ソフトウェアの詳細な消費電力の見える化技術を開発

増大する消費電力を削減するためには?

スパコンシステムやデータセンターでは、システム規模の拡大や処理量の増加に伴い、消費電力も増大しています。例えばトップレベルの高速なスパコンシステムではその消費電力が約18MW(メガワット)と言われており、また日本のデータセンターの消費電力量は年平均で77.2億kWh(キロワット時)(注)と膨大で、全体の消費電力を削減することが求められています。

低消費電力化には、従来のハードウェアによる低電力化に加え、サーバ上で動作するプログラムの消費電力を低減する方法があります。消費電力を抑えるプログラミングを実現する前提として、現行のソフトウェアが消費する電力を把握する必要があります。Intel製CPUを搭載したサーバでは、CPU全体の消費電力を把握することができますが、各CPUコア上で実行されるソフトウェアの消費電力の分析までは実現できず、詳細なソフトウェアの消費電力を把握することが困難でした。

(注)総務省が発行した「地球温暖化問題への対応に向けたICT政策に関する研究会 報告書」(2008年4月)より

ソフトウェアの各処理で消費される電力を詳細に算出

そこで富士通研究所では、サーバに搭載したCPU上で、ソフトウェアの各処理で消費される電力を詳細に算出し、省電力プログラミングを実現する技術を開発しました。開発した技術の特長は以下の通りです。

1.性能指標に基づく電力配分によるソフトウェアの詳細な消費電力解析
2.負荷が少ない電力情報の算出

これにより、ソフトウェア開発者が消費電力を削減するチューニング(省電力プログラミング)に活用でき、サーバ全体の低消費電力化や余剰電力を活用して並列度を上げるなどのプログラムの高性能化に貢献できます。

富士通研究所は、本技術の2016年度の実用化を目指し、ソフトウェアによる消費電力削減の実証を進めます。また、富士通のデータセンターへの技術適用も検討し、消費電力をさらに詳細に分析することで、データセンターの省電力化を目指します。