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主要都市圏で盗聴をシャットアウト! 高セキュア通信を実現する量子暗号技術

量子力学に根ざした究極の盗聴耐性を持つ量子暗号

インターネット上には、パスワードや個人情報など、他人に知られたくない情報が多数存在します。情報の暗号化のために1980年代より主流となってきたのが「公開鍵暗号」です。公開鍵暗号とは、暗号化と復号に別々の鍵(手順)をかけ、情報を読み取るリスクを軽減しようとする暗号方式です。

しかし、公開鍵暗号は十分な時間をかければ解読可能であり、また伝送路上での盗聴を防ぐ手段もないことから、最近になって全く新しい暗号方式が考えられてきました。それが「量子暗号」です。量子暗号とは、光の粒子である光子1つ1つに乱数情報を記録することで、二者間で安全に暗号鍵共有を行うための技術です。盗聴者が伝送路上で鍵情報を盗み見ようとすると、量子力学の原理により光子の状態変化を引き起こすため、これを検知することで、完全な秘匿通信が可能になります。

量子暗号は、物理法則(量子力学)に根ざした究極の盗聴耐性を持ち、より高い通信路安全性への需要に応じて考えられた、究極のセキュリティ技術と言えます。

鍵情報を盗み取ってしまう危険性への対応

量子暗号では、光子を1個ずつ送信する必要がありますが、現在の量子暗号鍵伝送(注1)では、光子が一度に複数出てしまう場合があり、盗聴者が複数光子の一部から鍵情報を盗み取る危険性があります。このため、数種の「おとり信号」を人為的に混入する手法が用いられますが、装置構成や鍵抽出プロセスが複雑になり、装置の管理・運用に細心の注意が必要となるといった課題があります。

また、長距離伝送に有利な1.5μm波長帯における伝送可能距離は50 kmにとどまっており、量子暗号鍵伝送システムを実現するには、光源側とシステム側双方の性能を改善することも課題となっていました。

(注1)量子力学的な不確定性原理を基盤として、安全性を証明可能な秘密鍵を送信者と受信者との間で共有できる秘匿通信。不確定性原理により盗聴された痕跡を検知できるため、物理的に安全性が保証された究極の鍵伝送を実現できる。

東京-宇都宮間で盗聴不可能な高セキュア通信を実現

このたび、東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構と富士通研究所、日本電気の3者は、世界最長となる120 kmの量子暗号鍵伝送に成功しました。これは、高純度の1.5μm量子ドット単一光子源と、単一光子源に最適化した光ファイバー量子暗号鍵伝送システムを、3者で新たに開発することにより実現したものです。

120kmの伝送距離は、東京-宇都宮間などに相当するため、主要都市圏をカバーする盗聴不可能な高セキュア通信の実現に大きく弾みがつくものと期待されます。

今回開発した長距離量子鍵伝送システム

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