1秒以内にネットワークを構築し、迅速なシステム利用を可能にするSDN技術を開発

短期間でのWebサービスへのアクセス負荷に対応するために

イベントやキャンペーンなどでWebサービスへのアクセス負荷が数時間で急激に変動することがあります。アクセス状況の変化はサービス品質にも影響するため、近年では資源を動的に配備できるクラウドコンピューティング技術が活用され、従来数日から数週間かかっていたインフラの増強が数分でできるようになってきました。

しかし、例えばゲームの新しいアイテムを期間限定で配布したり、電車のトラブルで多くの人が一斉に迂回経路を検索したりするなど数分ですら遅い事例も多く、増加する負荷を瞬時に低減する技術が求められます。こうした状況に適した仮想化技術として注目されているのがコンテナです。

約0.2秒で起動するコンテナを仮想マシン(VM)のようにクラウドで利用するためには、顧客ごとの仮想ネットワークも高速に構築する必要があります。従来、仮想ネットワーク構築には物理スイッチ設定を含めると数秒を要し、各顧客が多数のコンテナ環境を利用するのは現実的ではありませんでした。

SDN技術で高速にコンテナ間を接続

そこで富士通研究所は、起動や処理が高速な仮想化技術Linuxコンテナにおいて、世界で初めて顧客ごとに分離したコンテナ間の仮想ネットワークを高速に自動構築するSDN (Software Defined Networking)技術を開発しました。

これは、ネットワーク情報をあらかじめ物理スイッチに配布しておき、コンテナ起動を検知してネットワークを自動構築することで、1秒以内にコンテナとその顧客ごとに分離されたネットワークを構築する技術です。これにより、数百台規模のコンテナ起動に追随してシステム利用が可能となり、例えば、イベントやキャンペーンなど短時間で急激にアクセスが増加するWebサービスなどで瞬時にシステムの増強が可能になります。

当技術により、仮想スイッチ設定と物理スイッチ設定を合わせた顧客ごとの仮想ネットワーク構築も約0.2秒で実現でき、コンテナの起動と合わせても1秒以下でシステムを利用できるようになりました。同一システム上に複数の顧客が同居するマルチテナント環境において、イベントやキャンペーンなど短時間でアクセスが変動するサービスにおいて迅速にシステムを増強し機会ロスを防ぐなど柔軟なアプリケーション実行環境を実現します。

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