大型データセンターの分散処理能力向上に貢献する光通信器技術

増え続けるデータ通信量を分散処理

データセンターの処理能力向上に伴い、サーバ間のデータ通信量はますます増大し、電気通信だけではサーバ間を接続することが困難になりつつあります。このため、データセンター内の機器の接続に光ファイバーを用いて、サーバ間の通信を高速・広帯域化する「光インターコネクト」に期待が集まっています。光インターコネクトを実現するには、高速の電気信号を光ファイバーへ入力する際に光信号に変換する「光トランシーバー」が必要です。現在、サーバ間のデータ伝送速度は、高速なもので毎秒25Gbpsの光トランシーバーが用いられています。

こうした状況の中、ビッグデータなど大容量処理のニーズも高まっており、データセンターではサーバの台数を増やして、分散処理によってシステム全体の処理能力向上を図っています。サーバの台数を増やすためには、フロア面積の拡大、ならびに各サーバ間を接続する光通信の長距離化が必要です。しかし、現在サーバ間光通信で広く使用されている光ファイバーでは、ファイバー内で光波形の高速特性が劣化する「モード分散」と呼ばれる現象が発生し、長距離化の妨げとなっていました。

最大で従来比4倍のサーバ接続が可能に

そこで富士通研究所は、レンズから光ファイバーまで光を中継して伝える中継導波路を挿入することで、既存のマルチモードファイバーを用いて、モード分散を低減させる技術を開発。モード分散の解析結果を基に、モード分散を最も低減できる中継導波路の構造として、コア幅25μmの中継光導波路を持つ光トランシーバーを考案しました。

これにより、伝送速度25Gbpsで従来比2倍となる200mの伝送、フロア面積で換算すると最大で従来比4倍のサーバ接続が可能となり、大型データセンターの分散処理能力向上に貢献します。

富士通研究所は、今後、開発技術を実装した光トランシーバーの小型化を進め、 2017年度の実用化を目指します。

中継光導波路によりモード分散を低減する構造