチョウ・チェンセイ(張善政、Chang San-cheng)氏

ゲストスピーチには、台湾の行政院副院長(副首相)であるチョウ・チェンセイ(張善政、Chang San-cheng)氏が登壇。スーパーコンピュータなど技術の進歩の重要性について強調した上で、富士通をはじめ先端技術を持つ企業の力に対する、台湾としての期待を述べました。チョウ副院長は、「現在、台湾では、主にコンシューマ向けにIoTやセキュリティ、ヘルスケアなどに力を入れています。台湾企業のビジネスはBtoBが主流のインダストリー4.0の取り組みといえる「生産力4.0計画」を進め、IoTを核とする新たな市場を切り開いていく方向性を示しました。

「生産力4.0-台日産業協力の新たなチャンス」 経済部工業局 シェン・イウセイ(沈維正、Shen Wei-cheng)金屬機電組組長

続いて、台湾生産力4.0計画を推進する経済部工業局のシェン・イウセイ(沈維正、Shen Wei-cheng)金屬機電組組長が登壇。シェン組長は生産力4.0のポイントを、新たな製造プラットフォームとしてCPS(注2)を適切に導入することであると説明。「重要なのは市場規模などに的確に適応するための生産力の向上であり、そのためのボトルネックがどこにあるのかを把握し、その上で設備を変えていくべきです」と述べました。最後に、市場を押さえるには、CPSを共同で実現する企業同士の密接な連携が重要だとし、富士通からもエキスパートを数多く台湾に送り込んでほしいと希望を述べられました。
(注2)CPS:サイバーフィジカルシステム。現実の世界の情報をIoT(モノのインターネット)などにより、サイバー空間に取り込みコンピューティング能力を使って解析を行い、最良の結果を導き出し、それを現実世界にフィードバックするようなシステムのことです。

IoT、セキュリティ、ヘルスケア領域における新たな取り組み

「ビジネスイノベーションを加速するIoTソリューション」 富士通株式会社 IoTビジネス推進室室長 須賀高明

カンファレンスの後半は、台湾でも注目が高まるIoT、セキュリティ、医療をテーマにビジネスセッションを実施。当社 IoTビジネス推進室室長 須賀高明は、IoTによるビジネス変革が注目されるようになった背景として、製品のコモディティ化、企業の異分野進出をはじめとするボーダーレス化といったトレンドがあると説明しました。
さらに、IoTを活用した具体的なビジネス変革として、室温を自動調整し、使っているうちに学習する人工知能を搭載することで、電気代やガス代を節約できる「Nest Thermostat」や、工場内の様々な情報を収集・加工し、分析することで現場の可視化・予測を可能にする「当社工場の製造ラインの見える化による従来事業の変革・効率化」を紹介しました。

「サイバーセキュリティ時代にお客様・社会を支える富士通の取り組み」 富士通 グローバルマーケティンググループエバンジェリスト 太田大州

続いて当社グローバルマーケティンググループエバンジェリスト 太田大州は、「IoTが注目される一方で、サイバー攻撃によるリスクと安心・安全なプラットフォームを実現することが重要」と述べた上で、サイバー攻撃の予兆や、社内ネットワーク上での感染の兆候を素早くとらえ、即座に対応する仕組みのICT-BCP(事業継続)が重要性を示しました。具体的なツールとして、「Systemwalker Security Control」や「InetSec Intra Wall」を紹介し、こうしたシステムの提供と同時に、セキュリティ人材育成や研修サービスにも力を入れていくことも表明しました。

「日本政府の医療産業再興戦略と富士通スマート医療の取り組み」 富士通特命顧問兼未来医療開発センター長 合田博文

カンファレンスの最後は、当社特命顧問兼未来医療開発センター長 合田博文が登壇。
「目指すのは、予防・健康に着目したヘルスケア産業の創出支援です」と述べ、ヒューマンセントリック・イノベーションを軸にした、富士通の健康長寿社会実現に向けてのビジョンについて説明しました。既存のソリューションとして、電子カルテや介護業務支援システム「HOPE WINCARE-ES」などを紹介しました。
続いて、2年後の実用化に向けて研究開発中の「心臓シミュレータ」をご紹介。スーパーコンピュータを使って計算、画像情報などから個人の心臓の動きを解析し、動画で詳細の動きを表現できる仕組みを説明しました。既に個人の心電図、血流などまでシミュレートできるようになっていること、心臓手術時の最適な判断のほか、創薬にも役立つと説明しました。
そして、今後の健康情報サービスの将来像として、「病歴やアレルギー情報、健診情報などはもちろん、生まれてから、どの予防接種を受けたか、どのようなものを食べてきたかなど、様々なデータをトータルに扱い、自己健康管理する社会がやってくるでしょう」と、カンファレンスを結びました。

おわりに

富士通台湾設立20周年を記念して行われた今回の「Fujitsu Asia Conference Taipei」。
経済のさらなる発展のためには、国境を越え、「人」を中心としたヒューマンセントリック・イノベーションの実現がこれまで以上に求められています。今後も、フィリピン、インドネシアなど、アジア各国での開催を予定しています。
引き続き「Human Centric Innovation in Action」をテーマに各国でのICTトレンドや先進事例についてお届けしていきますのでご期待ください。

[注] 記事内の人物の肩書きは2015年12月イベント時のものです。